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更新日:2019年11月21日

「宮崎県棚田地域振興計画」の策定について

貴重な国民的財産である棚田を保全し、棚田地域の有する多面にわたる機能の維持増進を図り、もって棚田地域の持続的発展および国民生活の安定向上に寄与することを目的として制定された「棚田地域振興法」(令和元年8月16日施行)第六条第1項に基づき、宮崎県では「宮崎県棚田地域振興計画」を令和元年11月に策定いたしました。

第一棚田地域の振興の目標

宮崎県は県土の約9割を中山間地域が占め、これらの地域では先人たちが希望を持って切り拓いた棚田等を活用して、稲作や園芸、畜産、茶、しいたけ栽培など多様な農業が営まれている。また、これらの農業を通じて育まれてきた地域の絆の中で、棚田や山腹用水路の維持管理等の集落共同活動や神楽などの伝統文化、豊かな自然などの貴重な地域資源が延々と守り継がれてきた。

また、県内には「日本の棚田百選」に認定された棚田が11箇所あり、景観や用水路等の維持管理等を続けながら営農し、棚田オーナー制度や棚田まつりなど、棚田を生かした地域振興の取組が県内各地域で展開されている。

さらに、高千穂町、日之影町、五ヶ瀬町、諸塚村、椎葉村の3町2村からなる高千穂郷・椎葉山地域では、棚田を中心に地域の人々が長年守ってきた用水路や伝統的な農業、伝統文化を通じた地域の絆が高く評価され、平成27年12月に世界農業遺産に認定されており、地域が一体となった活性化の取組が進められている。

しかしながら、人口減少や高齢化の進行等による農林業担い手の減少は、棚田地域においても著しく、営農の継続や生産基盤の維持管理が難しくなってきている。

そこで、地域農業の営みの場である棚田が、多面にわたる機能を有する貴重な国民の財産として将来にわたって保全されていくために、農業生産機能の維持、景観の形成、観光・農泊・教育等による関係人口の増加等、施策の更なる充実と強化を図ることで、棚田を核とした棚田地域の振興を図ることを目標とする。

なお、同計画に基づき棚田地域の振興を図るにあたっては、国土利用計画(宮崎県)、宮崎県山村振興基本方針、農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する基本方針、宮崎県中山間地域振興計画など地域振興に関する計画との調和を保つものとする。

第二棚田地域の振興に関し、総合的かつ計画的に講ずべき施策

1.棚田地域の振興に関連する施策の推進

現状では、棚田地域の振興を可能とする事業等に取り組んでいるが、更なる実効性のある施策推進を図るため、今後は、関連する下記の施策の積極的な推進を図るものとする。

(1)地方への移住・定住の促進や「関係人口」の創出・拡大に資する施策

棚田は、地域住民が共同で用水路や長大法面を管理し、水田としての活用を継続することで保全されてきた。

しかし、県全体で人口減少が進む中、棚田地域においても一定の人口減少は避けられないことから、人的活力の低下を抑制することが重要となってくる。このため、全国的な「田園回帰※」の流れを汲み、受け入れる地域側の体制整備も図りながら、UIJターンの促進や、様々な形で地域に関わる「関係人口」の取り込みにより、地域の活力基盤の維持を図る。

  • <田園回帰とは>
    都市住民が農村への関心を高め、新たな生活スタイルを求めて都市と農村を人々が行き交う動き。

(2)農山漁村体験や自然体験学習等、農村交流・体験の推進に資する施策

棚田地域においては、棚田オーナー制度や棚田まつりなどの農村交流・体験イベントや教育活動の一環としての自然体験学習等が開催されている。

このような活動が、地域の連帯や地域活性化、さらには棚田地域の維持継承に繋がる活動であることから、農村交流・体験の推進に資する施策の推進を図る。

(3)歴史的価値の高い文化的景観等、文化財の保護・活用に資する施策

例えば、日南市「酒谷の坂元棚田及び農山村景観」は文化財保護法により重要文化的景観に選定(平成25年10月17日)され、次世代に継承するべき高い価値を有する景観として評価されるなど、多くの棚田は美しい景観を誇り、文化財として貴重な価値を有している。今後も棚田の美しい景観を維持するため、文化的景観等、文化財を保護・活用するための施策の推進を図る。

(4)農業生産活動、農産物の加工・販売の促進等に資する施策

棚田等は、中山間地域における貴重な農地であり、生活する住民にとっては、農業生産活動の基盤である。この棚田を保全し活用していくために中山間地域等直接支払制度や多面的機能支払制度の活用をはじめとした農業生産活動を支える支援、生産基盤の整備等に資する施策の推進を図る。

また、平地と比較して区画が小さく、畦畔率が高い棚田地域において持続的な水田営農を推進するため、ICT技術を活用した作業の自動化や畦畔管理の軽減化技術の導入資する施策の推進を図る。

さらに、水稲の他、中山間地域等の地形、気象条件に適した高収益作物の導入や肉用牛における採草地や放牧地としての利用を促進するとともに、農産物の加工・販売の促進等に資する施策を通じて、農業所得の向上や地域の活性化を図る。

(5)国土保全や地域社会の維持・活性化に資する施策

多面的機能を有し、生活や産業活動の基盤である棚田等を保全していくためには、農地としての活用が継続されるとともに、併せて長大法面や用排水路、農道等の維持管理が住民等によって継続して行われていく必要がある。

そこで、農地や用排水路、農道等を永続的に保全するための施策の活用や、地域社会の維持・活性化に資する施策の推進を図る。

(6)観光資源の魅力向上等、観光の促進に資する施策

棚田等は、中山間地域を代表する観光資源として大きな魅力を有しており、地域活性化に欠かすことができない。

そこで、さらに棚田地域の魅力を高め、交流人口が拡大するための環境整備、農泊や空き家の利活用の促進など、観光の促進に資する施策の推進を図る。

(7)自然環境の保全・活用、鳥獣被害対策等に資する施策

棚田等では、これまで農地や用水路を適切に利活用・管理してきたことで棚田の環境に適応した多くの希少動植物を保全してきた。今後も生物多様性を維持し保全していくために棚田等の持続的な活用を図る。

また、棚田地域を含む中山間地域は、鳥獣被害が深刻な状況であることから、鳥獣被害対策特命チームや鳥獣被害対策支援センターを中心に、国等の施策を活用し、有害鳥獣の捕獲や侵入防止柵の整備を推進するとともに、地域リーダーの育成、棚田や集落に鳥獣を近づけない追い払い等の集落活動、さらにはジビエの利活用等を促進する。

(8)世界農業遺産やユネスコエコパーク等の世界ブランドと連携した施策

県内には、国連食糧農業機関(FAO)から評価された「高千穂郷・椎葉山地域世界農業遺産(H27.12認定)」やユネスコから評価された「綾ユネスコエコパーク(H24.7登録)」、「祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク(H29.6登録)」の地域があり、県及び地域において、これを発信しながら地域の活性化に繋げる取組が行われている。

これらの地域内や周辺部には、多数の棚田等が含まれることから、世界ブランドを活かした地域づくりとして、棚田地域の活性化施策を図るものとする。

2.宮崎県独自の支援施策

(1)中山間ふるさと・水と土保全対策事業及び中山間ふるさと・水と土保全推進事業

中山間ふるさと・水と土保全対策事業(以下「ふる水基金」という。)及び中山間ふるさと・水と土保全推進事業(以下「棚田基金」という。)の活用促進を図るため、市町村が指定棚田地域振興協議会を組織する際には、宮崎県が同協議会に参加できるよう、市町村と調整を図るものとする。

(2)宮崎県の「日本の棚田百選」

平成11年に日南市、えびの市、西米良村、高千穂町、日之影町、五ヶ瀬町の11箇所の棚田について、景観、伝統・文化の維持保全の観点から、「日本の棚田百選」に認定された。観光客の誘客等に繋げるために、今後も宮崎県や市町村のホームページ等において周知の徹底を図る。

(3)棚田カード

他地域からの棚田への訪問を促し、棚田の持つ多様な魅力と、棚田を維持保全するための取組に対する理解を求めることを目的として、棚田カードの作成・配布を推進する。

令和元年度時点で2地区において棚田カードを作成・配布しており、今後は市町村と連携しながら対象地域を増やしていくこととし、その実施にあたっては、それぞれの地区の特色を生かした棚田カードの内容、配布方法の工夫に努めることとする。

(4)その他の取組

市町村等における地域づくりを支援するため、上記施策の他、国や県等が行なっている制度事業を紹介する「地域づくりハンドブック」を作成し、市町村に提供するとともに、県庁ホームページに掲載することで活用促進を図る。

3.宮崎県における推進体制

(1)中山間地域対策の推進

宮崎県では、知事を本部長、副知事を副本部長、各部局長を本部員とする「宮崎県中山間地域対策推進本部」を設置し、全庁的な連携を図りながら本県の中山間地域対策を総合的に推進している。棚田地域の振興に関しては、今後、本推進本部において情報共有、連絡調整を行う。

(2)棚田地域振興法の推進

宮崎県としての総括及び棚田地域の申請や指定棚田地域振興活動計画の認定申請等並びに各部局連絡調整を農政水産部農政企画課中山間農業振興室が担い、棚田地域振興法の周知・普及及び市町村や地域協議会への助言・指導に関しては農政水産部農村整備課が担う。

また、棚田地域振興に関する各府省庁の制度等については、両課が情報収集・把握し、その積極的な活用を図る。

4.棚田地域振興に関する情報の周知徹底

棚田地域における先進的・モデル的事例については、国とも積極的に連携を図りながら、幅広く周知を行うことで、棚田地域の取組の横展開や県内外への情報発信を図る。

周知については、代表的な棚田の選定、パンフレットや地域マップを作成し活用するなど、棚田のイメージアップに取組み、情報が幅広く行き渡るよう効果的・効率的に行うものとする。

第三指定棚田地域の指定申請に関する基本的考え方

指定棚田地域の指定申請にあたっては、国の基本方針に定められた以下の指定基準に従い、関係市町村等とも綿密に連携しながら、選定することとする。

1.棚田等の保全を図るため、当該棚田地域の振興のための措置を講ずることが適当であると認められる地域

(1)棚田地域の振興を図る必要性が高いこと

人口の減少、高齢化の進展等の社会・経済情勢の変化により、棚田が荒廃の危機に直面していると認められること

(2)棚田の多面にわたる機能の維持及び促進が期待できること

農産物の生産、国土の保全、水源の涵養、生物多様性の確保その他の自然環境の保全、良好な景観の形成、伝統文化の継承等多面にわたる機能に優れた棚田があり、その保全及び機能の発揮の促進が図られること

2.当該棚田地域に係る棚田地域活動が円滑かつ確実に実施されると見込まれる地域

棚田地域の振興及び棚田等の保全を推進する既存の組織が存在する、またはそのような組織が構築される見込みが高いこと

指定申請を行わなかった棚田地域についても、中山間地域等直接支払制度や多面的機能支払制度、ふる水・棚田基金等も活用しながら、農業生産活動や棚田等の保全を下支えしつつ、指定棚田地域での取組など先進的・モデル的な事例を横展開することで、棚田地域全体の振興を図っていくものとする。

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お問い合わせ

農政水産部農政企画課中山間農業振興室中山間活性化担当

〒880-8501 宮崎県宮崎市橘通東2丁目10番1号

電話:0985-26-7924

ファクス:0985-26-7307

メールアドレス:chusankan-nogyo@pref.miyazaki.lg.jp