ひむか神話街道 ひむか神話街道50の物語集
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神話・伝説のこぼれ話
第二十七話 ミケイリノミコトの鬼八退治
第二十八話 こぼれ話高千穂夜神楽 誕生のルーツ
第二十九話 こぼれ話 もうひとつの鬼八伝説
第三十話 あかぎれの童子
第三十一話 恵良八幡の伝説
第三十二話 椎葉“平家落人伝説”
第三十三話 こぼれ話 平家落人の悲しみの地「御池」
第三十四話 南郷村の百済王
第三十五話 白水さまの伝説
第三十六話 オオヤマツミと鬼の約束
第三十七話 稚児が池の伝説
第三十八話 こぼれ話 景行天皇のクマソ征伐
第三十九話 安姫さまの伝説
第四十話 平景清の伝説
第四十一話 桜川の伝説
第四十二話 熱くなる銀のつえ
第四十三話 黒荷田のへび権現
第四十四話 田野の百済王
第四十五話 弥五郎どん
第四十六話 こぼれ話 麓の人形浄瑠璃
第四十七話 髪長媛
第四十八話 石山の実庵和尚
第四十九話 鬼岩階段の伝説
第五十話 大豆の神さま 仁王さま
第二十八話こぼれ話【高千穂町】
高千穂夜神楽(たかちほよかぐら)誕生(たんじょう)のルーツ
 とんとん……しゃらしゃら…ぴーろぴー…。
 神楽舞の笛や太鼓の音色(ねいろ)がきこえ始めると、高千穂の秋も終わりです。
 高千穂夜神楽はいつ、どこで、どのようにしてつくられたのか確かなことは分かっていませんが、次の話が伝えられています。
 
 ミケイリノミコトによって殺された鬼八の霊(れい)は早霜(しも)を降らせてはお百姓さんを困(こま)らせていました。そこで、人々は毎年鬼八の霊をしずめることにしました。
 祭だんを作り、いけにえをささげ、七人の舞い手が笹(ささ)の葉を振りながら舞い、
 「しのめやたんがん、サーリャ誘う…」
と、鬼八を眠らせる歌を四十九回歌うと、鬼八の霊は満足してしずまり、それから霜の害はなくなったそうです。
 
 このときの舞が「笹ふり神楽」で、高千穂神楽の原型(げんけい)といわれています。今でも、高千穂神社では、毎年十二月に猪掛祭(ししかけまつり)が行われます。
 いけにえとしてイノシシ一頭がささげられ、その前で「鬼八眠らせ歌」を歌いながら、笹を振って神楽の舞を奉納(ほうのう)します。
 
 神々と人とが一体となる夜神楽のひととき。神さまと過ごし楽しむ私たちの心には、はるか昔の神さまたちの姿があざやかによみがえってきます。
第二十九話こぼれ話【高千穂町】
もうひとつの鬼八伝説(きはちでんせつ)
 ミケイリノミコトの鬼八退治の伝説。この伝説にはエピソードがあります。
 弟のカムヤマトイワレヒコとともに、東征(とうせい)に出かけたミケイリノミコトが、途中で一行とはぐれ、五ヶ瀬川沿いに高千穂に帰ろうとしていた時のことです。
 突然、空が真っ暗になり、大雨が降り、たちまち川に水があふれて渡れなくなりました。そのときは何とか渡れたものの、その後も、行く先々で大雨が降りました。
 実は、鬼八が雨を降らせる術を使ってミケイリノミコトの邪魔(じゃま)をしていたのです。
困ったミケイリノミコトが、天の神々にお祈(いの)りをしたところ、雲がかき消え、たちまちにして雨がやんだということです。
 その後、無事に高千穂へ帰ることができましたが、ここでも、人々から鬼八の暴れぶりを耳にしたミケイリノミコトは、
 「これはいけない。いつの日かきっと私が退治してやる」
と心に誓(ちか)ったそうです。

*日之影町にはこの話に関係する地名がいくつか残されています。
  高千穂神社の写真   国見ヶ丘の写真  
  【高千穂神社】(高千穂町)
 ニニギノミコトほか日向三代の夫婦神と十社大明神(ミケイリノミコト)を祀り、高千穂八十八社の総社として古くから信仰をあつめています。境内にある神楽殿では有名な岩戸開きを主題にした夜神楽が毎日公開されています。
 また、鎌倉時代に作られた鉄製の狛犬一対と、「五間社流造(ごげんしゃながれづくり)」の本殿は国の重要文化財に指定されています。
【国見ヶ丘】(高千穂町)
 神武天皇の孫タテイワタツノミコトが九州統制のため、阿蘇に向かう途中、この地に立ち寄り、この丘から四方を眺め、国見をしたことからこの名がついたといわれています。
 標高は513mで快晴の日には、西に阿蘇の五岳、北に祖母連山、東に高千穂盆地を見わたすことができ、秋の雲海の名所としても知られています。
 
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