ひむか神話街道 ひむか神話街道50の物語集
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第五十話
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大豆の神さま 仁王さま【高原町】
第二十七話 ミケイリノミコトの鬼八退治
第二十八話 こぼれ話高千穂夜神楽 誕生のルーツ
第二十九話 こぼれ話 もうひとつの鬼八伝説
第三十話 あかぎれの童子
第三十一話 恵良八幡の伝説
第三十二話 椎葉“平家落人伝説”
第三十三話 こぼれ話 平家落人の悲しみの地「御池」
第三十四話 南郷村の百済王
第三十五話 白水さまの伝説
第三十六話 オオヤマツミと鬼の約束
第三十七話 稚児が池の伝説
第三十八話 こぼれ話 景行天皇のクマソ征伐
第三十九話 安姫さまの伝説
第四十話 平景清の伝説
第四十一話 桜川の伝説
第四十二話 熱くなる銀のつえ
第四十三話 黒荷田のへび権現
第四十四話 田野の百済王
第四十五話 弥五郎どん
第四十六話 こぼれ話 麓の人形浄瑠璃
第四十七話 髪長媛
第四十八話 石山の実庵和尚
第四十九話 鬼岩階段の伝説
第五十話 大豆の神さま 仁王さま
村人(むらびと)(すく)った大豆(だいず)(かみ)さまは仁王(におう)さま
 今から百年ほど前のことです。
 高原町の狭野(さの)では、人々が会うたびに
 「今年は大豆の出来が悪いなあ」
と話していました。
 天気が悪いわけでもないのに大豆の不作は、次の年もまたその次の年も続きました。
 そのころから、人々は小声でひそひそと
 「あれのばちが当たったにちがいない」
とうわさしていました。
 「ばち」とはこういうことでした。
 
 むかし、狭野神社のとなりに神徳院(しんとくいん)というお寺があり、庭に大きな仁王さまが立っていました。
 しかし、このお寺は年々すたれてしまい、そのうちに訪(おとず)れる人もいなくなってしまいました。
 お寺は荒れ、そのうちに仁王さまは倒(たお)され、そのひょうしに近くの小川に流されてしまいました。
 「大豆がとれなくなったのは、仁王さまをおそまつにしているからにちがいない」
 「そうだ。早く、元どおりにお建てしないといかん」
 そして、村の者みんなで話し合った末に、仁王さまを引き上げることにしました。
 でも、高さ二メートル、重さ二百キロもある大きな大きな仁王さまです。
 村人は力をあわせて、やっとのことで引き上げると、もとの場所に建て直しました。
 すると、どうでしょう。
 次の年から、大豆は大豊作。
 村人たちは
 「仁王さまのおかげさま」
と感謝し、仁王さまを大豆の神さまとして大切におまもりして、大豆の豊作をお祈(いの)りしたということです。
  神さまメモ 「神徳院(しんとくいん)仁王像(におうぞう)
神徳院は狭野神社の別当寺でしたが明治時代に入り、「廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)」のために取り壊されました。仁王さまの像は今では狭野神社の北参道近くの薄暗い木立の中に静かに二体並んでいます。
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