みやざきの味と花101ロゴ 鯨ようかん
 
 

●ほどよい甘味に人気
 歴史の町・佐土原に伝わる名物。名前の由来は佐土原藩島津家四代・忠高に男子が生まれたとき、藩のご用菓子屋が「鯨のように大きく、力強く育ってほしい」との願いをこめて菓子を献上した故事によるとされる。
 形は外側にあん、内側にもち状の生地を合わせた独特のもので、一般的に知られるようかんとは異なる。作り方はうるち米を石うすでつき、かすをふるって粉粒を整え、熱湯を加えてこねる。これを約15分蒸し、再度石うすを用いてきねでつく。こうしてできた生地を少量丸めて長さ40センチ、幅7センチほどの棒状にのばす。
 次に生地にあんを中高に載せ、つや出しの水ときかたくり粉をはけで塗って、蒸しかごに並べ、約20分蒸す。蒸し上がったら冷やし、棒状になった2本の生地を背中合わせに1本にし、最後にテグス糸で4センチ幅に切って出来上がり。
 現在、製造しているのは佐土原町内の6店。材料にうるち米を使うため、日もちは浅い。このためどこの店も少量生産。味は各店で微妙に違うが、ほどよい甘味と手づくりの形の面白さが評判をとっている。人気は高く、午前中で売り切れてしまう店もある。
 鯨ようかんと並ぶ佐土原の伝統民芸品に「佐土原人形」がある。中でもまんじゅう食い人形が有名だが、同人形を「ようかん人形」という説もある。ようかんとはもちろん、鯨ようかんのこと。
 佐土原には鯨ようかんにちなんだ地域おこしグルーブとして「クジラ会」がある。クジラをキーワードにこれまで、こいのぼりならぬ「クジラのぼり」を作るなどユニークな活動を展開している。
 このように、鯨ようかんは単なる名物、江戸時代からの伝統の味としてだけでなく、地域の人たちの日常生活の中にも深く入り込んでいる。
森 松平
メモ
 佐土原は島津氏の城下町として中世以来の史跡や古い寺社が多い。大光寺、カモ猟で知られる巨田池のそばの巨田神社、鬼子母神のある吉祥寺など。また、薩摩藩との関係から今も、鹿児島と共通する食文化が見られる。ニガウリ、ヘチマ、イモガラを食べる習慣、また豆腐のことを「おかべ」と呼んだり、「かいのこ汁」「湯なます」などの行事食、家庭料理を共有している。





鯨ようかんの写真
ほどよい甘さと
手づくりの味が人気
(人形はまんじゅう食い人形)

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