みやざきの味と花101ロゴ ハマグリ
 
 

●軟らかくうまみ十分
 宮崎には「日向」と名のつく食べものがある。代表的なのが日向カボチャ、日向夏ミカン、そして日向ハマグリの三つ。昔からハマグリの採れる日向市には弘法大師とハマグリにまつわる民話も伝わり、伊勢ケ浜で食べるハマグリ料理と特大のハマグリ殻から作られる白の碁石は有名。
 日向ハマグリは正式にはチョウセンハマグリ。別名ゴイシハマグリ。同じ仲間である普通のハマグリに似ているが、貝殻のふくらみが少なく、殻が厚く、放射状の文様がある。貝殻の大きさも12センチと普通のハマグリより大きい。
 普通のハマグリは川の流れ込む内湾の淡水が混じる塩分の低いところに生息するが、このハマグリは外海に面した塩分が高く、波の荒い砂浜を好む。
 茨城県・鹿島灘、千葉県・外房海岸、それに日向灘が主な産地。本県では7〜9月の禁漁期を除き、日向、都農、北浦の漁協が素潜りで採っている。漁穫量約3トン。日本では1年間に3万トンのハマグリが消費されるが、国産ものは約1割。9割は中国、韓国産の輸入ものが占める。これからも日向ハマグリの貴重さがよくわかる。
 ハマグリは貝類の中でも肉質が軟らかく、うまみを出すコハク酸が多く含まれるため、料理素材として人気がある。日本料理ではうしお汁、焼きハマグリ、酒蒸し、吸い物、すし種、つくだ煮、はまぐり飯。日向市では刺し身もある。
 結婚式の献立にはハマグリの吸い物がよく用いられる。ハマグリには蝶番(ちょうつがい)にあたるキザミがあり、上下一対になった2個の貝殼以外は、どの貝とも決してかみ合わないことから、夫婦和合のしるしとして結婚披露宴にはなくてはならないものとなっている。ハマグリの旬は秋から春。盛りの季節にはひな祭り、婚礼など人生通過儀礼があり、ハマグリの出番も多い。
森 松平
メモ
 うしお汁など汁物はコンブを入れて水から加熱する。沸騰寸前にコンブを引き上げ、アクをすくう。煮過ぎると身が締まり、うまみも逃げる。塩、清酒で調味し、隠し味として薄口しょうゆを一滴。焼きハマグリはあらかじめ蝶番のじんたいを切り落としておくと、焼けたときに貝汁がこぼれない。化粧塩は殻の表面がぬれているうちに振りかけ、これが乾いたら食べどき。





ハマグリ料理の写真
肉質が軟らかく、
料理素材としても多彩

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