みやざきの味と花101ロゴ チーズ饅頭
 
 

●さっぱり味でヒット
 宮崎の食文化に新しい神話が誕生した。宮崎生まれで日本最初の菓子・チーズ饅頭(まんじゅう)が今、宮崎から一躍、全国区の「うまいもの」になり、「チーズ饅頭は宮崎の郷土菓子」としてすっかり定着、特に女性の間で人気を高めている。
 宮崎市橘通西2丁目「お菓子のひだか」の日高久夫社長によると、昭和50年代後半、県菓子組合の勉強会から生まれた。ただ、客のニーズも多様で、変化の激しい時代を背景に、「ここまで育つとは思いもよらなかった」という。
 宮崎に乗り入れている航空会社のスチュワーデスの間でうまさが評判になり、土産に求めたことから、それが縁で全国に広まったというエピソードもある。そのことを新聞、ラジオ、テレビなどマスコミが取り上げ、新しい宮崎の菓子として浸透、メディアを媒体に時代の波にもうまく乗ってヒット商品となった。
 「まんじゅうの皮と中のチーズの味が口の中で絶妙にからみあい、とろけるようなおいしさ」。これが人気の源という。日高社長は「お客さまにも恵まれました。これからも宮崎銘菓として意識を高めながら味づくりに励んでいきたい」と語る。
 さっくりとした歯触りの皮で、あんこの代わりにチーズを包んだ、いわばミスマッチとも言える組み合わせはなぜ、こうも受けたのだろうか。その答えは動物性でなく、植物性チーズを利用したことにあった。メーカーによるとパーム油と菜種油を原料に精製。植物性ゆえのさっぱりした味とヘルシー性がヒット商品の道を切り開いた。
 宮崎生まれの食べ物としてはこのほか、すしのレタス巻き、チキン南蛮がある。これらに共通しているのは和風でありながら、洋風であること。ただ、これらが全国区として認知された裏には、宮崎人のひたむきなまじめさがある。チーズ饅頭もそんなひたむきさから生まれた。
森 松平
メモ
 チーズ饅頭の発祥の地については宮崎説と小林説があり、それぞれのファンは譲らない。県菓子組合の勉強会のあと、メーカーの後押しもあって県内の菓子店で作られた。そうした中、日本中が好景気にわいた1987(昭和62)年ごろ、小林市の「南国屋今門」「風月堂」、宮崎市の「わらべ」など手作りの味で評判を取り、今日の盛況を迎えた。レーズン入りのものもある。





チーズ饅頭の写真
とろけるようなおいしさで、
今や人気も全国区

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