みやざきの味と花101ロゴ ルピナス
 
 

●海岸を黄一色に覆う
 春、日向灘の潮風に揺れるルピナスの花明かりが、さんさんと輝く太陽に映えてまぶしい。
 「耕耘機若きが踏みて草原の土はルピナスの花をまぜゆく」。1962(昭和37)年5月3日、当時皇太子殿下・同妃殿下としておそろいで初の宮崎県行啓のとき、高鍋町の県高等営農研修所(現・県農業大学校)ご視察の折の美智子妃殿下の歌である。秋まきのルピナスの花は、そのとき満開だった。
 レンゲソウなどと同じく緑肥として、黄一色の大地を黒い土の色に塗り替えるさまと、若者の農業に託する頼もしさが写実的に描かれている。63(同38)年の宮中歌会始で発表され、その年の5月3日、県農業大学校内に記念碑が建立された。
 ルピナスは別名ルーピンともいい、マメ科ルピナス属の総称である。温帯を中心に世界各地に200〜300種あるといわれ、多くは一、二年草だが、中には多年草や低木となる種もある。県内のーツ葉、佐土原、富田、高鍋などの砂浜に咲くのはキバナルピナスといい、南ヨーロッパが原産。日本に輸入されたのは大正時代といわれ、冬暖かい宮崎の海岸地帯では秋に種をまき、春の花を楽しむ。特に新富町富田浜のルピナスの歴史は古く、1934(同9)年ごろから栽培が始まったという。
 和名は花のつき方からノボリフジ(登藤)、また、葉の形からハウチワマメ(葉団扇豆)と呼ばれる。高さは40〜50センチで、茎の先に多数の花を房状につける。葉は細長い小葉が5〜15枚の手のひら状に集まる複葉となっている。
 観賞用品種としてジョージ・ラッセル(イギリス)が37(同12)年につくったラッセル・ルピナスは、花穂が長く、花色が赤、青、黄など豊富なことで有名。だが、やはりルピナスは黄一色の「砂浜のじゅうたん」がいい。
大谷 優
メモ
 新富町は1979(昭和54)年、ルピナスを町花に制定した。99(平成11)年までは、毎年秋に富田浜公園を中心に種をまき、4月中旬に「ルーピンまつり」を開いていた。2000(同12)年からは作付けが少なくなり、取りやめている。ただ、現在も「新ひむかづくり運動」の一環として秋には町民で海岸や国道10号沿線、公民館周辺などに種をまき、春に花を咲かせている。





ルピナスの写真
春を演出する黄色のじゅうたん

目次へ
75 菜の花のページへ
77 シダレザクラのページへ