みやざきの味と花101ロゴ シダレザクラ
 
 

●滝のように豪華絢爛
 花といえば、桜をさすほど桜は日本を代表する植物である。国花も桜である。日本人は桜をこよなく愛している。桜前線とともに国中の人々が花に酔い、酒に酔い、歌い踊るさまはまさに日本の文化であり、その散りぎわのいさぎよさは昔は武士道の精神にたとえられた。
 栽培されている桜は日本古来の桜を育種したもので、その母種により、ヤマザクラ群、マメザクラ群、チョウジザクラ群、カンヒザクラ群、エドヒガン群などがある。有名なソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラを交配してつくられた。シダレザクラもエドヒガンから生まれた品種である。エドヒガンという名前は聞き慣れない人も多いと思うが、野生の桜で、宮崎県内には結構多い。県北から霧島山系まで分布するが、生育地は内陸部に限られている。
 シダレザクラは漢字で書くと枝垂れ桜である。枝が糸のように細いため、垂れてしまう。別名を糸桜という。その花開くさまはまるで花火のようでもあり、滝のようでもある。
 福島県には国内でただ1ヵ所、国の天然記念物に指定されているシダレザクラがある。その名も滝桜という。京都では府の花となっており、平安神宮、円山公園など名所が多い。
 県内のソメイヨシノの名所は都城市の母智丘、小林市の牧場、宮崎市の垂水公園、日南市の竹香園、高岡町の天ケ城公園など数多い。だが、シダレザクラとなると数は少ない。野尻町の萩の茶屋でも見ることができるが、最も有名なのは五ケ瀬町のものであろうか。浄専(じょうせん)寺の境内にあるシダレザクラは県の天然記念物に指定されている。この株から作られた苗は各地に植えられ、五ケ瀬町だけでも約300本に上るという。豪華絢爛(けんらん)という言葉がぴったりで、ぜひ一度は見ておきたい。
斉藤 政美
メモ
 シダレザクラはエドヒガンから生まれた園芸品種。社寺や庭園などに観賞用として植えられている。開花期はソメイヨシノよりやや早く、3月下旬から4月上旬にかけて。五ヶ瀬町浄専寺のものは、高さ約15メートル。推定で200年とも250年ともいわれる。九代住職が江戸時代の末に京都から苗を持ち帰って植えたと伝えられている。開花期には県内外から多くの花見客が訪れる。





シダレザクラの写真
天然記念物・
浄専寺のシダレザクラ

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