みやざきの味と花101ロゴ ミヤマキリシマ
 
 

●ピンク色に山染める
 霧島山には約900種の植物が生えているが、その代表種は何といってもミヤマキリシマであろう。ミヤマとは深山のことで、キリシマはもちろん霧島のことである。名実ともに霧島を代表する植物ということになる。ちなみにキリシマの名の付く植物はこのほかにキリシマミズキ、キリシマヒゴタイ、キリシマエビネなど10種類以上ある。
 ミヤマキリシマは県北の高い山にも点々と生えているが、最大の群落は霧島山にあり、えびの高原や中岳、高千穂峰などが名所となっている。県外では阿蘇山や九重山、雲仙岳などが有名。大きな群落をつくるため、満開期には山がピンク色に染まり、その美しさは群を抜いている。
 花はえびの高原あたりでは5月の中旬ごろから咲き始め、山の上部では6月の上旬まで観賞できる。花期に高千穂河原から高千穂峰を望むと山肌がピンク色をしているのが分かる。ミヤマキリシマはがれき地を好み、条件のいいところではまんじゅうみたいな枝ぶりをしている。
 しかし、森林化が進み、ほかの木々の枝葉で、上部がおおわれ始めると次第に縦に伸び始め、やがては枯れていく。アカマツが増えて、その生育が進んでいくとミヤマキリシマは消えていく運命にある。えびの高原の周辺では、そんな植物たちの過酷な戦いが見え隠れする。
 ミヤマキリシマは鹿児島県の県花になっているが、宮崎県でもその可能性があった。1954(昭和29)年、NHKなど4団体が全国で郷土の花を選ぶことにした。本県でも募集したところ第1位がミヤマキリシマとなった。2位がフジで、3位がハマユウ。しかし、同じ1位の鹿児島県から小原節などを理由に強い要請を受け、本県は断念したようである。
 そんなミヤマキリシマは、九州の名花と言っても過言ではない。
斉藤 政美
メモ
 ツツジ科の低木。九州の高山のがれき地に生える。花期は5月中旬から6月上旬にかけて。ただ、場所によって多少異なる。花の色はほとんどがピンクだが、株によっては多少色の違いが見られる。ヤマツツジにも似ているが、花の直径が2センチ以下であること、葉が小さいことなどで区別される。キリシマツツジという種類もあるが、ミヤマキリシマとは別物である。





ミヤマキリシマの写真
九州の名花。
ピンク色が山肌を飾る

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