みやざきの味と花101ロゴ ブーゲンビリア
 
 

●耐寒テスト後に植栽
 もう30年近く前になるが、当時の宮崎県観光協会長の岩切章太郎氏は、専務理事の地村忠志氏を伴って、沖縄県の竹富島を訪れた。沖縄県の最南端、石垣島と西表島の中間にある小さな島である。
 まず岩切氏が感動したのは、あちこちの民家の庭先に咲いているブーゲンビリアの鮮やかな赤紫の花の色で、輝くばかりの美しさであった。
 その次の感動が沖縄の原風景ともいうべき赤がわらの屋根の家々が昔のままに残されていることであった。周りはサンゴ岩で造られた石垣で、その石垣と貝の真砂(まさご)を敷き詰めた白い道に、ブーゲンビリアの花がひときわ映えていた。
 岩切氏は地村氏を振り返って、「来てよかったね。本当によかった」と、何度もつぶやいた。
 宮崎に帰るとすぐ、岩切氏は、堀切峠でブーゲンビリアの露地栽培の耐寒テストを行った。どうやら冬越しをしそうだということになり、日南海岸の各所に植栽してみたら、よく繁茂した。それからは、ハイビスカスとともに、ブーゲンビリアが、南国宮崎を飾る花になった。
 この花はよく日に当て、花が過ぎたらせん定し、肥料を施し、水は控えめにして注意深く与えると、枝先に花芽ができる。
 ハワイ、シンガポールや東南アジアに行くと、空港の周辺によく植栽されており、熱帯の花、南国の顔ということが実感される。
 原産地は中南米で、オシロイバナ科イカダカズラ属の常緑の小高木、または低木のツル性花木で、14の種類がある。茎はツル状でよく伸びて、鋭いとげがある。普通、花と言っているのは苞(ほう)で、最近は紫、赤のほかに、だいだい、白、黄色の咲き分け、八重咲きなどの園芸品種が多く出回っている。本当の花は苞に隠れて、ほとんど目立たない。別名をイカダカズラという。
渡辺 綱纜
メモ
 竹富島の人々が、岩切章太郎氏に観光開発について助言を求めた。答えは「何もしないのが一番よい」だったという。「このまま沖縄の原風景を残しなさい。きっと脚光を浴びるときが来る。それとブーゲンビリアの花をまだまだ植えなさい」。竹富島はその通りになった。今、島の人々は公民館長の阿佐伊さんを中心に、ブーゲンビリアの花をもっと増やすことに情熱を注いでいる。





ブーゲンビリアの写真
群青の海に映えて
美しい情熱の花

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