みやざきの味と花101ロゴ コバノセンナ
 
 

●最盛期は黄金の海岸
 シャンソン歌手の石井好子さんが初めて宮崎を訪れたとき、日南海岸はコバノセンナの花盛りだった。「これはコートダジュールね」の言葉が印象的だった。石井さんには、ミモザの花咲く南仏のコートダジュールの海と、日南海岸が思わず重なったのだろう。
 コバノセンナに目をつけて植えた岩切章太郎氏は、「黄金の海岸をつくるのが夢だ」と、いつも語っていた。
 岩切氏の考えた日南海岸の四季の色は、春は桃色、夏は白、秋は黄、冬は赤であった。そして春は花桃、夏はハマユウ、秋はアカシア、冬はポインセチアを植えた。その中で、アカシアだけが失敗した。花の色が悪くて、潮風にも弱いために育たなかった。そこでツワブキを植栽したが、花が咲く前に次々に食用として盗まれてしまった。
 最後に登場したのが、コバノセンナであった。ある漁師の家の軒先に見事に咲いているコバノセンナを見つけて、「これだ」と思ったそうである。
 コバノセンナは、南アメリカ原産の豆科カシア属の木本で、毎年10月から12月にかけて咲き、宮崎では日南海岸の堀切峠から、サボテンハーブ園にかけて黄色の花を咲かせる。最盛期はまさに黄金の海岸だ。
 葉がつるつるとした植物で、このような葉は、潮風に強いといわれる。似たような植物にトベラ、ハマヒサカキ、ネズミモチ、ツバキなどがあるが、いずれも海岸に多く自生しており、葉が光って、水はけがよいのが特色である。
 コバノセンナをはじめ、豆科の植物は、自分で空気中から窒素を吸収して肥料を作ることができるので、海岸沿いの砂地や荒地でもよく育つ。
 また、繁殖が容易で、春先に挿し木で育てると、秋には花を咲かせる。日南海岸沿いの家々が、コバノセンナを植えることを、ぜひ実行してほしいと願う。
渡辺 綱纜
メモ
 日南海岸のコバノセンナは、当初はキダチセンナという東南アジア原産の種類だった。それが鹿児島の玉利幸次郎博士から譲り受けたセンナを植えたところ、キダチセンナに比べて背丈が低くて、海岸の景色にもマッチし、花つきもよく繁茂するので、現在はこの玉利センナの品種を多く植えている。東南アジアの海を旅すると、コバノセンナの仲間の花々が、いっぱい目につく。





コバノセンナの写真
黄色が日南海岸に映え、
最盛期はまさに黄金海岸

目次へ
98 キバナノツキヌキホトトギスのページへ
100 ヒガンバナのページへ