みやざきのうたと芸能101ロゴ 高鍋神楽

 
●旧郷六社の連合行事
 玉千穂神の御前にかくしこそ 仕えまつらね万代までに
 神楽奉納も果て、神送りが終わると、夜が白々と明け始めた祭場に神職、氏子、神楽方、参拝者が集い、この神歌を唱和する。高鍋神楽の名残の座であり、集落固めの喜びを鎮守六社の神々に伝える。
 高鍋神楽と称するのは、旧高鍋藩領に伝承されてきた夜神楽を統括して指す。元来は各鎮守に奉納する集落の行事だった。高鍋神楽の奉納を「大神事」ともいい、今は旧郷六社を年巡する。
 6社とは白髭(しらひげ)神社(川南)、平田神社(同)、八坂神社(高鍋)、愛宕神社(同)、八幡神社(新富)、比木(ひき)神社(木城)で、各社輪番の連合行事となっている。ただ、比木神社は例年12月5日に奉納するが、年番に当たると大神事を兼ねる。
 祭場は各社の境内に設け、神籬(ひもろぎ)をたて、注連(しめ)を渡し、大幣を飾る。これを「山づくり」、または「氏人の行事」ともいう。
 これが終わると神楽3番を奉納、「山だて」の成就を祝う。神楽は33番の編成、序破急の3段から成り、序段は10番まで。祭場を清め、神々を招き加護を願う。変化に富んだ番付が続くが、迫力は「鬼人(神)舞」などの着面舞。一糸乱れぬ呼吸を合わせての「将軍舞」も注目。破の段は27番までで、庶民の祈りを多角的に表現した番付が占める。
 「磐石舞」はメゴンメ(めご舞)ともいい、ユーモラスなものを増やす儀礼。春神楽の「田の神」にも等しく、人気の番付。中に神事を挟み、次に豊作への折りを込めた農事神楽を展開。うち続く「御笠」の文字を冠した番付はその代表だ。破の役締めの舞は長寿の喜びを演ずる「寿の舞」。急の段は一連の「岩戸開き」の神楽。既に夜明けは近い。
 岩戸四番の奉納がすむと「繰り卸し舞」に移り、終番の「神送り神楽」で舞い納めとなる。稲作地帯の神楽には霧島信仰の投影が見られるが、高鍋神楽も例外ではない。33番中、最も長時間を要する「節舞」では「霧島の峰より奥の月晴れて新たに拝む天の逆鉾」といった神歌を唱する。
山 口 保 明
メモ
 明治以前は藩主の保護・奨励もあって、比木神社(木城町)が代表的位置を占め、神楽行事を催してきた。神楽の統合「大神事」の始まりは、神仏分離運動が高揚した明治初期のこと。従来は毎年旧暦12月2日に奉納してきたが、近来は神職・氏子総代を含めた高鍋神楽保存会の合議により土・日曜日に設定。問い合わせは各町の教育委員会か、比木神社へ。





高鍋神楽の写真
すべての繁栄を願って舞う
「磐石舞」
(比木神社境内)


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