みやざきのうたと芸能101ロゴ 永田ひょっとこ踊

 
●軽妙な身ぶり手ぶり
 「ひょっとこ踊り」は、毎年2月初午の日に、地元の山ノ口稲荷神社に奉納、境内で踊られていた。現在は永田地区集落センターで踊られている。
 ひょっとこ面、おかめ面、狐面などを着けた踊り手が、それぞれ独特なユーモアあふれる身ぶり手ぶりで踊る。狐(稲荷)は白い長そで下着の上に赤い着物を羽織り、白帯を結ぶ。手と足には白足袋、同じく白い布で作った尻尾を下げる。
 おかめは赤い留めそでに太鼓帯を結び、白足袋に手ぬぐいをかぶる。ひょっとこは赤い着物を羽織り、白帯で結ぶ。黒足袋に手ぬぐいをかぶってふんどしを締め、前に垂らす。
 鳴り物役の鉦(かね)打ち、太鼓打ち、笛吹きは、赤い着物に白帯姿、黒足袋、手ぬぐいをかぶりふんどしを着ける。この中の1人は、神官姿の白い着物に青いはかまという装束で、烏帽子(えぼし)をかぶる。
 孤(稲荷)におかめがそれぞれ1人、ひょっとこ(ヒョースケ)に笑い面と年寄り面を合わせて12人前後、そしてほうき踊り1人という構成であり、この順序で登場する。また鳴り物は鉦と太鼓と笛がそれぞれ1人で、唄(うた)はない。これが永田地区の古くからの踊り手構成である。
 踊りの基本は手と腰と足である。差し出す手の位置は腰まわりから肩までの間で行われる。踊り手は、差し出した手に視線を向け、首を引き回してから再び手先へ戻す。中腰で肩幅より少し広く足を開く。出した足はつま先立ち、かかとを浮かせる。8拍子の鳴り物に乗って軽快に踊る。足運びも、踏んだ時に体を引いて大きく見せる。狐はこぶしを握り、ぐるりと回しながら踊り、おかめは立ち姿で優しい所作をする。ほうき踊りはほうきを手にし、飛び跳ねながら楽しそうに踊る。始めは緩やかに踊り、次第に調子が早まり、激しくなる。最後のほうき踊りは実に躍動的である。
 ひょっとこ踊りは、大衆化に伴い、見物客にこびを売るひわいさが強調されるようになった。そこで「元踊り」の良さを認識してもらう目的で、「日向橘ひょっとこ踊り保存会」が結成され、発祥地の「元踊り」の普及を図っている。
渡 辺 一 弘
メモ
 昭和58年から始まった8月初旬の「ひょっとこ夏祭り」や、旧暦8月15日に行われる恒例の「十五夜祭り」、それに各種の観光イベントの場で、不定期に上演される。近年、この地区の踊りを模したひょっとこ踊りが増え、紛らわしくなってきたことから、発祥の地という意味を含めて「永田のひょっとこ踊り」と呼ぶようになった。問い合わせは日向市教委へ。





永田ひょっとこ踊の写真
ユーモラスな踊りが人々の
笑いを誘うひょっとこ踊り


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