みやざきのうたと芸能101ロゴ 神門神楽

 
●師走祭りの夜に奉納
 百済王伝説に基づく師走祭りは、長男福智王を祭る比木神社(木城町)から父禎嘉王を祭る神門神社(南郷村)への御神幸行事であるが、なかでも神楽が重要な位置を占める。
 祭りの初日、比木神社を出発する往路「のぼりまし」では、数ヵ所で神楽が奉納される。
 まず日向市金ヶ浜でみそぎを行い、その後、東郷町の卸児(おろしご)をはじめ、次男華智王を祭った伊佐賀神社(中水流)や王の墓と伝える塚の原古墳(南郷村下名木)などで神事、鎮め神楽が執り行われる。
 2日目の午前中に御神体のお衣替えが行われ、王を助けた地元の豪族ドン太郎さんの塚へ「将軍舞」(弓矢神楽)奉納の後、山宮様へも神事、稲穂神楽を奉納する。
 この夜、神門神社境内に設けられた御神屋では、神門の奉仕者によって半夜神楽18番が奉納される。
 神楽祭場付近には出店が立ち並び、「師走祭り」に訪れた村内外からの老若男女が集い始める。夜7時ごろから舞い始め、舞いが途切れると「神楽出せ出せ神楽出せ」などと神楽ばやしが聞こえてくる。椎葉や諸塚などからの見物客が即興で歌う神楽ばやしは、神門神楽に一層のにぎわいを添える。
 18番のうち、素面で舞われる番付に、御神楽、花の手、敏伐(びんきり)舞、将軍舞、問舞、神帥(かんすい)、振揚(ふりあげ)舞、繰卸(くりおろし)舞、寿の舞、伊勢舞がある。
 多人数で舞われる神帥は、力強いなぎなたの舞いが特徴である。
 着面の番付としては、太神舞、鬼神舞、盤石(ばんぜき)舞、御笠練(みかさねり)舞、獅子舞、手力雄舞、戸開雄舞がある。
 盤石舞では、真っ黒な面にほおかむり、真っ赤な衣装を着け、ユーモラスに舞う。また、場内を暴れ回る獅子舞も人気がある。
 最後は、手力雄舞に続き、戸開雄舞で岩戸開きを行い、神楽を終了する。
 3日目の朝、お別れの食事を済ませると、別れの悲しみを隠すためと伝えられるヘグロ塗りが行われ、復路「くだりまし」への出発となる。一の鳥居で、比木神社が先頭になり行列が進み始めるが、この時、婦人たちはザルなどの炊事道具を高く掲げ、「オサラバー」と繰り返し、別れを惜しむのである。
渡 辺 一 弘
メモ
 師走祭りは現在、旧暦12月18日から20日の2泊3日を通して行われる。神門神楽は高鍋神楽の一つとして県指定となっている。ちなみに南郷村内の水清谷の神楽も高鍋神楽で、一方、鬼神野の神楽は椎葉系統、渡川は米良系統の神楽である。 問い合わせは南郷村教委へ。





神門神楽の写真
師走祭りは夜神楽で
佳境を迎え、大勢の観客で
夜半までにぎわう
(神門神社境内)


目次へ 48 永田ひょっとこ踊のページへ
50 栂尾臼太鼓踊のページへ