みやざきのうたと芸能101ロゴ えいこの節

 
●歯切れよい海の民謡
 「えいこの節」は、船下ろしや大漁の際の祝い唄(うた)だが、誕生、婚礼、棟上げなどのめでたい席でも歌われている。
 県内では、黒潮の流れに沿った北浦、島浦、方財、細島、美々津、青島などの港に分布している。喜びの気持ちを表す歯切れの良い節調で、初めに「エーイコノ」、後に「ションガエー」のはやし言葉が入る。
 めでたいな めでたいな めでたいものは 都芋(いも) 茎立ち伸びて葉は広く葉には
  黄金の露を受け 根には千余の子がまさる ションガエー メデタイ
 これは島浦港に歌い継がれている「えいこの節」で、1月2日の大霊祭や十日恵比須の日には、どの網元の家からも、舟子たちの威勢の良い歌声と手拍子が聞こえたと、古老たちは語っている。
 めでたいな めでたいな めでたい唄を歌いましょう
  一でめでたい鯛の魚 二でにっこりニベの魚 三でサゴシにシマガツオ
  五つでイワシやムロの魚 七つでナキリに ヤエカマス 九つ小鯛をかけ揃え
  十でトビノイオ舞い込んだ ヨイコナソコラデコイ
 方財港の魚づくし「えいこの節」で、美々津港の唄と同系。ほかに「三番叟」「高砂」「正月」などの曲目がある。独特の手拍子とはやし言葉が加わり、晴れやかな節回しで歌唱される。
 この唄には、「ヨイコロ節」(三重)「ヨイコノ節」(香川)「イヨコノ節」(大分)のように類歌が多く、瀬戸内海を港伝いに南下してきたことが推測できる。また愛媛では「めでた節」とも呼んでいる。
 お正月の初夢に めでたいことを夢に見た エイコノエイコノ
  あららぎ山の楠を切りてはつりて 板に挽く 大工頼んで船造る
  船を造りて今朝下ろす みな波きな波は琴の糸 柱は黄金の杉柱
 青島港に歌われてきた「えいこの節」で、舟子たちが手にした櫂(かい)で底板を突きながら、高らかに合唱するのが特徴。歌詞に四国の御船唄、「如月山・きさらぎやま」をアレンジし使っている。
 こうした素朴な形で、海の暮らしに生きてきた祝い歌だが、近代化の波で漁業そのものが様変わりし、歌われる機会も少なくなって来ている。その中で地元の保存会が、伝承の努力を続けている。
原田 解
メモ
 海の民謡であるこの唄は、面白いことに陸に上がって、米良地方の「田開き祝いの唄」や、田野地方の「家ほめ唄」としても歌われている。歌詞は一粒万倍、お家繁盛のめでた尽くし。延岡市方財町では「よいこの愛唱保存会」を結成し、現在定期的に集まって練習に励んでいる。





延岡市島浦港の写真
えいこの節が流れる
延岡市島浦港


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