みやざきのうたと芸能101ロゴ はとととんびと

 
●鳥たちへのあこがれ
 むかしから鳥ほど人間の〈ねがい〉をかき立ててきた生き物はないだろう。ねがい、それはいうまでもなく、〈とべる〉ということである。
 鳥は庭の木立の間や、屋根の上を、自由にそしてゆうゆうと飛び回っている。時には、はばたきながら中空にとまっているように見えたり、かと思うとさっと宙返りを見せたりする。また小さな口を破れるほどに大きく開けて、親鳥のえさを待つひな鳥の姿など、いつまで見ていても見飽きない。
 そのような鳥たちの姿に、子供たちが無関心でいられるはずはない。
 ─鳥のように大空を飛んでみたい…
 この大昔からの人類のねがいが、今、飛行機という形でかなえられた。
 航空技術の発達はめざましく、何百人を乗せたジャンボ機が世界中の空を飛び回っている。
 しかし、いかに航空技術が進歩発達してきても、人間自身が自分の力で空を飛ぶことは実現していない。魚をまねて泳ぐことはできても、素手で空を飛ぶことは不可能なのかもしれない。
 つまりスズメのような小鳥からコンドルのような大きな鳥まで、大空を自由に飛び回っている鳥たちへのあこがれは、これからもおそらくあこがれであり続けることであろう。
 鳥への親しみにもう一つ、その鳴き声がある。今、地球上の鳥類は何と9,000種にものぼるそうであるが(日本国内での確認は約500種)、その多くはそれぞれ固有の快い鳴き声を持ち、その特徴ある美しい羽毛とともに親しみをいっそう深めている。
 さて、ここは山深い西米良村、種類も数も多い鳥たちが、子供たちの身辺を飛び回っている。
 いつのころか定かでないが、そこに住む子供たちは、鳥の鳴き声だけを集めた歌を歌っていた。
 はとととんびと きじとつばめと うぐいすと かりがねの鳴き声は かりがねの鳴き声は
  ピーピ ピーヒョロリンケン クークク ピーヒョロリンケン ケンとケンチャク
  チャクとチャーチク ツングルリンと ホーホケキョ イッチン ニッチン
  トンチン トンチャク ツングリ マングリ ホーホ ホー
 「チャク」「ツングルリン」「トンチン」こんな鳴き方をする鳥って、いったいどんな鳥なんだろう。山国の子供たちなのに、見たことのない鳥も多いのだ。でもそのことがかえってこの歌の魅力ともなっているのかもしれない。
高橋 政秋
メモ
 米良の地、ただ山深いというだけの土地ではない。領主菊池氏を中心に古くから独特の文化を生み育ててきた。ここに紹介する「はとととんびと」もまことに楽しいわらべ歌である。鳥の鳴き声だけのこの歌、次回に紹介する「花づくし」と相対するような貴重な歌で、県民の宝物ともいえそうである。





はとととんびとのさし絵


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