2006年4月5日
建設業法に基づく監督処分
建設業者の不正行為等に対する監督処分基準
第1 趣旨
本基準は、建設業者による不正行為等について、宮崎県知事が監督処分を行う場合の統一的な基準を定めることにより、建設業者の行う不正行為等に厳正に対処し、もって建設業に対する県民の信頼確保と不正行為等の未然防止に寄与することを目的とする。
第2 総則
- 監督処分の基本的考え方
建設業者による法令違反、不誠実な行為、事故及び虚偽報告等(以下「不正行為」という。)に対する監督処分は、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進するという建設業法の目的を踏まえつつ、本基準に従い、当該不正行為等の内容・程度、社会的影響、情状等を総合的に勘案して行うものとする。
- 監督処分の対象
(1)地域
- 監督処分は、宮崎県内の地域を限定せずに行うこととする。
(2)業種
- 監督処分は、業種を限定せずに行うことを基本とする。ただし、営業停止処分を行う場合において、不正行為等が他と区別された特定の工事の種別(土木、建築等)に係る部門のみで発生したことが明らかなときは、必要に応じ当該工事の種別に応じた処分を行うこととする。この場合においては、不正行為等に関連する業種について一括して処分を行うこととし、原則として許可業種ごとに細分化した処分は行わない。
(3)請負契約に関する不正行為等に対する営業停止処分
- 建設工事の請負契約に関する不正行為等に対する営業停止処分は、公共工事の請負契約(当該公共工事について下請契約が締結されている場合における各下請契約を含む。以下同じ。)に関して不正行為等を行った場合はその営業のうち公共工事に係るものについて、それ以外の工事の請負契約に関して不正行為等を行った場合はその営業のうち公共工事以外の工事に係るものについて、それぞれ行うものとする。
- 監督処分等の時期等
(1)他法令違反に係る監督処分については、原則として、その刑の確定、排除勧告の応諾又は審決の確定等の法令違反の事実が確定した時点で行うことを基本とするが、その違反事実が明白な場合は、刑の確定等を待たずに行うことを妨げるものではない。
(2)贈賄等の容疑で役員等が逮捕された場合など社会的影響の大きい事案については営業停止処分その他法令上の必要な措置を行うまでに相当の期間を要すると見込まれるときは、これらの措置を行う前に、まず、法令遵守のための社内体制の整備等を求めることを内容とする勧告を書面で行うこととする。
(3)次のような場合は、監督処分に至らない場合であっても、必要に応じて、文書による指導又は勧告を行うこととする。
ア 建設業法第11条の規定に基づく変更等の届出に不備がある場合
イ 建設業法第19条の規定に基づく請負契約に不備がある場合
ウ 建設業法第24条の7の規定に基づく施工体制台帳、施工体系図に不備がある場合
エ 建設業法第26条の規定に基づく主任技術者等の専任に不備がある場合
オ 建設業法第27条の23の規定に基づく経営事項審査申請の内容に不備がある場合
カ 建設業法第31条の規定に基づく報告等に不備があった場合
キ 建設業法第40条の規定に基づく標識の掲示に不備がある場合
ク 建設業法第40条の3の規定に基づく帳簿の記載に不備がある場合
ケ 公共工事の請負契約に係る入札参加資格申請書及び添付書類に不備がある場合
コ 公正取引委員会による警告が行われた場合
サ 工事関係者に死亡者又は負傷者を生じさせた場合
(4)指示処分を行った場合においては、建設業者が当該指示に従っているかどうかの点検、調査を行う等の所要の措置を講ずることとする。
- 不正行為等が複合する場合の監督処分
不正行為等が複合する場合の監督処分の基準は、次のとおりとする。なお、情状により、必要な加重又は減軽を行うことを妨げないものとする。
(1)一の不正行為等が二以上の処分事由に該当するとき
- 当該処分事由に係る監督処分の基準のうち当該建設業者に対して最も重い処分を課すこととなるものに従い、監督処分を行うこととする。
(2)複数の不正行為等が二以上の処分事由に該当するとき
ア 建設業者の複数の不正行為等が二以上の処分事由に該当する場合で、それぞれが営業停止処分事由に当たるとき
(ア)複数の不正行為等が二の営業停止処分事由に該当するときは、それぞれの処分事由に係る監督処分基準に定める営業停止の期間の合計により営業停止処分を行うこととする。ただし、一の不正行為等が他の不正行為等の手段又は結果として行われたことが明らかなときは、それぞれの処分事由に係る監督処分の基準のうち当該建設業者に対して重い処分を課すこととなるものについて、営業停止の期間を2分の3に加重して行うこととする。
(イ)複数の不正行為等が三以上の営業停止処分事由に該当するときは、情状により、(ア)に定める期間に必要な加重を行うものとする。
イ 建設業者の複数の不正行為等が二以上の処分事由に該当する場合で、ある行為が営業停止処分事由に該当し、他の行為が指示処分事由に該当するとき
営業停止処分事由に該当する行為については上記第2の4の(2)のア又は下記(3)の定めるところにより営業停止処分を行い、指示処分事由に該当する行為については当該事由について指示処分を行うこととする。
ウ 建設業者の複数の不正行為等が二以上の処分事由に該当する場合で、それぞれが指示処分事由に当たるとき
原則として指示処分を行うこととする。なお、不正行為等が建設業法第28条第1項各号のいずれかに該当するものであるときは、当該不正行為等の内容・程度等により、営業停止処分を行うことを妨げないものとする。
(3)複数の不正行為等が一の処分事由に2回以上該当するとき
ア 建設業者の複数の不正行為等が一の営業停止処分事由に2回以上該当するとき
当該処分事由に係る監督処分の基準について、営業停止の期間を2分の3に加重した上で、当該加重後の基準に従い、営業停止処分を行うこととする。イ 建設業者の複数の不正行為等が一の指示処分事由に2回以上該当するとき
原則として指示処分を行うこととする。なお、不正行為等が建設業法第28条第1項各号のいずれかに該当するものであるときは、当該不正行為等の内容・程度等により、営業停止処分を行うことを妨げないものとする。
- 不正行為等を重ねて行った場合の加重
(1)営業停止処分を受けた者が再び営業停止処分を受ける場合
営業停止処分を受けた建設業者が、当該営業停止の期間の満了後3年を経過するまでの間に再び同種の不正行為等を行った場合において、当該不正行為等に対する営業停止処分を行うときは、情状により、必要な加重を行うこととする。なお、先行して行われた営業停止処分の処分日より前に行われた不正行為等により再び営業停止処分を受ける場合は、この限りでない。(2)指示処分を受けた者が指示に従わなかった場合
建設業者が指示の内容を実行しなかった場合又は指示処分を受けた日から3年を経過するまでの間に指示に違反して再び類似の不正行為等を行った場合(技術者の専任義務違反により指示処分を受けた建設業者が再び専任義務違反を犯すなどの場合をいう。)には、情状を重くみて、営業停止処分を行うこととする。 - 営業停止処分により停止を命ずる行為
営業停止処分により停止を命ずる行為は、請負契約の締結、入札及び見積り等これに付随する行為とする。営業停止処分を受けた建設業者が当該営業停止の期間中に行えない行為及び当該営業停止の期間中でも行える行為の例は、別表のとおりとする。
第3 監督処分の基準
- 基本的考え方
(1)建設業法第28条第1項各号のいずれかに該当する不正行為等があった場合
当該不正行為等が故意又は重過失によるときは原則として営業停止処分を、その他の事由によるときは原則として指示処分を行うこととする。なお、個々の監督処分を行うに当たっては、情状により、必要な加重又は減軽を行うことを妨げない。(2)(1)以外の場合において、建設業法の規定(第19条の3、第19条の4及び第24条の3から第24条の5までを除き、入札契約適正化法第13条第3項の規定により読み替えて適用される第24条の7第4項を含む。)又は入札契約適正化法第13条第1項若しくは第2項の規定に違反する行為を行ったとき
指示処分を行うこととする。なお、具体的には、建設業法第11条、第19条、第40条及び第40条の3違反等がこれに該当するものとする。(3)不正行為等に関する建設業者の情状が特に重い場合又は建設業者が営業停止処分に違反した場合
建設業法第29条の規定により、許可の取消しを行うこととする。 - 具体的基準
(1)建設業者の業務に関する談合又は贈賄等(刑法違反(競売入札妨害罪、談合罪及び贈賄罪をいう。)、補助金等適正化法違反及び独占禁止法違反を含む。)
ア 代表権のある役員(建設業者が個人である場合においてはその者。以下同じ。)が懲役1年以上の刑に処せられ、かつ、建設業者として情状が重い場合は、最高1年間の営業停止処分を行うこととする。
イ その他の場合においては、原則として30日以上の営業停止を行うこととする。この場合において、代表権のある役員が刑に処せられたときは90日以上、代表権のない役員又は政令で定める使用人が刑に処せられたときは60日以上を原則として、営業停止処分を行うこととする。
ウ 独占禁止法に基づく排除勧告の応諾、審決の確定又は課徴金納付の確定があった場合は、15日以上を原則として、営業停止処分を行うこととする。
エ ウの規定により営業停止処分を受けた建設業者に対して、当該営業停止の期間の満了後3年を経過するまでの間に独占禁止法に基づく排除勧告の応諾、審決の確定又は課徴金納付の確定があった場合は、ウの規定にかかわらず、30日以上を原則として、営業停止処分を行うこととする。
(2)請負契約に関する不誠実な行為
建設業者が請負契約に関し(入札、契約の締結及び履行並びに瑕疵担保責任の履行その他の建設工事の請負契約に関する全ての過程をいう。)、社会通念上建設業者が有すべき誠実性を欠くものと判断されるものに対しては、原則として、次のとおり監督処分を行うこととする。ア 虚偽申請
公共工事の請負契約に係る一般競争及び指名競争において、競争参加資格確認申請書、競争参加資格確認資料その他の入札前の調査資料に虚偽の記載をしたときその他公共工事の入札及び契約手続について不正行為等を行ったとき(完成工事高の水増し等の虚偽の申請を行うことにより得た経営事項審査結果を公共工事の発注者に提出し、又は公共発注者がその結果を資格審査に用いた場合を含む。)は、原則として15日以上の営業停止処分を行うこととする。イ 一括下請負
建設業者が建設業法第22条の規定に違反したときは、原則として15日以上の営業停止処分を行うこととする。ただし、元請負人が施工管理等について契約を誠実に履行しない場合等、建設工事を他の建設業者から一括して請け負った建設業者に酌量すべき情状があるときは、営業停止の期間について必要な減軽を行うこととする。ウ 主任技術者等の不設置等
(ア) 建設業法第26条の規定に違反して主任技術者又は監理技術者を置かなかったとき(資格要件を満たさない者を置いたときを含む。)は、原則として15日以上の営業停止処分を行うこととする。ただし、工事現場に置かれた主任技術者又は監理技術者が、同条第3項に規定する専任義務に違反する場合には、原則として指示処分を行うこととする。また、指示処分に従わない場合は、営業停止処分を行うこととする。この場合において、営業停止の期間は、原則として7日以上とする。
(イ) 主任技術者又は監理技術者が工事の施工の管理について著しく不適当であり、かつ、その変更が公益上必要であると認められるときは、直ちに当該技術者の変更の勧告を書面で行うこととし、必要に応じ、指示処分を行うこととする。また、指示処分に従わない場合は、営業停止処分を行うこととする。この場合において、営業停止の期間は、原則として7日以上とする。
エ 粗雑工事等による重大な瑕疵
施工段階での手抜きや粗雑工事を行ったことにより、工事目的物に重大な瑕疵が生じたときは、原則として7日以上の営業停止処分を行うこととする。オ 施工体制台帳等の不作成
施工体制台帳若しくは施工体系図を作成せず、又は虚偽の施工体制台帳又は施工体系図の作成を行ったときは、原則として7日以上の営業停止処分を行うこととする。カ 無許可業者等との下請契約
(ア)建設業者が、情を知った上で、建設業法第3条第1項の規定に違反して同項の許可を受けないで建設業を営む者、営業停止処分を受けた者等と下請契約を締結したときは、原則として7日以上の営業停止処分を行うこととする。
(イ)建設業者が、情を知った上で、特定建設業者以外の建設業を営む者と下請代金の額が建設業法第3条第1項第2号の政令で定める金額以上となる下請契約を締結したときは、当該契約をした建設業者に対し、原則として7日以上の営業停止処分を行うこととする。
(3)事故
ア 公衆危害
(ア)建設業者が建設工事を適切に施工しなかったために、公衆に死亡者又は3人以上の負傷者を生じさせたことにより、その役職員が業務上過失致死傷罪等の刑に処せられた場合で、公衆に重大な危害を及ぼしたと認められる場合は、原則として7日以上の営業停止処分を行うこととする。それ以外の場合であって、危害の程度が軽微であると認められるときにおいては、原則として指示処分を行うこととする。
(イ)建設業者が建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼすおそれが大であるときは、直ちに危害を防止する措置を行うよう勧告を行うこととし、必要に応じ、指示処分を行うこととする。また、指示処分に従わない場合は、営業停止処分を行うこととする。この場合において、営業停止の期間は、原則として7日以上とする。
イ 工事関係者事故
役職員が労働安全衛生法違反により刑に処せられた場合は、原則として指示処分を行うこととする。ただし、工事関係者に死亡者又は3人以上の負傷者を生じさせたことにより業務上過失致死傷罪等の刑に処せられた場合で、特に重大な事故を生じさせたと認められる場合には、3日以上の営業停止処分を行うこととする。(4)立入検査における虚偽報告等
建設業者が建設業法第31条の規定に基づく報告を求められ又は立入検査を受けた場合において、正当な理由なく、報告をせず、虚偽の報告をし、又は立入検査を拒んだ場合には、原則として7日以上の営業停止処分を行うこととする。(5)建設工事の施工等に関する他法令違反
他法令違反の例は次のとおりであるが、監督処分に当たっては、他法令違反の確認と併せて、当該違反行為の内容・程度、建設業の営業との関連等を総合的に勘案し、建設業者として不適当であるか否かの認定を行うこととする。ア 建設工事の施工等に関する法令違反
(ア)建築基準法違反等
役員又は政令で定める使用人が懲役刑に処せられた場合は7日以上、それ以外の場合で役職員が刑に処せられたときは3日以上を原則として、営業停止処分を行うこととする。
建築基準法第9条に基づく措置命令等建設業法施行令第3条の2第1号等に規定する命令を受けた場合は原則として指示処分を行うこととし、当該命令に違反した場合は原則として3日以上の営業停止処分を行うこととする。(イ)廃棄物処理法違反、労働基準法違反等
役員又は政令で定める使用人が懲役刑に処せられた場合は7日以上、それ以外の場合で役職員が刑に処せられたときは3日以上を原則として、営業停止処分を行うこととする。イ 役員等による信用失墜行為等
(ア)法人税法、消費税法等の税法違反
役員又は政令で定める使用人が懲役刑に処せられた場合は7日以上、それ以外の場合で役職員が刑に処せられたときは3日以上を原則として、営業停止処分を行うこととする。(イ)暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律違反(第31条第7項の規定を除く。)等
役員又は政令で定める使用人が刑に処せられた場合は、7日以上を原則として、営業停止処分を行うこととする。第4 その他
- 建設業許可又は経営事項審査に係る虚偽申請等建設業法に規定する罰則の適用対象となる不正行為等については、告発をもって臨むなど、法の厳正な運用に努めることとする。
- 不正行為等に対する監督処分に係る調査等は、原則として、当該不正行為等があった時から3年以内に行うものとする。ただし、他法令違反等に係る監督処分事由に該当する不正行為等であって、公訴提起されたもの等については、この限りでない。
第5 施行期日等
- この基準は、平成16年7月1日から施行する。
- この基準は、その施行後に不正行為等が行われたものから適用する。
別表
営業停止期間中は行えない行為
- 新たな建設工事の請負契約の締結(仮契約等に基づく本契約の締結を含む。)
- 処分を受ける前に締結された請負契約の変更であって、工事の追加に係るもの(工事の施工上特に必要があると認められるものを除く。)
- 前2号及び営業停止期間満了後における新たな建設工事の請負契約の締結に関連する入札、見積り、交渉等
- 営業停止処分に業種限定が付されている場合にあっては、当該業種に係る第1号から第3号までの行為
- 営業停止処分に公共工事又はそれ以外の工事に係る限定が付されている場合にあっては、当該公共工事又は当該それ以外の工事に係る第1号から第3号までの行為
営業停止期間中でも行える行為
- 建設業の許可、経営事項審査、入札の参加資格審査の申請
- 処分を受ける前に締結された請負契約に基づく建設工事の施工
- 施工の瑕疵に基づく修繕工事等の施工
- アフターサービス保証に基づく修繕工事等の施工
- 災害時における緊急を要する建設工事の施工
- 請負代金等の請求、受領、支払い等
- 企業運営上必要な資金の借入れ等
このページの内容についてのお問い合せは
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