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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2025年第39号

第27巻第39号 [宮崎県第39週(9/22〜9/28) 全国第38週(9/15〜9/21)]


宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所

令和7年第39週(ARIのみ第38週)の発生動向

トピックス
  • 梅毒(全数報告の感染症)
    第39週までの診断週による累計報告数が100例となった。2022年以降4年連続、100例以上で、報告数が多い状況が続いている。0歳から80歳代までの幅広い年齢層から報告があがっている。
    性別は男性が44例、女性が56例で、年齢群別では、10歳代から20歳代が全体の約7割を占めている。また、保健所別では宮崎市保健所管内からの報告が最も多く、62例となっている。

全数報告の感染症(39週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核2例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:日本紅斑熱1例。
  • 5類感染症:劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、梅毒4例、百日咳7例。

全数把握対象疾患累積報告数(2025年 第1週〜第39週 保健所受理分)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・第39週の定点医療機関からの報告総数(急性呼吸器感染症除く)は520人(定点当たり27.7)で、前週比75%と減少した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は特になく、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎及び伝染性紅斑であった。また、第38週の急性呼吸器感染症の報告総数は1,353人(定点当たり48.3)で、前週比90%と減少した。

【新型コロナウイルス感染症】

報告数は258人(9.2)で、前週比67%と減少した。年齢群別は20歳未満が全体の約4割、60歳以上が全体の約3割を占めた。

【伝染性紅斑】

報告数は45人(3.0)で、前週比70%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.4)の約6.8倍であった。年齢群別は3歳から6歳が全体の約7割を占めた。

【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】

報告数は35人(2.3)で、前週比80%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(1.4)の約1.7倍であった。年齢群別は6歳から8歳が全体の約4割を占めた。

*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

○マイコプラズマ肺炎:報告数は3例(定点当たり0.4)で、宮崎市(3例)保健所から報告があった。年齢は5〜9歳が2例、0〜4歳が1例であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部)

急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI) 
(2025年第38週:9月15日〜9月21日搬入分)

○急性呼吸器感染症(ARI)※1サーベイランス検体について、急性呼吸器感染症サーベイランス遺伝子検査マニュアルに従い、検査を実施した。

※1 急性呼吸器感染症(ARI):咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のいずれか 1 つ以上の症状を呈し、発症から 10 日以内の急性的な症状であり、かつ医師が感染症を疑う外来症例
※2 左記のいずれのウイルスも検出されなかった検体数を計上

(細菌・ウイルスについては2025年9月29日までに検出分)

細菌

○30代男性から腸管出血性大腸菌(EHEC O103:H2 VT1)が検出された。EHEC感染症の症状は、一般的に腹痛、水様性下痢及び血便である。抵抗力の低い小児や高齢者は、意識障害を伴う溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症など重症化することがある。一方で、抵抗力が高い人は無症状及び軽い症状で終わることもある。EHEC感染症には、腸管の運動を抑える下痢止め薬を服用しない方が良いこともあるため、自分の判断で薬を服用せずに医師の診断を受けることが大切である。

ウイルス

※ ARI病原体定点から検出されたウイルスのうち、分離されたウイルスも再掲

全国2025年第38週の発生動向

全数報告の感染症

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数(急性呼吸器感染症除く)は前週比85%と減少した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザで、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎及び伝染性紅斑であった。また、急性呼吸器感染症の報告数は前週比89%と減少した。

新型コロナウイルス感染症の報告数は26,631人(6.9)で前週比82%と減少した。宮崎県(13.7)、愛媛県(13.4)、大分県(12.7)からの報告が多く、年齢群別では20歳未満が全体の約4割を占めた。

伝染性紅斑の報告数は2,889人(1.2)で前週比73%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.3)の約4.2倍であった。宮崎県(4.3)、大分県(3.6)、山形県(3.5)、佐賀県(3.5)からの報告が多く、年齢群別では3歳から6歳が全体の約6割を占めた。

* 新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

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