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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2025年第46号

第27巻第46号 [宮崎県第46週(11/10〜11/16) 全国第45週(11/3〜11/9)]


宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所

令和7年第46週(ARIのみ第45週)の発生動向

トピックス
  • インフルエンザ(定点把握対象疾患)
    第46週(11/10〜11/16)の県内定点当たりの報告数が12.2となり、今シーズン初めて流行注意報レベル基準値(10)を超えた。昨シーズンと比較して4週間早く、今後の動向に注意が必要である。詳細後述。
全数報告の感染症(46週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核2例。
  • 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症1例。
  • 4類感染症:日本紅斑熱1例、レプトスピラ症1例。
  • 5類感染症:百日咳3例。

全数把握対象疾患累積報告数(2025年 第1週〜第46週 保健所受理分)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・第46週の定点医療機関からの報告総数(急性呼吸器感染症除く)は648人(定点当たり32.9)で、前週比122%と増加した。
なお、前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザ、伝染性紅斑で、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎であった。
また、第45週の急性呼吸器感染症の報告総数は1,537人(定点当たり54.9)で、前週比108%と増加した。

【インフルエンザ】

報告数は342人(12.2)で、前週比226%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.9)の約14.1倍であった。年齢群別は15歳未満が全体の約8割を占めた。

【伝染性紅斑】

報告数は51人(3.4)で、前週比113%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.6)の約6.2倍であった。年齢群別は3歳から6歳が全体の約7割を占めた。

【感染性胃腸炎】

報告数は96人(6.4)で、前週比82%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(10.7)の約0.6倍であった。年齢群別は1歳から3歳が全体の約3割を占めた。

*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

○マイコプラズマ肺炎:報告数は1例(定点当たり0.1)で、宮崎市保健所から報告があった。年齢は10〜14歳であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部)

急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI) 
(2025年第45週:11月3日〜11月9日搬入分)

○急性呼吸器感染症(ARI)※1サーベイランス検体について、急性呼吸器感染症サーベイランス遺伝子検査マニュアルに従い、検査を実施した。

※1 急性呼吸器感染症(ARI):咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のいずれか 1 つ以上の症状を呈し、発症から 10 日以内の急性的な症状であり、かつ医師が感染症を疑う外来症例
※2 左記のいずれのウイルスも検出されなかった検体数を計上

全国2025年第45週の発生動向

全数報告の感染症

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数(急性呼吸器感染症除く)は前週比118%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザで、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、RSウイルス感染症、感染性胃腸炎及び伝染性紅斑であった。また、急性呼吸器感染症の報告数は前週比98%とほぼ横ばいであった。

インフルエンザの報告数は84,183人(21.8)で前週比146%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.7)の約33.7倍であった。宮城県(47.1)、埼玉県(45.8)、神奈川県(36.6)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約7割を占めた。

伝染性紅斑の報告数は1,545人(0.7)で前週比81%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.4)の約1.8倍であった。宮崎県(3.0)、鹿児島県(2.9)、愛媛県(2.7)からの報告が多く、年齢群別では3歳から6歳が全体の約6割を占めた。

* 新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

月報告対象疾患の発生動向 <2025年10月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は32人(2.5)で、前月比94%と減少した。また、昨年10月(3.9)の約0.6倍であった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症:報告数17人(1.3)で、前月の約0.9倍、昨年10月の約0.6倍であった。20歳代が全体の約半数を占めた。(男性2人・女性15人)
  • 性器ヘルペスウイルス感染症:報告数7人(0.54)で、前月の約0.6倍、昨年10月の約0.8倍であった。(男性1人・女性6人)
  • 尖圭コンジローマ:報告数4人(0.31)で、前月の約2.0倍、昨年10月の約0.7倍であった。(女性4人)
  • 淋菌感染症:報告数4人(0.31)で、前月の約4.0倍、昨年10月の約0.4倍であった。(男性2人・女性2人)

【全国】
定点医療機関からの報告総数は4,799人(4.9)で、前月比97%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,595人(2.7)で前月比97%、性器ヘルペスウイルス感染症908人(0.93)で前月比96%、尖圭コンジローマ534人(0.55)で前月比102%、淋菌感染症762人(0.78)で前月比94%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は26人(3.7)で、前月比124%と増加した。また、昨年10月(2.1)の約1.7倍であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数26人(3.7)で、前月の約1.2倍、昨年10月の約1.7倍であった。70歳以上が全体の約7割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。

【全国】
定点医療機関からの報告総数は1,211人(2.6)で、前月比95%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,181人(2.5)で前月比94%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症22人(0.05)で前月比125%、薬剤耐性緑膿菌感染症8人(0.02)で前月比200%であった。

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