
宮崎県感染症発生動向調査2025年第41号
第27巻第41号 [宮崎県第41週(10/6〜10/12) 全国第40週(9/29〜10/5)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所
令和7年第41週(ARIのみ第40週)の発生動向
全数報告の感染症(41週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核5例。
- 3類感染症:報告なし。
- 4類感染症:E型肝炎1例。
- 5類感染症:カルバペネム耐性腸内細菌目細菌感染症1例、侵襲性インフルエンザ菌感染症1例、梅毒1例、百日咳7例。

全数把握対象疾患累積報告数(2025年 第1週〜第41週 保健所受理分)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・第41週の定点医療機関からの報告総数(急性呼吸器感染症除く)は501人(定点当たり27.5)で、前週比89%と減少した。なお、前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザで、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、RSウイルス感染症、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎及び伝染性紅斑であった。また、第40週の急性呼吸器感染症の報告総数は1,368人(定点当たり48.9)で、前週比110%と増加した。
【インフルエンザ】
報告数は90人(3.2)で、前週比111%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.2)の約14.7倍であった。年齢群別は15歳未満が全体の約7割を占めた。
【新型コロナウイルス感染症】
報告数は149人(5.3)で、前週比72%と減少した。年齢群別は20歳未満が全体の約半数、60歳以上が全体の約2割を占めた。
【伝染性紅斑】
報告数は62人(4.1)で、前週比79%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.5)の約8.4倍であった。年齢群別は3歳から6歳が全体の約7割を占めた。
*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告
○マイコプラズマ肺炎:報告数は4例(定点当たり0.6)で、高鍋(2例)、宮崎市(1例)、日南(1例)保健所から報告があった。年齢は0〜4歳が2例、5〜9歳が1例、10〜14歳が1例であった。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部)
急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI)
(2025年第40週:9月29日〜10月5日搬入分)

○急性呼吸器感染症(ARI)※1サーベイランス検体について、急性呼吸器感染症サーベイランス遺伝子検査マニュアルに従い、検査を実施した。
※1 急性呼吸器感染症(ARI):咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のいずれか 1 つ以上の症状を呈し、発症から 10 日以内の急性的な症状であり、かつ医師が感染症を疑う外来症例
※2 左記のいずれのウイルスも検出されなかった検体数を計上
(細菌・ウイルスについては2025年10月13日までに検出分)
細菌
ウイルス

※1 ARI病原体定点から検出されたウイルスのうち、分離されたウイルスも再掲
※2 ARI病原体定点から検出されたウイルスのうち、遺伝子解析により型別されたウイルスも再掲
全国2025年第40週の発生動向
全数報告の感染症
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数(急性呼吸器感染症除く)は前週比101%とほぼ横ばいであった。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザ、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症であった。また、急性呼吸器感染症の報告数は前週比108%と増加した。
インフルエンザの報告数は6,013人(1.6)で前週比150%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.3)の約5.1倍であった。沖縄県(12.2)、東京都(3.3)、宮崎県(2.9)からの報告が多く、年齢群別では15歳未満が全体の約7割を占めた。
伝染性紅斑の報告数は2,898人(1.2)で前週比101%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値*(0.3)の約4.1倍であった。佐賀県(5.3)、宮崎県(5.2)、愛媛県(4.6)からの報告が多く、年齢群別では3歳から6歳が全体の約6割を占めた。
* 新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値
月報告対象疾患の発生動向 <2025年9月>
性感染症
【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は34人(2.6)で、前月比77%と減少した。また、昨年9月(4.2)の約0.6倍であった。
《疾患別》
- 性器クラミジア感染症:報告数19人(1.5)で、前月の約0.7倍、昨年9月の約0.5倍であった。20歳代が全体の約半数を占めた。(男性6人・女性13人)
- 性器ヘルペスウイルス感染症:報告数12人(0.92)で、前月及び昨年9月の約1.1倍であった。(女性12人)
- 尖圭コンジローマ:報告数2人(0.15)で、前月の約0.7倍、昨年9月と同率であった。(女性2人)
- 淋菌感染症:報告数1人(0.08)で、前月の約0.3倍、昨年9月の約0.1倍であった。(女性1人)

【全国】
定点医療機関からの報告総数は4,993人(5.1)で、前月比110%と増加した。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,691人(2.7)で前月比111%、性器ヘルペスウイルス感染症954人(0.97)で前月比112%、尖圭コンジローマ532人(0.54)で前月比100%、淋菌感染症816人(0.83)で前月比109%であった。
薬剤耐性菌
【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は21人(3.0)で、前月比175%と増加した。また、昨年9月(4.7)の約0.6倍であった。
《疾患別》
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数21人(3.0)で、前月の約1.8倍、昨年9月の約0.7倍であった。70歳以上が全体の約6割を占めた。
- ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
- 薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。
【全国】
定点医療機関からの報告総数は1,285人(2.7)で、前月比99%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,261人(2.6)で前月比100%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症19人(0.04)で前月比80%、薬剤耐性緑膿菌感染症5人(0.01)で前月比100%であった。
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