傷口の殺菌に使われている過酸化水素(オキシドール等)は、殺菌作用があるため食品添加物として用いられていますが、製品ができあがった段階では、検出されてはならないと法律で決められています。しかし、ちりめんやしらす干しから検出されて問題になることがあります。それは、白くてきれいな食品が売れるので過酸化水素を漂白目的に使用することがあるからです。
ところが、製造工程で過酸化水素を使用していないにもかかわらず検出される事があります。当研究所では、食品の安全性を保障するため、過酸化水素の分析方法を検討しています。
- カタクチイワシの稚魚の漁獲直後
- かまゆでの後
- 天日干しの後
に分けて検査を行うと、まったく過酸化水素を使っていないにもかかわらず、各工程の中で過酸化水素をごく少量検出することがあります。
過酸化水素の分析に広く用いられている酸素電極法ではカタラーゼ(酵素)により過酸化水素を分解し、発生した酸素の量を測定しています。しかし、原料中の脂質が酸化されてできた過酸化脂質が過酸化水素の検出に関係しているといわれています。
このため、ちりめん中の過酸化脂質により検出されたものか、漂白目的の過酸化水素が残っているかを明らかにする必要がありますし、ちりめん中の過酸化脂質により過酸化水素が検出された場合は、ちりめんの食品としての安全性を証明する必要があります。
そこで、衛生環境研究所では水産試験場の協力で、原料中(ちりめん等)過酸化脂質を測定するのに高速液体クロマトグラフィーという機器を使用した分析システムを開発しました(写真)。
これはジフェニル−1−ピレニルホスフィン(DPPP)という物質が過酸化脂質と反応し蛍光を発する物質を生成することを利用したもので、この方法を用いて過酸化脂質と過酸化水素との関連について調査研究中です。
高速液体クロマトグラフィーによる測定システム