結核に感染したかどうかの話題の検査

 [QFT検査について]
 
   これまでの結核菌の感染診断
 
結核菌に感染したかどうかの検査として、ツベルクリン皮内検査が有名です。

しかし、この検査はBCG接種に影響されるため、「陽性(発赤径10mm以上)」を示した場合、結核菌に感染したため「陽性」となったのか、BCG接種をしたために反応して「陽性」になったのかを区別することは困難です。
   QFT検査とは
 
近年、ツベルクリン皮内検査にかわって血液中の白血球(Tリンパ球)の反応を用いた新しい検査が開発されました。
この検査は、採血した血液から分離された白血球と、結核菌の2種類の蛋白質を試験管の中で反応させます。

この反応で白血球がインターフェロンγという化学物質を産生すれば「陽性」、即ち「過去に結核菌に感染した」ことがある、逆に化学物質を産生しなければ「陰性」、即ち「結核菌に感染していない」と判断します。

即ち、化学物質を産生した白血球の持ち主は、結核菌に感染した(ことがある)といえます。
これをQFT検査(クオンティーフェロンTB―2G検査)といい、BCG接種の影響をほとんど受けないことからツベルクリン皮内検査に変わろうとしています。
   QFT検査の問題点
 
ツベルクリン皮内検査に比べ、画期的かつ正確な検査といえますが、問題が全くないわけではありません。

結核菌に感染してからQFT検査が「陽転」するには、少なくとも8〜10週間かかるといわれています。
このことから結核患者さんと接触があった場合、この検査を受けるには最後に接触した日から2ヶ月以上待つ必要があります。

なお、「陽性」を示した場合、過去と最近の感染の区別ができません。
また、5才未満の子供さんは、検査結果の判断についてまだ十分に検討されていないため検査はできません。
   QFT検査による対応
 
「陽性」の場合は過去と最近の区別はできませんが、結核菌に感染していることが疑われますので胸部X線検査等の健診や発病予防のための治療を行うことになります。

「陰性」の場合は、「結核菌の感染はない」と判断します。
  *この検査は、結核を発病された方との濃厚な接触のあった方に対して保健所で検査を行っています。
  


  平成21年3月23日

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