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プラズマディスプレイパネル(以下PDP)で国内最大のシェアを持つ富士通日立プラズマディスプレイは、宮崎事業所に750億円を投じて月産15万台規模の新工場を建設、現工場と合わせて月産25万台、年間300万台の出荷体制を目指す計画を発表した。世界でも最大級の規模となる新工場の構想について、森本洋一社長に伺った。 ▼新工場の建設計画は、本県にとっても明るいニュースとして注目されています。国内外を含めて、いくつか候補地があったかと思いますが、国富町に決まった経緯について教えてください。 森本:宮崎事業所は、もともと九州富士通エレクトロニクスという会社の※DRAM(ダイナミック・メモリ)組立工場だったところです。それが海外製品との競争激化もあり、'99年から富士通日立プラズマディスプレイとしてPDPの製造を始めました。当時は月産1万台でした。 ▼現在、ほとんどが地元採用と伺っています。今回の投資で新たに1000人の雇用があるということですが、宮崎の人材についての印象はいかがですか。 森本:非常に熱心で向上心のある方が多いと思います。自己実現への情熱が強いといいますか。当社では優秀な人は、どんどん先へ進めるように道を開いていまして、派遣社員から正社員へ、オペレーターからエンジニアへと昇格される方が、毎年たくさんいます。また1000人の新規雇用というのは最低限と思っています。実際にはもう少し増えるかもしれません。 ▼PDPのマーケットが、今後4年間のうちに4〜5倍になるという予測をされていますが、その背景はどのようなものなのでしょうか。 森本:現在、30インチ以上の大型テレビの需要は850万台といわれています。これをPDP、液晶、※プロジェクション・テレビ、そしてブラウン管などのCRTで分けあっている形ですね。まずこの大型テレビが今後、日本、北米、欧州で急速に普及していくと予測しています。これにはハイビジョン、デジタル放送、DVDの普及、それにアテネオリンピックやワールドカップサッカーといった要素ももちろんあるのですが、それ以上に薄型テレビには、軽くて、大きくて、壁かけもできるという今までのテレビにない空間性の高さがあります。今後の買い替え需要のかなりの部分を薄型・大型テレビが占めると予測されているわけです。そうなりますと、事実上、PDPか液晶しかありません。大型になればなるほど、PDPの優位性が出てきますし、海外メーカーも増産を始めていますので、価格も手頃になってくると思っています。これから、特に韓国のメーカーは伸びてくるかと思いますが、当社では※ALIS方式に代表されるように画質ではどこにも負けないと思っています。高画質パネルの分野では技術的にも世界のトップであり続けたいと思いますし、もちろんシェアでもトップを守り続けていくつもりです。 ▼環境対策の分野でも、さまざまな取り組みをされていますね。 森本:目の前に美しい本庄川がありますし、周辺もとても自然に恵まれています。この自然の恩恵を万一にも壊すようなことがあってはいけません。排水、アルカリ廃液、廃熱などのリサイクルや削減をはじめ、省エネルギー、省資源などに全社を挙げて取り組んでいるところです。 ▼最後に宮崎の印象についてお聞かせください。 森本:私も九州出身なのですが、宮崎は明るくて空が青く、高いですね。天気が何よりのごちそうという気がします。それに神楽にしても、西都原の古墳にしても、古いものがそのまま残されている。なかなか、こういうところはありません。材料メーカーなどパートナー企業も、そばにあってくれた方がいいので、何社かに宮崎に移ってきてくれないかと声をかけているところです。宮崎の地で、新たな事業の集積ができればいいと思っています。 ●本日はありがとうございました
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