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県広報みやざき


【特集】

防ごう鳥獣被害!

 
本県にお招きした鳥獣被害対策スペシャリスト 井上 雅央(まさてる) 氏(写真:右) 野生鳥獣による農林作物などへの被害が全国的に広がり、大きな社会問題となっています。宮崎県での被害額(平成20年度)は約2億7千万円で、ここ数年2割程度の割合で増加を続けています。また、野生鳥獣の生息数も増加傾向にあります。
 このため、本年度から鳥獣被害対策の専門家(スペシャリスト)をお招きし、「新たな視点」に立った鳥獣被害対策の推進体制を構築するとともに、被害現場でより効果的な対策が促進されるよう「鳥獣被害対策緊急プロジェクト」に取り組むこととしました。
 
野生鳥獣による農林作物などへの被害額推移(宮崎県)
 
シカの推定生息数の推移(宮崎県)



サル・イノシシ用の防護柵の例新たな視点に立った鳥獣被害対策
 県では、鳥獣を寄せつけない「地域力の向上」をスローガンに鳥獣被害対策の取り組みを進めていきます。
 この集落に来ると“必ず満腹になれる”、人や車は“そんなに怖くない”と動物が学習するような無自覚の「餌付け」をやめ、徹底的な追い払いを行うとともに、冬期に集落周辺でエサになるようなものを制限することにより、適正な生息頭数に導く地域一体となった取組みが大切です。

推進体制の整備
 「鳥獣被害対策緊急プロジェクト」推進のため、庁内に「鳥獣被害対策特命チーム」を設置するほか、各地域にも同様のチームを設置していきます。
 併せて、各地域で効果的な対策を進めるため、専門的知識を有した技術指導者の育成に努めます。

県民の皆さまへのお願い

 鳥獣被害対策は、関係者一人ひとりが、それぞれの立場で主体的な取組みを辛抱強く連携して進めていただくことが重要です。皆さまのご理解、ご協力をよろしくお願いします。

 中山間・地域政策課   0985(26)7036


鳥獣被害対策緊急プロジェクト重点推進事項(3本の柱)
 「鳥獣被害対策緊急プロジェクト」の推進に当たって、3つの重点推進事項(3本の柱)に基づき3カ年計画で取り組んでまいります。
地域が一体となって取り組む「被害防止対策」
 地域住民が個別で「点的」な被害対策を行っても、近隣に被害が分散し、地域全体としての被害軽減効果が低いため、地域ぐるみでの「面的」な被害対策が必要です。
 地域ごとに、現状や問題点を洗い出し、共通目標を設定するために、チェックシートを活用して「集落点検」を行います。
チェックシートの一例
No. 取組項目 ○か×
1 鳥獣被害対策をみんなで話し合う場を設けている。  
2 電気柵は漏電しないように下草刈りなどの管理を徹底している。  
3 誰も管理していない放任果樹は伐採している。  
4 水田のヒコバエや雑草をすき込んでいる。  
5 サルを見かけたら誰でもいつでも追い払うようにしている。  

被害状況に応じた適切な「捕獲対策」 中・長期的視点に立った「生息環境対策」
 シカの推定生息数は、平成17年度の4万2千頭から平成20年度の約7万7千頭へ急増しています。このため、繁殖率を抑えることを目的にメスジカの捕獲にも努め、平成24年度末までに約4万2千頭まで減らすこととしています。    林道や農道の「のり面」や「路肩」などの青草(緑草帯)は、シカ等の冬季の貴重なエサ源となっていることから、シカの侵入を防止するための「緑化法面工法」やシカが好まない「法(のり)面植生」、冬枯れに近づくような草刈時期の検討などを行います。
シカの角擦りによるヒノキの剥皮被害   シカの侵入を防止する緑化法面工法

シカの生息密度分布(2009年度調査)
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