
保育作業の中で、下刈りは、夏期の炎天下の過酷な作業であり、労働力や経費の面で森林所有者に大きな負担となっていす。
現在、木材価格の低迷に加え林業従事者の高齢化や減少により、適正な保育がされない山林が増加し、深刻な問題となっています。
このため、労働投下量、育林経費の削減の面から下刈りを中心とした保育作業の省力化は、林業経営上重要な課題の一つです。
これまで、下刈り省力化の方法としては、除草剤散布、地表被覆、ツリーシェルター、ポット苗(早い成長により下刈り期間の短縮)などが試行されてきました。しかし、どれも一長一短があり広く実用化されていません。
今回、これらの中から当センターで試験を行っている地表被覆の例を紹介します。
農業や園芸などの分野では、既に、被覆資材による下層植生の抑制は、一般的に行われています。林業の分野においても、奈良県や大分県などでは、ネット被覆による下刈り省力化試験が行われています。
当センターでは、これらの試験結果などを参考に取り組むことにしました。
写真-1は、被覆資材となるポリエチレンネットであり、青色が生分解性、緑色は通常のネットです。このネットは、編み目が1mmしかないため、下草木の伸長を完全に抑えます。また、種子がネット上に落ちた場合、乾燥しているため発芽することはありません。さらに、生分解ネットは、10年程で紫外線とバクテリアにより、水と二酸化炭素に分解され、そのころには、下刈り時期は過ぎています。ただし、通常のネットは、自然分解されませんので不要となった後、回収作業が必要です。
材料費は、生分解ネットが210円/平方メートル、通常ネットが141円/平方メートルです。敷設作業については、ロール状のネットを2人が敷設し、1人がピン留め、1人が苗穴を開ける作業となります。(写真-2は、ネットの敷設状況)

写真-1 敷設材料(ポリエチレン樹脂製)

写真-2 ネット敷設状況