
ここ数年、県内各地のスギ林で葉枯症状による樹木の衰退が発生しています。この被害については、被害の進展状況などから、病害によるものではないかと推察し、以前、本誌において「スギ葉枯性病害の大発生」として、糸状菌(カビの仲間)による病害であると報告したところです。
その後、継続して調査を行っていますが、分離した菌による接種試験では、症状を再現させることができませんでした。このため、現時点では、原因が糸状菌によるものかどうか結論はまだでていません。
症状としては、黒粒葉枯病、褐色葉枯病に似ていますが、枯れた枝や葉にはいろいろな菌がついています。はたして菌でこのような症状が引き起こされるのでしょうか。
被害は図-1に示すように葉の黄変から始まり、次第に葉が枯れて赤(褐)変していきます。被害が何年か続くと葉の量が減少し、枝枯れ、梢端枯れへと進展していきます。枯死ることはまれですが、生長は著しく減退すると思われます。

これまでに把握している被害の分布は、図-2のとおりです。県内全域に分布しており、特に、県央から県北にかけての山間部に集中しているのがわかります。被害は主として40年生前後の林分で発生しており、本県以外では、鹿児島、大分、福岡の各県でも確認しています。
現在、被害の分布と併せて被害程度の把握、病原菌の探索、林分調査等を行っているところですが、原因の究明にはまだ時間が必要です。病害以外の要因としては、気象害、土壌障害、大気汚染なども考えられ、また、近年、話題となっている気候温暖化についても、その影響が気になるところです。
