
タケの試験研究において、成果としてのタケノコの市場性向の把握は極めて重要です。そこで、試験の合間を縫って、地場での市場性向について、調査・検討してみました。
現在、生鮮タケノコの需要は、家庭等での使用よりはむしろ日本料理店が中心で、文字通り「旬」の食材として重宝がられています。日本料理店でいう旬とは、食材が出回る最盛期の1ヶ月以上前を意味しますが、タケノコの場合、3月下旬から4月上旬が最盛期ですからその一月前、つまり、1月から2月にかけてが旬ということになります。これは、宮崎県が積極的に取り組んでいるプロ野球やサッカー等のキャンプシーズンにあたります。
ところが、宮崎市内の日本料理店へ行くと地場産タケノコはほとんど出回っていません。これは、県外への一元集出荷を基本戦略としてきたからと考えられます。
宮崎市の観光統計では、シーズン中に約40万人の県外からの宿泊者があるので、これを元に試算したのすれば表-1のように40tの需要が見込まれます。金額にすれば、1億円以上の市場が手付けなしだということです。

タケノコは鮮度が命ですので、掘り取りから口にはいるまでの時間短縮は極めて重要です。これを朝掘りタケノコとして県内の日本料理店に出荷すれば、評価が高いものとなります。しかし、料理店では少量しか引き取りませんので、従来の一元集出荷方式では対応できないこととなります。また、取引に係る集金等の信用性の問題もあります。
そこで、検討を始めたのが図-1のような宅配便を使った出荷システムです。これは、現在一部の生産者と料理店の間で試行しているところですが、非常に高い評価を得ています。
農林家の竹林経営は高齢化等によって衰退し、いわゆる放置竹林が増加していますが、今後、団塊の世代が第一線を退くので、このような方々を組織化し経営に当たらせれば、新たな方向性が示されるものと思います。
