
現在、県内で行われている原木シイタケ栽培には主に3種類の種菌、いわゆる木片にシイタケ菌糸をまん延させた種駒(棒駒)、ノコクズに米ヌカなどを混ぜて菌糸をまん延させたノコクズ種菌(オガ菌)、ノコクズ種菌を棒駒型に成型し、スチロールの蓋を付けて作業性を高めた成型駒(形成菌) が使用されています。(写真1)これらの種菌の特徴には活着性、省力性、経済性など一長一短あります。例えば、種駒は取扱いが容易であり、また乾燥にも強いと言われますが、鬼肌など一般に低質材と言われるような原木の場合はシイタケの発生は少なくなります。一方、オガクズ種菌は活着が良く、生の原木とか低質材と言われるような原木でも使用できます。また、多く植菌することで、植菌年内にはその植菌部からシイタケの発生が見込めます。しかし、種菌が乾燥しやすいとか封蝋する作業が必要であるなどの短所もあります。そして、成型駒はこれら2種菌の省力性や活着性などの長所を組み合わせたものとして考えられたようです。実際、シイタケの生産者はそれぞれ自分の経営方針によりそれらを使い分けています。
今回はこの3種菌のうち種駒と成型駒の水分特性についての試験を行いましたので報告したいと思います。

写真-1 種菌の種類(成型駒)
袋から取り出した時点の種菌の含水率を調べてみると、種駒が約47%、成型駒が約62%ありました。それをクヌギ原木に接種してハウス内に放置したのち、14日間にわたって種菌の含水率の変化を調査しました。(図-1)
種駒の含水率は植菌した翌日には既に30%を下回り、3日後には約24%まで減少しました。一方、成型駒の含水率は植菌後3日で約47%、7日で約29%まで減少しました。このように成型駒は種駒と比べると高含水率で推移するものの、両種菌とも植菌後は急激に含水率が落ちることがわかりました。ところで、シイタケの発菌する力は含水率が35〜40%ぐらいの時、最も強いことが報告されています。これらのことから、種駒では植菌直後から、成型駒でも植菌4日後以降のホダ木への散水管理が重要だといえると思います。
また、ほかに実施した散水試験の結果からは、種駒は散水すると短時間で含水率が上昇するのに対し、成型駒は緩やかに上昇するなど、両種菌で適正な散水時間も異なることもわかっています。

図-2 植菌後の種菌の含水率変化