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宮崎県林業技術センター

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林業みやざき:(2001年 9月)より

スギポット苗の実用化に向けて(育林経営部 水久保孝英)

○春しかスギは植えられない?

スギなどの植栽作業は、梅雨の直前に行うと活着しやすいためほとんど春に行われます。
本県では、今後十数年の間に伐期を迎える人工林が非常に多くなるため、伐採されて植栽が必要な山林の面積が増えると予想されています。そうなると、林業労働力が不足している現状では、春だけでは植栽しきれず、再造林が遅れ、山林の荒廃につながります。もし、春以外にもスギを植えられれば、労働力を効率良く配分でき造林可能な面積は増えるはずです。

○ポット苗は1年中植えられる?

そこで、植栽後の活着が良いといわれているポット苗(スギ)を三股町の山林に、毎月100本ずつ1年間(平成10年6月〜平成11年5月)植栽して、どの時期まで活着可能か試験を行いました。
平成12年11月の調査では全植栽木の生存率は96%で、虫害のため最も生存率が低かった6月と7月植栽木でも九割近くの本数が残っていました(図1)。また、樹高についても、植栽月によって極端に成長が悪いという結果はでませんでした。この試験では、スギポット苗を年間のどの時期に植栽しても支障はないことを今のところ示しています。

○ポット苗の問題点は?

スギポット苗を山に植える場合いくつかの問題点があります。
まず、根巻きの問題です。現在良く使われている鉢形のポット苗は、ポットの中で根が巻いて形成されます。根を巻いたままの植栽が樹木の成長にどう影響するかは三股試験地の今後の経過をみないと分かりません。しかし、根がまっすぐ広範囲に伸びる苗木の方が成長に有利である事は間違いありません。
また、裸苗と比べると重くてかさばるため植付コストが上がる点や、生産費がかかるため苗木の単価が高くなる点も不利な点です。

○紙製ポット苗の研究

これらの問題点を解決するため当センターでは紙製ポット苗の研究を行っています。
紙製ポットは、鉢形のポリ製ポットと違い、ポットの底がふさがっていないため育苗中に底から根が出てきます。根は空気に触れると成長が止まり、ポットの中の新しい根が伸びるので、根が巻くことは少ないと考えています。
また、従来のポットより容積が小さく形も細長いため植えやすいとみています。さらに、紙製ポット苗は、ポットごと植えると紙が土中で腐るため、ポットを外して回収する必要がなく、植付コストの低減につながります。
しかし、まだ、育苗方法が課題となっており、コストをなるべく抑え、良質の苗を安定して生産する方法の検討が必要です。この課題を早く解決し、実用化にメドをつけたいと考えております。
ポット苗をどう活用するか
当然ながら、これまでどおり春に植栽する場合は、ポット苗より裸苗を用いた方がコスト的に有利です。しかし、スギポット苗が実用化できれば、最初に述べた再造林の推進だけでなく、林業労働者の雇用の安定化や、植栽時期の選択による施業の効率化などの効果が期待できると考えています。

ポット苗の写真
紙製ポット苗の写真

・紙製ポット苗

ポリ製ポット苗の写真

・ポリ製ポット苗

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