林業みやざき:(2002年4・5・6月)より
タワーヤーダを使用した間伐材の搬出(育林環境部 田原 國治)
1はじめに
林業従事者の高齢化・減少が進む中、生産コストの低減化や生産性の向上等を目的として高性能林業機械が導入され、主に皆伐作業に使用されて大きな成果を上げてきましたが、間伐作業への高性能林業機械の使用は十分とはいえない状況にあります。
このため、間伐材の搬出にタワーヤーダを使用した事例について調査をしましたので紹介致します。
2調査の内容
東臼杵郡南郷村において、スイング式タワーヤーダ(三菱CAT312-B)とハーベスタ(KETO100)を使用して、魚骨型短木集材(魚骨短木)、魚骨型全木集材(魚骨全木)、定性短木集材(定性短木)、定性全木集材(定性全木)のについて作業時間、生産性、生産コスト、残存木に対する損傷状況等の調査を行いました。
3調査の結果
- 1)調査地の現況等
- 調査は、間伐を1回行った38年生のスギ林で、標高は約400m、傾斜20〜30度、樹高16.6m〜26.4m(平均21.8m)、胸高直径15.8cm〜49cm(平均31cm)、1ha当たりの立木本数は769本、材積は604m3の林分で行いました。
間伐の実施状況は表−1に示すように、本数間伐率で27.07%、〜35.62%、材積間伐率で22.16%〜34.60%と若干強めの間伐を行っています。
- 2)調査の結果等
- 搬出状況は表−2に示すとおり、総サイクル数(搬出回数)は39回〜54回で、1回当たり集材本数は、短木集材の場合2.7本〜3.4本、全木集材の場合1本〜1.2本、集材材積は、短木集材の場合0.437m3〜0.458m3、全木集材の場合0.715m3〜0.735m3で全木集材の方が多くなりました。1時間当たりの搬出本数は、魚骨短木20.1本、定性短木
27.7本、魚骨全木6.2本、定性全木7.1本で、定性間伐区の方が多くなりました。
次に、労働生産性及び生産コストは表−3に示すとおりで、労働生産性は魚骨短木2.633m3、定性短木3.019m3、魚骨全木4.180m3、定性全木3.161m3で、全木集材の方が高くなりました。1m3あたりの生産コストは魚骨型では全木集材が単木集材より安くなりました。また、定性間伐では全木集材の方が高くなりましたが、これは、機械故障による作業中止が生じたためと考えます。1m3当たりの収益をみると最高は魚骨全木型でしたが、定性全木型は赤字となりました。これは、アクシデントが生じ生産コストが他より高くなったことやA品が少なく素材単価が他に比較して非常に安かったことに原因があると考えられます。
残存木に対する損傷状況は表−4、に示したように魚骨短木型が最低で定性全木型が最高となり、定性間伐の方が大きくなりました。
4おわりに
今回は間伐木を短材で搬出する場合と全木で搬出場合の比較、魚骨型と定性間伐の比較を試みましたが、今後間伐を進める上での参考資料の一つとして活用していただければ幸いと考えています。
|林業みやざき目次にもどる|