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宮崎県林業技術センター

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林業みやざき:(2002年 4・5・6月)より

菌床栽培キノコの害菌調査(特用林産部 新田 剛)

菌床栽培とは、一般的には培地基材(オガコ、チップ等)に水と栄養添加物(米ヌカ、フスマ等)を加え、容器(袋、ビン)に詰めて殺菌したものに種菌を接種し、一定期間培養してキノコを発生させる栽培方法です。
殺菌した無菌状態の培地に目的のキノコ菌のみを接種し早期に蔓延させる(原木シイタケ栽培の「ほだ化」)ことで、発生・収穫までのサイクルが短縮できるという点で、経営的なメリットが期待できると思います。
しかし、やっかいなことにキノコ菌の好む環境は害菌類にも住みやすい環境であり、施設や作業の適正管理を怠ると、培地が無菌状態がゆえに害菌発生率が極端に高くなり、収穫量の減少等による経済的被害を被ることになりかねません。
このようなことから、当センターでは生産現場において害菌の調査や防除の指導等を行っています。
今回はその調査手法について紹介します。

◆落下菌調査

菌床栽培施設の汚染具合を目に見える形にしてくれる簡単な方法として、落下菌調査があります。
方法は、直径90mmのシャーレに栄養源を加え寒天で固めた培地を、各施設(接種室、培養室、発生室等)で一定時間(5分間程度)開放して静置します。開放後は速やかにふたをして周りに封をし、培養後、再生してくるコロニー数をカウントすることで、施設の汚染度を診断するというものです(写真1)。
施設内のどこが汚染されているか、また、定期的に調査することで、実施した害菌対策の効果を判断することができます。

写真1落下菌調査の写真

写真1落下菌調査

◆DNAの利用

害菌対策を考える上で重要なことの一つに、感染経路の特定が上げられます。
菌床栽培では工程が多く、害菌の感染がどの工程であったのか特定できれば、その対策を効果的に実施することが容易になると考えられます。
特定の仕方は、各工程から採取される害菌と、被害を受けたビン(袋)から採取される害菌が一致するかどうかで判断することになるわけですが、多くの害菌はその種を見分けることは難しく、また、同種であっても系統が異なることもあり、一致するかどうかを判断することはたいへん難しいです。
最近ではこのような問題を解決するためにDNAが利用されるようになってきました(DNAの林木への利用や具体的な技術については、本誌No.464(2001年9月号)及びNo.467(2002年3月号)で、当センター三樹氏が紹介していますので参考にしてください。)。
写真2は、県内菌床シイタケ生産者の施設及び被害菌床から採取した害菌(トリコデルマ菌)のDNAを抽出し、分析を行った結果です。
No.1及び2は被害菌床から採取した害菌、No.3は培養室、No.4は接種室から落下菌調査により採取した害菌のDNAバンドパターンです。No.2のパターンはNo.3、4いずれとも一致しませんが、No.1はNo.4と一致することがわかります。
このことから、No.1の害菌は接種室に存在する害菌と同一であると推察することができます。実際には、他の考えられる原因(滅菌不足、接種ミス、ピンホール等)を考慮した上で、本当に接種室に問題があるのかを判断することになります。

M1234

写真2DNA分析結果の写真
  1. :被害菌床1
  2. :被害菌床2
  3. :落下菌(培養室)
  4. :落下菌(接種室)

写真2DNA分析結果

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