
今回は植栽したスギ人工造林地に天然下種更新したケヤキが混交している混交林施業の初期保有技術と成長について調査を行っていますので紹介します。
調査地は都城市の民有林で、標高350メートル、西向き斜面、傾斜20度のスギ造林地です。作業路沿いには70年生位のケヤキが約50本立っています。
1996年3月に40年生スギ林を皆伐後、同年5月にスギをヘクタール当り2500本で植栽が行われています。植栽時期とケヤキの種子の豊作年が重なり、ケヤキの下種更新が行われたと考えられます。翌年7月の下刈り時に稚樹が確認されています。
ケヤキ稚樹の分布範囲に10×10メートルの調査区を24区(0.42ヘクタール)設定しました。調査区の内訳は刈出し区19区、下刈り区3区、無施業区2区とし、初期保有施業を実施しました。施業後、スギとケヤキの本数、樹高の調査を行いました。
表-1に2000年6月の調査結果を示しました。ケヤキの本数は下刈り区で4、700本で少なく、刈出し区と無施業区で10000本を超えていました。スギは活着不良や誤伐などから本数が減っていましたが、それを上回るケヤキがありました。その結果、混交率はどの調査区もケヤキが高くなっていました。平均樹高はスギで1.69〜1.85メートルで、無施業区のスギが被圧され若干低く、ケヤキは0.49〜1.20メートルで、刈出し区と無施業区が高く、下刈り区は下刈りの影響で低くなっていました。
多様な森林施業の一つとして人為と天然力を活用した混交林施業の事例を紹介しました。天然更新した稚樹を生かすためには刈出し施業が有効であるようです。しかし、この調査地では植栽から5年が経過したところなので、今後も保育作業を行いながら継続して調査を実施する必要があります。
(育林経営部 古嶋重幸)