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宮崎県林業技術センター

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林業みやざき:No.457(2000年 月)より

ヒポクレア・ラクテア・グループ菌の生理的特性(その2)

シイタケの原木栽培を行う上で、ヒポクレア属菌およびその関連菌群が、ほだ木に発生し大きな被害を与えることがあります。
前回(平成11年12月号)は、宮崎県諸塚村の人工ほだ場のほだ木から分離したヒポクレア・ラクテア・グループ菌(M105、M107)の2菌株、ヒポクレア・ラクテア・グループ菌(M106)1菌株、計3菌株の温度特性について紹介しました。今回は、前回と同じ菌株の「木粉培地での菌糸成長」と「薬剤耐性」について紹介します。

1試験方法

1木粉培地での菌糸成長
試験は両口試験管にブナ粉と米粕を容積比4:1で混合し、含水率を約65%に調整した培地に前述の3菌糸株の胞子混濁液を接種した後、27度Cの恒温器中で培養する方法で行いました。そして接種源から菌糸先端までの距離を測定しました。
2害菌防除薬剤濃度と菌糸成長
薬剤はベノミル水和剤(ペンレート水和剤)とチアベンダゾール水和剤(パンマッシュ)を用いました。それぞれ薬剤濃度が0.00、0.25、0.50、1.00、2.50及び5.00ppmになるように、MA平板培地(2%モルトエキス、1.5%寒天)を作成しました。接種源は前述と同じ胞子混濁液を用い、25度Cの恒温器中で培養し、菌糸伸長を測定しました。

2結果と考察

1木粉培地での菌糸成長
図ー1にブナ木粉培地での菌糸成長を示します。M105が他の2菌株に比べ菌糸成長が劣るのに対し、M106、M107はほぼ同じ高い菌糸成長を示しました。この結果は、発生し始めると数日で被害が拡大していく、というこれらの菌の被害実態と符合します。 対応策としては、早めに被害ほだ木を取り除き、焼却等の処理を行うことが考えられます。

2害菌防除薬剤濃度と菌糸成長

薬剤を添加しない場合の菌糸伸長速度100としたときの、薬剤添加培地での菌糸伸長長率を図ー2に示します。この結果をみますと、今回供試したいずれの薬剤とも3菌株に対し、高い抗菌作用を示しました。その中でもM105は薬剤による抑制効果が高いことがわかりました。このことからも、ほだ木への薬剤散布が、この菌群の被害を回避するために有効であることがわかりました。しかしながら、薬剤による防除については、すぐにその薬剤に耐性をもった系統が現れることがありますので注意が必要です。

3おわりに

2回にわたり諸塚村の人工ほだ場から採取した3菌株の生理的特性を述べてきました。現在これらの試験データを参考に、ほだ場環境の改善策などによる生態的防除策を検討しているところです。
(林業総合センター 田原博美)

ブナ木粉培地での菌糸成長の図
薬剤濃度別菌糸成長の図

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