
イヌマキはヒトツバとも呼ばれ、庭園や生け垣、果樹の防風林などとして広く植栽されています。また、材は耐水性、耐蟻性があり桶や建築材などに利用できることから、造林樹種として山林にも植栽されています。
ところで、最近、県南地域においてイヌマキが衰弱したり枯れる被害が多く見受けられるようになりました。日南市から串間市に向かう国道220号や南郷町から都井岬への国道448号沿いでは、葉が赤くなって枯れたイヌマキや落葉したかのように葉が全くないイヌマキが目につきます。これらはケブカトラカミキリとキオビエダシャクによる被害です。
カミキリムシの一種で、鹿児島県、宮崎県(県南地域)、四国に分布しています。成虫の大きさは1センチメートルほどで、全身に毛が生えており背中にはトラ模様があります。幼虫が生きているイヌマキの樹皮下を横方向に食害するため、幹にはミミズ腫れのようなあとができます。
成虫の発生期における薬剤散布が効果的であることが明らかにされていますが、現在のところ防除に使用できる登録薬剤はありません。被害木が発生源になるので、枯死木を早めに処分することが重要です。
ガの一種で、もともとは奄美大島以南に分布していましたが、近年鹿児島県本土に定着し、平成16年ごろから宮崎県(県南地域)にまで分布が拡がってきました。成虫は翅を広げると50ミリメートルほどで、黒に黄色の帯が入ったきれいなガです。幼虫は50ミリメートルほどになるシャクトリムシで、年に数度発生してイヌマキの葉を集団で食害するため木は丸坊主になり枯死する場合があります。
防除としては、木を揺すると幼虫が糸を吐いてぶら下がってきますのでこれを捕殺します。また、トレボン乳剤、スプラサイド乳剤が農薬登録されており、これらの散布が効果的です。
どちらの害虫も、今のところ県南地域でのみ確認しています。しかし、イヌマキは県内どこにでもあることから、今後の被害拡大が懸念されます。さらに、ケブカトラカミキリについては被害に気づきにくいため、被害木の移出入に気をつける必要があります。