林総センター情報:No.24(2000年1月)より
きのこに関する試験研究の現状と対策(林産部 中島豊)
1はじめに
シイタケをはじめとしてエノキタケ、ブナシメジ、ヒラタケなど多種のきのこが栽培されるようになりました。
なかでも乾シイタケは、農山村経済の重要な位置を占めていますが、近年は輸入増加による競合の激化のほか、生産者の高齢化等により、生産量は減少傾向にあります。一方、生シイタケは菌床栽培の急速な普及により、生産が増加しています
このため、原木栽培については品質向上及び省力化対策を、菌床きのこでは安定生産体系の確立が求められています。
2試験研究の現状と対策
- (1)しいたけの栽培技衝開発
- ○原木シイタケの品質向上対策
秋期の計画的散水が春子の集中発生を防ぐ分散発生に効果があることが分かりました。
また、最近普及してきた成型駒については早期ほた化を図るための管理技術を明らかにしています。更に、人工ほた場などの施設を利用して、収量の安定化を図るための栽培管理技術の解明を進めています。
- ○原木栽培の省力化対策
- 原木栽培の軽作業化を実現するための短木化や作業性を考慮した棚での一貫栽培管理技術の検討を行っています。
これまでに、短木からも十分な発生量を見込め、棚栽培により土地の有効利用も図られる等の利点があることが判明しました。
- ○菌床しいたけ栽培・育種
- 菌床しいたけは空調や半空調方式など地域によって様々な栽培方法で行われています。現在、安定生産を目標に培養・発生技術、害菌対策、種菌の育成に取り組んでいます。
これまでにJAとの共同試験などで県産の適合樹種、菌床の揖傷について成果を得ています。また、品種の育成は長期間を要しますのでモニター栽培とも併せて最適品種の作出を進めています。
- (2)きのこ資源の利用開発
- ○薬用きのこの栽培
- 本県に産する薬用きのこや野生きのこの栽培技術の開発に取り組んでいます。薬用きのこにはマンネンタケ、メシマコブ、ブクリョウなどの漢方薬として利用されてきた非食用のきのこがあります。このうち、未栽培で抗腫瘍活性の高いメシマコブ及びブクリョウについてはすでに発生試験を終え、実用化への検討を行っています。
また、有機性廃棄物を利用した菌床の開発試験を実施しています。
3 今後の試験研究の方向
○原木シイタケの高品質化と省力化
輸入品と競合しない高品質シイタケづくりはますます重要となっています。また、生産者の高齢化が進むなか原木栽培の省力化や軽作業化を図る必要があります。
このため、人工ほた場を利用した栽培や短木栽培技術の確立を進めていきたいと考えています。
○菌床しいたけの安定的生産
シイタケの安定的生産には菌床づくりから発生まで各栽培行程の十分な管理が必要です。このため、多様な栽培方式の中にあって現地に適合した栽培体系を確立していくことが急務となっています。
そのほか、新たな有用きのこの探索・育成、既栽培きのこの安定化技術の開発を進めていきたいと考えています。
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