2006年1月16日
平成17年度 第2回宮崎県産業教育審議会概要
1 日時
平成17年10月27日(木曜) 午後1時30分から4時まで
2 場所
県企業局2階K24
3 出席者
- (1) 委員
- 狩俣委員、菊池委員、久喜委員、黒木委員、中野委員、眞嶋委員、松本委員、南委員、山ア委員、森委員
- (2) 事務局
- 本田教育次長、寺田課長、飛田課長補佐、中村主幹、磯上副主幹、矢田主任指導主事、竹下指導主事、鶴田指導主事、大山指導主事、奥村指導主事
4 議題
(1) 議題1 専門委員会審議経過報告について
議題2 社会の変化やニーズに的確に対応した本県産業教育の目指す方向性について
a.検討の項目について
b.答申に盛り込む内容の方向性について
議題3 その他
議題2 社会の変化やニーズに的確に対応した本県産業教育の目指す方向性について
a.検討の項目について
b.答申に盛り込む内容の方向性について
議題3 その他
5 要旨
(1) 議題1については、寺田学校政策課長、及び中村主幹から専門委員会における審議経過報告が行われた。
(2) 議題2については、各委員より意見をうかがい、専門委員会及び事務局で再度検討することとした。
(2) 議題2については、各委員より意見をうかがい、専門委員会及び事務局で再度検討することとした。
6 主な内容
- (事務局)
- これまでの審議会および諸審議事項について説明
- 本日の議題(検討事項)については、
a.答申の柱となる検討の項目について
b.答申に盛り込む内容の方向性について である。
- (事務局)
- 本日の説明については、本来は専門委員長が行うべきであるが、都合により事務局が代わって説明する。
- 資料に項目が記述してあるが、これが答申文の柱立てと捉えている。柱立ては、これでよいのか御検討いただきたい。
<答申の柱となる「検討の項目」について>
- (委員長)
- 先ず、目次に当たると考えられる柱立てについて意見をうかがいたい。
- (委員)
- (柱立ての)「少子・人口減少社会の進展と労働環境の変化への対応」という項目に「高齢社会」という文言を入れて欲しい。
- (事務局)
- 高齢化や福祉といった問題については、「2 本県地域社会のニーズへの対応」の項目の中で盛り込みたい。
- 「労働環境の変化への対応」の「労働環境の変化」とはどのようなことを意味しているのか。労働環境の変化と教育が直接結びつくのだろうか。
「労働環境の変化」には、終身雇用、成果主義、実力主義、正社員と非正社員の問題等様々な変化が考えられる。表現としては大きすぎて抽象的である。 - 「労働環境の変化への対応」の「労働環境の変化」とはどのようなことを意味しているのか。労働環境の変化と教育が直接結びつくのだろうか。
- (委員)
- 「少子・人口減少社会の進行と労働環境の変化への対応」という項目の中身は、労働人口が減少していく中で、どのような人材を育成していくべきかということを意味しているのではないのか。
「少子・人口減少社会」と「労働環境の変化」が並列で記載されるのは違和感がある。この2つは別々の項目に分けるべきではないか。 - (委員)
- 以前より労働時間が長くなったり、労働条件が変化している。また、若者が仕事に就こうとしない傾向にあることが言われている。
先ほど意見が出されたように、「高齢化」という表現を、柱となる項目の中に加えて欲しい。 - (委員長)
- このこと(「少子・人口減社会の進展と労働環境の変化への対応」)については、後に審議したい。
次の項目の、「地域社会への貢献意欲の育成」についてはどうか。 - (委員)
- 社会貢献ということを高校生に教育するというのは無理ではないか。「社会への貢献」という表現については、「地域への貢献」とした方が良いのではないか。
- (委員長)
- 「貢献」の中身として、ボランティア等も含めて考えることができるのではないか。
- (委員)
- 自分達が住んでいる「郷土を愛し、発展させる」なら分かりやすい。
- (委員長)
- 社会貢献という言葉や学習は増えてきていることは確かである。
高校生が自己形成の過程の中で、社会貢献というテーマを取りあげて学習することは良いことではないか。 - (委員)
- 私も社会貢献を高校生に教育するのは難しいと思う。親の立場としては、自分の子供に対して、「地域社会への貢献」ということまでは求めていない。高校生の段階では、貢献について考えさせる前に、「世の中にお返しをしなければいけない」という気持ちを育てることや、子供自身が「社会の中で自分は何ができるのか」などを考えさせるべきである。自分の子供を見ていると、「やりたいことを精一杯やりなさい」というのが現状である。
- (委員)
- 店の周りに座り込んでいる若者がいるなど、一般的に、「社会の中での自分」というものを意識しながらの生活はまだできていない。「貢献」の前に「社会の中の一員である」という意識を育むことが大切ではないか。「自分の行動が、社会に対して影響を与えている」ということをしっかり教育して欲しい。
- (委員)
- 災害の際のボランティアでねらう貢献と産業教育で行う貢献とは意味が異なるのではないか。
「貢献する意識を育む」とか「高める」という表現の方が良いのではないか。 - (委員長)
- 貢献ということでは、商業高校が、街中で文化祭を行うなど地域の産業の活性化に一役買っている例がある。学校で学んだことを、町の活性化に向けて取り組んでいる事例などは、貢献という意味では結びついているのではないか。
- (委員)
- 福祉についても「地域社会へ貢献する」という心を基盤に据えなければならない。
- (委員)
- 項目に「進学者増加への対応」とあるが、進学者は今後も増えていくのか。この項目は、他の項目と比べるとアンバランスである。
- (事務局)
- 平成3年頃は、専門高校からの進学率が24.7%で、就職率が74.3%であったが、昨年度3月末段階では、それぞれ45.0%と52.0%となっており、進学する生徒の割合が増加している。
- (委員)
- この進学者が将来に亘って増加していくことが、この審議会として問題とすべきことなのか。
- (委員長)
- 専門高校から大学等への進学率は確かに上がっているのは事実である。
- (委員)
- 進学率が高いのはこれまでの流れではないのか。これから先も、進学者が右肩上がりで増加していくのだろうか。「進学者増加への対応」という項目を取りあげることは、産業教育に学ぶ子供たちを、上級学校へ進学させなければ、専門高校がなくなると受け取れるため、違和感がある。
- (事務局)
- 産業教育に学ぶ生徒の進学者が増加してきたことへの対応が十分でなかったと考えている。進学者と就職者の割合は、今後も、おおよそ5対5で推移するのではないかと考えている。
- (委員)
- 社会が変化する中で、専門性が分化している。このような時代に、産業教育では何が指導できるかが問題となるのではないのか。そして、その上で、どのような学科を配置するのかという内容に繋がっていくのではないか。
- (委員)
- 本県産業教育の課題として「将来設計を視野に入れた指導が不十分である」ということをあげているが、このことを「進学者増加への対応」という項目の中で対応しようとするのは無理があるのではないか。
文化、科学技術の進展等に対応できるような進路の在り方を考えるべきではないか。 - (委員長)
- 「進学者増加への対応」という表現ではなく、「多様化する進路への対応」としてはどうか。
- (委員)
- 「進学者増加への対応」という表現には違和感がある。普通科との違いをどのように考えるのか。また、どのように対応するのか。さらに、高校から大学へ進学する段階の出口で対応しようとしているのか、それとも、中学校から高校へ入学する入り口で対応していくのか。
- (事務局)
- 専門委員会に持ち帰り、この場の雰囲気を伝え、検討したい。
<答申に盛り込む具体的な方策について>
- (委員)
- 最近、専門高校からの進学率が上がってきていると言われたが、つぶさに分析し考える必要がある。中学生は、将来大学に行きたいと思えば、普通は普通科に入学するのでないか。公立高校普通科の定員や私立高校普通科の授業料が高く、家計への負担が大きいこと等から、専門高校(公立)へ進学する生徒もいると思う。
専門高校と普通科の比率が5:5というものも議論すべきではないのか。
「実社会で必要とされる資質に対し、教育内容が乖離している」とは具体的にはどういうことなのか、一般の我々には分からない。
「国際化や高度情報化への対応が不十分である」といったことに対応するには、施設設備等を考えると、莫大な予算が必要なのではないのか。厳しい財政状況の中で、絵に描いた餅にならないような答申にすべきである。
社会等のニーズに、「知的財産権」がなぜ唐突に出てくるのか。
15年後を見据えて、その時に入学してくる子供達に本当に指導できる内容なのか。人的にも、施設の面でも大丈夫か。もっと具体性があった方が運用しやすいのではないか。
生徒の成績を見ると、その分布に2つの山がある。このような状況の中で、進学に特化したような取組を行うというのは、学力が身に付いていない生徒には手が回らないのではないか。 - (委員)
- 私も賛成である。産業教育の3年間で何を学ばせるのかということを議論しなければならない。内容が高度で欲張り過ぎな感じがする。人間教育を徹底してやることが大事である。高校段階で学習させるのは、専門の基礎基本だけで良い。即戦力はそんなに簡単なことではない。ベースになるところを徹底して教育してもらえば十分である。
- (委員長)
- レベルを考えたり、シミュレーションをすることも大切なことであるが、答申に全てを網羅することはできない。優先順位を付けていくべきである。できあがった姿を議論しているわけではないので、素朴な立場で議論して欲しい。
- 大学においても、アカデミックスクールかプロフェッショナルスクールか議論が分かれているところである。
- (委員)
- 「答申に盛り込む方向性」については、資料に記載されている全てが盛り込まれるのではなく、専門委員会でも十分議論されているわけではないという理解で良いのか。
- (事務局)
- あくまでもたたき台である。議論しやすいように資料に載せている。
- (委員)
- 「科学技術の進展や国際化、高度情報化」という項目は、昔から言われていることではないのか。
高校3年間で学んだことが、社会に出てから即戦力となることが望ましいが、そうすることは難しい。読み書きそろばんというが、これから社会に出る専門高校の生徒に、読み書きそろばんに当たる基本となることを徹底して教え込むことが大切なのではないか。
「大学卒業レベルの資格を取得している生徒もいるが数としては少ない」とあるが、これが課題であれば、大学レベルの資格を取ることを高校生に求めようとしているのか。 - (委員)
- 専門委員には、専門高校の先生も委員に入っているので現状認識はできているだろうが、例えば、課題として取り上げている「実社会で必要とされる資質に対して学校の教育の内容が乖離している」とあるが、どのように乖離しているのか私たちは分かり難いために、改善・充実のための方策を考えることが困難である。このような点が、理解できないと議論ができない。
資料を見ると、農業高校からサービス職に就職している者が 22.4%、就農者は47人しかいない。現場の先生はこの現状をどのように認識しているのか。中学生の段階では、将来どのような仕事をするのか決められる状況ではないのではないか。専門高校に進む段階で漫然と農業高校に入った者もいるのではないのか。 - (委員)
- 自分の子供は、花を扱ったりすることが好きで農業高校に入学したが、高校段階で進学の意欲が出てきて別の道に進むことになった。このような場合、高校で学んだ専門を生かすということには繋がらないが、どう捉えれば良いのか。
中学校で進路を決める際に、希望する普通科への進学が厳しい場合は、次の選択肢として、普通科でなく農業高校を選択をすることもある。専門を学びたいという強い思いから入学を希望したわけではなく、普通科に行けなかった場合の次の選択肢として、専門高校があるということも考えられる。 - (事務局)
- 農業の学習内容には、学習指導要領にも記載されているとおり、食料生産、バイオテクノロジー、環境、ヒューマンサービスの分野がある。食料生産は、さらに栽培飼育部門、食品製造に関する部門、流通に関する部門に分かれる。その中で後継者育成は、栽培飼育部門で行っている。農業に関するサービス部門は、食品関係、流通関係、ヒューマンサービスなど様々な分野があり、それらを学習した生徒達は、サービス業に就職することも十分考えられる。
- (委員長)
- 農業にも幅があるということだと思う。
現在の宮崎の状況では、単純な輪切りによる入試ではなく、普通科と専門高校は拮抗してきている。ただ、中には、途中で進路変更することもあり、また偏差値によって、進路が決定される向きも確かにあるだろう。
専門高校から大学に入学できる門戸もかなり開かれている。宮崎の専門教育は、他県と比べて高いレベルにある。大学へ専門高校からも入学できる力がある。またセンター試験にも特別な枠がある。
商業にしても、昔はそろばんと簿記であったが、今はマーケティングやIT、プログラミングも学習しており、工業とも競合する部分がある。産業のサービス化、ソフト化が進んでおり、工業高校からもサービス産業へ進むこともある。時代の流れであり変化している。 - (委員)
- 実業界の立場から言わせてもらえば、農業高校の卒業生が自動車総連の役員に就いて会社の社長にもなったり、国際部長でタイの支社の責任者になったりしている例もある。本人次第ということである。
- (事務局)
- 中学校2年生・3年生、及びその保護者に対して高校への進路に関する調査を行った。それを見ると、普通科と専門学科の希望の割合は、ほぼ5:5の割合である。
- (委員)
- 中学生の進路に関するアンケート調査結果によると、確かに(普通科と専門学科の希望の割合は)5:5程度の割合になっているが、だからと言って普通科と専門学科の割合は今後も現状のままで良いと考えることができるのだろうか。また、中学校2年生と3年生で高校への進学する学科の希望にあまり差が出ていないと説明があったが、たった1年で差が出てくるとは思えない。学科編成が、子どもの現実に合わないことになるかもしれないという不安がある。
- (委員長)
- 専門学科の比率を少なくして、普通科を増やした方がいいという意見か。
- (委員)
- 極端には言わないが、今後15年間で25クラス減ることを考えると、県内全域に設置されている農業・工業・商業などの学科を収斂していかなくてはならない。どの学科を減らすのか、減らし方が難しい。
- (委員長)
- 少子化との関連で、例えば小林地区とか日南地区は、農業・工業・商業・福祉を統合して調整している。このようなことも含めながら、どのように学科を配置するのか、といったことが問題になっている。
- (事務局)
- 色々と貴重な意見をいただいた。もう少し普通科高校を増やした方がいいのではないかとか、専門高校を特定の学校に集中し、焦点化した方が良いのでは、などいろいろと御意見が出ているが、様々な要素を考えながら検討する必要がある。
- (委員)
- 資料の専門委員の意見を見ると、「即戦力」という点など納得できる部分が沢山ある。
「企業で採用したい即戦力となる人材」という観点から言えば、資格取得で例をあげると、昔は、面接で、「あなたは何ができますか?」という聞き方をしていたが、今は「どのくらいできるのか?」というレベルに変化してきている。
本県には、生徒の希望に応じて、日常の授業で学習する以外の内容を学ばせ、その結果、生徒も高い資格を取得し、全国で表彰された学校もある。勉強をやりたい生徒には、選択させ、とことん勉強をやれる環境を作ってやることは大切なことである。
宮崎には、「皆横並び」の傾向がある。これからの時代では、「能力の高さ、厳しさ、極めること」も問われていく時代である。現在、企業では「有能な人材が欲しい」、「人材が育っていない」という嘆きがある。
福岡県の麻生知事の4つの施策の中に人材育成が入っているように、将来の有能な人材としての活躍できる能力を高めていくことは大切である。 - (委員)
- 柱立ての「学科の在り方」に関しては、福祉科を充実させていくことを盛り込んで欲しい。来年は何人の生徒が福祉科を卒業するのか。
- (事務局)
- 160名の予定である。
- (委員)
- 福祉を学習して大学に進学してきた生徒は、目的意識が高いのは事実である。
福祉=介護という関係性のみが表に出てしまうが、介護等の資格ばかりでなく自立を支援する環境づくりなどの視点が欠落している向きもある。
高校の教諭は、短期間の講習を受講して福祉の免許を取得しているが、社会福祉の基本的知識、高齢社会の中で何をやるべきかなどの専門的な指導力が不足している。福祉系の勉強をしっかり行った教員を採用して欲しい。 - (委員)
- 社会に出てから、挨拶や礼儀作法がきちんとできるような子供を育成して欲しい。
- (委員)
- 高校在学中に、ベースになるものをしっかりと教えて欲しい。
農業高校では、農業後継者をしっかりと育成する科目を学習させて欲しい。 - (委員)
- 基礎・基本をしっかりと学ぶことこそ能力を伸ばす要素となる。
前の審議会の時に出された意見であるが、施設の方の話では、専門高校の出身者より、専門学校や専門大学出身の学生を採用するという話をされた。
様々な方策を答申に盛り込んでいくことは簡単だが、子供たちに本当に力をつける答申にするためには、基礎・基本をしっかりと行うことを盛り込むことが重要である。 - (委員)
- 本日の審議は、産業教育の在り方というより県立高校の改革に話が及んでおり、幅が広がり過ぎて絞りにくかった。
原点に立ち返り、これから10年のスパンを経てどう変化していこうとしているのかということを議論しなければならない。
人口減少、経済の低成長、構造改革、地域間格差、グローバル化、産業構造、就業構造の変化等に伴うニーズ、これらの部分の論議が足らないのではないか。 - (委員)
- ベーシックな部分を議論しないと、50年前と同じ話になってしまう。
- (委員)
- 若い人が最低限のルールを守れるよう育成することが必要である。
子供たちや保護者のニーズに合ったソフト面・ハード面の支援ができるような答申になればと思う。 - (委員)
- 来年12,000名の中学卒業者がいる。魅力ある高校、学科にして欲しい。
- (委員)
- 答申は、あまり抽象的なものではなくて、すぐに政策に反映され、実践できるようなものが望ましい。
16年に出された答申ではすばらしいものができている。19年度には、これをやって欲しいと具体的に言えるようなものにしたい。 - (委員)
- 今在学している高校生が、入学時になぜ今の学科を選択したのか、高校在学時の満足度や進路希望などについての意識の調査などはないか。
- (事務局)
- 過去に調査したものがあり、調査結果を資料として配布したい。
<その他>
- (事務局)
- 第1回の審議会で、本審議会の中間まとめを出すとしていたが、審議の幅が広く、また慎重に検討しなければならない事項もあると考える。中間まとめについては、今後の審議の経過を見ながら出すということにしたい。
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