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宮崎海域カサゴ資源回復計画が改正されました

2010年4月1日

宮崎海域カサゴ資源回復計画が改正されました

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資源回復計画とは
緊急に資源の回復を図ることが必要な魚種を対象とし、減船、休漁等を含む漁獲努力量の削減をはじめ、積極的な資源培養、漁場環境の保全等を内容とする計画であり、対象魚種の分布範囲により国又は都道府県が作成主体となる。

宮崎海域カサゴ資源回復計画

1 資源の現状と資源回復の必要性

カサゴの年齢別資源量の推移(県調べ)
(1) 資源の特性と資源水準の必要性
 本県のカサゴは、沿岸域の瀬礁に広く生息し、定着性が強い魚種であることが知られている。
 寿命は13歳以上であり、2歳程度で成熟し主として冬期に産仔することが確認されている。
 また、価格が高価なことに加え、極沿岸域に生息するために小型漁船でも容易に漁獲が可能であることから、漁業経営の安定や高齢者にも対応できる漁業資源として有望である。
 本県のカサゴの資源量は、平成7年当時は約175トンであったが、その水準は安定したものではなく、全ての年齢階級において減少傾向にあり、一度も増加に転じることはなかった。その後、平成11年以降は100トンを下回り、資源の状況は低位・減少傾向で推移してきた。
 そのため、平成17年度から資源回復計画(以下、計画)として資源回復措置に取り組み、危機的な状況にあった資源水準の低下に歯止めをかけた。その結果、直近の平成21年度では、資源量が160トンと推定され、ほとんどの年齢階級において資源量が増加した。
(2) 漁獲量の推移と資源回復の必要性
 本県のカサゴ漁獲量は、平成元年に40トン程度であったが、平成2年以降、減少傾向をたどり、平成16年には近年最低となる11トンまで減少した。計画の策定時に、資源回復措置を実施しなかった場合の漁獲量を推測すると、15年後の平成31年の漁獲量は2トンを切ると予想された。
 計画の実践の結果、平成17年以降、漁獲量は減少することなく、増加に転じた。この増加については、計画実践前の過去の種苗放流も含めた資源添加効果による資源量の増加に伴い、漁獲加入が増えたことが要因として推測される。
 しかし、資源量は低位水準を脱したとは言えども、その回復状況は十分なものではなく、資源管理措置を継続しなければ、直ちに減少することが資源の将来予測より示唆されている。そのため、将来的にカサゴ資源を持続的に利用するためには、資源管理措置を一定期間継続することが必要である。
カサゴ漁獲量の推移(漁協統計)

2 資源の利用と資源管理等の現状

カサゴを漁獲する漁業の現状   (経営体)
営んだ漁業の延べ経営体数
延 縄 一本釣 刺 網 その他 合 計
県  北 52(38) 105 116 174 447
児湯郡 91(10) 113 34 63 301
宮崎市郡 18( 8) 107 61 22 208
日南・南郷 39(27) 52 53 18 162
串  間 28( 7) 66 88 56 238
合 計 228(90) 443 352 333 1,356
資料:2008漁業センサス海面漁業調査結果
( )内は、平成20年度のかさご延縄漁業の承認者数
(1) 関係漁業等の現状
1. 関係漁業の現状
 カサゴは、沿岸域に広く生息し、漁業種類を選ばず漁獲されることから、カサゴを漁獲する可能性のある経営体数は沿岸漁業経営体全てが該当し、受益者は非常に多く、かさご延縄、刺網(磯建網)、一本釣、小型底曳網等で漁獲されている。その中で、カサゴを主な漁獲対象とする漁業はかさご延縄のみで、その他の漁業はカサゴを混獲している状況である。
 計画策定前において、これらの漁業のうち、特に漁業の制約のない自由漁業がかさご延縄・一本釣であった。その他の漁業は知事許可漁業又は漁業権漁業となっている。
 計画の実践にあたり、かさご延縄による漁獲圧が最も大きかったことを踏まえ、平成18年度に共同漁業権内でカサゴを主漁獲物とするかさご延縄を、従来の自由漁業から宮崎海区漁業調整委員会の承認を必要とする承認漁業にした。

2. 漁獲量、漁獲金額の推移
 平成21年の本県のカサゴ漁獲量は19トンで、漁業種類別には、かさご延縄による漁獲が主体であり、その6割を占める。その他については、刺網で2割、一本釣り等で2割程度が漁獲されている。
 漁獲金額は、平成元年頃は5〜6千万円で推移していたが、漁獲量の減少に比例して、平成16年には1.5千万円程度となった。回復計画の実践以降、漁獲量の増加に伴い、2.2千万円程度と増加に転じた。
 平均単価は、1,000〜1,100円/kg程度で安定しており、他の沿岸資源に比べて高値で取引されている。
漁業種類別漁獲量の推移(漁協統計)、漁獲金額、平均単価の推移(漁協統計)
3. 漁業形態及び経営の現状
 かさご延縄漁業は、5トン未満の小型漁船により、早朝から昼頃の間、水深30m以浅で操業され、主漁期は5〜8月となっている。回復計画の策定前は、周年操業を行う経営体もあったが、多くの経営体は一本釣、磯建網等の複数漁業を組み合わせた経営を行っている。
 磯建網漁業は、主としてイセエビを対象とした漁業のため、宮崎県漁業調整規則(昭和39年4月10日宮崎県規則第23号)に基づき9月1日〜4月14日までの操業期間となっており、他の期間は一本釣等の複数漁業を組み合わせた経営を営んでいる。近年、イセエビ資源はほぼ安定しており、漁業経営に占める磯建網漁業の割合は高い。
 一本釣漁業は、カツオ、タイ類、サワラ、イカ等季節ごとに対象魚種を替えて操業を行う者や各種延縄等の複数の漁業を組み合わせた漁業を営む者がいる。近年、漁獲量の減少により、漁業経営が厳しい状況にある。
 小型底曳網漁業は、周年操業する者が多い。近年、漁獲量の減少傾向により、漁業経営が厳しい状況にある。
4. 消費と流通の現状
 本県海域で漁獲されたカサゴは、主に鮮魚として県内外に出荷されている。
 カサゴは価格も高く、唐揚げや刺身等の商材として美味なことから、消費者に人気の高い魚である。
(2) 資源管理等の現状
1. 関係漁業の主な資源管理措置
 本県のカサゴに関しては、平成17年度までは漁業調整規則等の公的な規制はなかったものの、一部の漁業協同組合(以下「漁協」という。)では、漁業者の自主的な取り組みとして、禁漁期・禁漁区の設定や小型魚の再放流が行われていた。そこで、計画では、このような資源管理の取組みの基礎を含めて、小型魚・産仔親魚の保護による資源回復を図ることとした。更には、資源回復措置の実行性を高めるために、宮崎海区漁業調整委員会の指示により、かさご延縄の承認漁業化による禁漁期の設定、全漁業を対象にした小型魚の再放流、禁漁区の設定の措置を実施している。
2. 遊漁の現状
 カサゴは、極沿岸域の瀬礁、岸壁、堤防等の遊漁者の釣り場にも多く生息していることから、遊漁による釣り対象魚種となっているものの、釣獲量は不明である。
3. 資源の積極的培養措置
 近年の漁獲量の減少及びカサゴに対する資源管理意識の高まりにより、平成7年度から漁協が自主的にカサゴ稚魚の放流を行ってきた。漁協によるカサゴ稚魚の放流は、平成16年度には13漁協、約20万尾に達し、カサゴ稚魚の放流数量が飛躍的に増加した。
計画では、カサゴ資源を安定的な水準への早期の底上げを達成するために、平成18年度以降、漁協の更なる協力の下、毎年30万尾程度の放流を実施している。
カサゴ稚魚の放流尾数の推移(県調べ)
4. 漁場環境の保全措置
 カサゴが生息する沿岸域は、カサゴをはじめ多くの水産動植物の成育の場として重要であるが、近年、藻場が減少しカサゴ等の生息環境が悪化している。そのため、一部の漁協では行政機関の協力の下、藻場造成に取り組んでいる。

3 回復計画の目標

漁業種類別漁獲努力量の削減措置

 漁獲努力量の削減を伴う資源回復措置は、漁業経営に配慮するため、資源の回復状況に応じて段階的に実施することとした。まず、平成17年度から平成21年度までの5ヶ年を計画として、現状程度の漁獲量の維持を目標に設定し、資源回復措置を行った結果、目標は達成するとともに、資源量も増加した。
 今後も、引き続き現行の資源回復措置を継続し、カサゴの漁獲量が良好であった平成10年〜12年当時の漁獲量の水準(約30トン)まで増加させることとし、そのために増加傾向にある平成21年度の資源量(160トン)を基準として、今後、更に30%程度(約210トン)回復させることを目標とする。
 今回、設定した目標値は、計画終了後の平成27年以降、漁業者主体の資源管理措置に移行しても、小型魚の保護、主産仔期の操業自粛等の継続により、資源の再生産に影響を与えることなく、30トン台/年の漁獲量を維持できる資源水準である。
 4に掲げる措置を行った場合のシミュレーションを実施した結果、平成26年度には目標資源量を達成できるものと予測される。ただし、資源のシミュレーションの精度は直近のデータに影響を受けやすいため、毎年の資源状況を精査しながら、適正な資源診断を実施していくものとする。

4 資源回復のために講じる措置と実施期間

漁業種類別漁獲努力量の削減措置
漁業種類 項  目 削減措置の内容
かさご延縄漁業 禁漁期の設定 10月1日〜4月14日
漁獲量の管理 地区別の漁獲量の上限を設定
全漁業 小型魚の再放流 全長18cm以下
禁漁区の設定 稚魚放流区域を2年間
但し、禁漁期間は放流した翌年1〜12月の2年間とする)

(1) 漁獲努力量の削減措置
 今後も、現行の取組内容を一部変更した上で、削減措置を継続していくものとする。また、計画の目標達成後は、漁業者主体の資源管理体制に移行することを検討している。


(2) 資源の積極的培養措置
 増加傾向にある資源の下支えのために、引き続き平成22年度からの5年間は、県下全域に合計30万尾程度のカサゴ稚魚を放流し、積極的培養を図る。また、(1)にも掲げるとおり、放流後はその効果を高めるため、放流場所は放流後2年間を禁漁とする。さらに資源の増大と併せて、漁業者自らがその効果を把握できるような取組みを検討する。

(3) 漁場環境の保全措置
 一部の漁協では、カサゴ資源を含めた水産動植物の成育の場である藻場造成に取り組んでおり、今後、更なる取組の拡充を行うこととする。また、未実施の漁協でも漁業者、行政等と連携を図り、藻場や干潟の漁場環境の改善に係る取組みを行うこととする。

5 漁獲努力量の削減措置及びその効果に関する公的担保

 本計画に基づく措置の実効性を図るために、かさご延縄漁業の承認漁業化、他の漁船の操業や遊漁者の採捕等に対する漁業法に基づく委員会指示等の管理措置を、引き続き継続することで検討する。また、漁獲努力量の管理について実行性を高めるための手法として、委員会指示等により、かさご延縄漁業の漁獲量の管理を行う。
 また、計画終了後の漁業者によるスムーズな自主的資源管理への移行の一助として、かさご延縄漁業者主導による資源管理協定を作成する。

6 資源回復のために講じる措置に対する支援策

(1) 漁獲努力量の削減措置に関する経営安定策
   国及び県は、4(1)の措置を進めるに当たり必要な措置を検討する。

(2) 資源の積極的培養措置に対する支援措置
   国及び県は、4(2)の措置を進めるに当たり漁業者の負担を軽減するために必要な支援を行う。

(3) 漁場環境の保全措置に対する支援措置
   国及び県は、4(3)の措置を進めるに当たり必要な措置を検討する。

7 資源回復措置の実施に伴う進行管理

(1) 資源回復措置の実施状況の把握
      国及び県は、資源回復措置の実施状況を毎年把握するとともに、その円滑な推進が図られるよう、関係者を指導する。

(2) 資源動向の調査
      県は、国の指導を仰ぎ、カサゴ資源に関する調査・評価体制を構築し、資源状況の把握を行う。

(3) 資源回復措置の見直し
      県は、上記(1)及び(2)の結果を踏まえ資源回復措置の効果について検討するとともに、必要に応じて計画の見直しを行う。

(4) 進行管理に関する組織体制

進行フロー

8 その他

 資源回復計画は、水産資源の回復を図ることにより将来的に県民等に対する水産物の安定供給を実現していくための施策であるが、一方で、回復した資源の適切な利用を図り、漁業経営の安定化も推進する必要がある。そのため、資源の積極的な回復措置の実践に際し、魚価向上対策にも併せて取り組むこととする。
 また、資源の回復を図るために、漁業者による漁獲努力量削減の取り組みのほか、資源の積極的培養措置等とこれに必要な支援を行うものであることから、県民の理解を得ながら計画を進めていく必要があり、計画について広く情報提供を行うこととする。
 併せて、当計画の終了後、カサゴを自立した資源として、維持管理していくためには、カサゴ資源を利用する遊漁者の協力も不可欠である。今回、かさご延縄漁業者の主導により、資源管理協定の作成が進められることから、遊漁者においても、水産資源の保護、漁場の円滑な利用の観点に基づき、漁業者の定めた禁漁区の遵守等の協力を求め、定着性の高い資源管理体制の構築を目指す。

このページの内容についてのお問い合わせは
農政水産部 水産政策課 漁業・資源管理室
電話:0985-26-7146
FAX:0985-26-7309
E-mail:gyogyo-shigen@pref.miyazaki.lg.jp

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