2010年6月16日
宮崎県離島漁業再生支援交付金事業について
宮崎県離島漁業再生支援交付金事業について平成18年から取り組んでいます。
その平成21年度の実施状況について、公表します。
1 事業の趣旨
離島の漁業は、周辺に良好な漁場を有し、自然環境や生態系の保全などの多面的機能をも発揮していますが、輸送・生産資材の取得等、生産・販売の面で地理的に不利な条件にあるばかりか、漁業者の減少や高齢化等が進み、漁業にとって厳しい状況となっています。
離島における漁業の現状を放置してしまいますと、地域の豊富な漁業資源の活用が図られなくなり、水産物の安定供給に支障が生じるばかりでなく、数々の利益をもたらす水産業や漁村が有する多面的機能の低下も懸念されます。
このため、宮崎県としましては、平成18年度から離島の漁業集落が行う漁場の生産力の向上や集落の創意工夫を活かした新たな取り組みなどの漁業再生活動への支援を通じて離島漁業の再生を図りつつ、離島の水産業・漁村が発揮する多面的機能の維持・増進を図ることとしました。
2 対象離島
市町村が策定する市町村漁業集落活動促進計画に基づいて、集落協定を締結した漁業集落が交付対象となり、延岡市島野浦島が該当します。
3 事業概要
- 1)事業期間
- 平成18年度から平成21年度まで
- 2)交付金
- 国:3分の1,県:3分の1、市:3分の1
- 3)事業内容
- 漁業集落内で漁場の生産力向上と利用に関する話合いを行い、その結果策定された「集落協定」に基づいて実施される次の活動が支援の対象行為となります。
-
- 漁場の生産力向上と利用に関する話合い
- 漁場の生産力の向上に関する取組
- 集落の創意工夫を活かした新たな取組
4 平成21年度取組概要
1)集落協定の概要
- 都道県名:
- 宮崎県
- 市町村名:
- 延岡市
- 協定締結集落名:
- 島野浦漁業集落
- 交付金額:
- 29,554千円
- 協定参加世帯数:
- 195世帯(うち漁業世帯195世帯)
2) 取組の内容
(1) 漁場の生産力の向上に関する取組状況
- ○種苗放流
- 漁場の生産力向上のため、カサゴとトラフグの種苗を島周辺海域にそれぞれ15,000尾と20,000尾放流しました。また、トラフグに関しては、そのうち7,000尾にタグを打ち、県内漁協等にチラシ等で連絡することによって、再捕箇所等のデータを今後の放流に役立てます。

- ○藻場・干潟の管理・改善
- 褐藻類のアカモクの種糸を展開し、養殖試験を実施しました。アカモクは、藻場としての役目の他、ポリフェノールやフコイダン、各種のミネラルを豊富に含む健康食品としても注目を浴びているため、アカモクを使用した新商品の開発等も行っています。

- ○産卵場・育生場の整備
- アオリイカの産卵礁になるように、柴に土嚢をくくりつけ水深20〜25メートルに90基設置しました。しかしながら、今年度はアオリイカの産卵が確認できませんでした。

- ○植樹・魚付き林の整備
- 里山の有効活用と景観の保全等を図るため、柑橘類であるダイダイの植樹や植樹箇所に繋がる里道の下草刈りを行いました。ダイダイは焼き魚等の香味料として活用できるため果実自体にも商品価値があることから、植樹と水産物の付加価値向上の両面から有用と考えています。

- ○海岸・海底清掃
- 良好な漁場環境の維持・保全を図るため、学校のクラブの生徒やその保護者等を中心に海岸域の清掃を11回行いました。
- ○漁場監視
- イセエビを放流した箇所を重点に漁業出港時や帰港時、夜間に監視活動を行いました。また、密漁防止の看板も設置しました。

- ○新たな漁具・漁法の導入(まき網漁業)
- まき網漁業は、網でまいて獲った漁獲物を、通常は運搬船に氷とともに積んで港に持ち帰ります。この漁獲物の付加価値が高められるように、運搬船を改造し、活かしたまま持ち帰られるようにしました。また、活かして持ち帰った魚を蓄養するためのイケスも設置しました。

- ○新たな漁具・漁法の導入(まぐろ延縄漁業)
- まぐろ延縄漁業では、近年漁獲量の減少により、厳しい経営状態にあります。そこで、少しでも漁獲量を上げるために、枝縄から針元に使用する素材を魚から見えにくいフロロカーボン製へ変更し、さらに4mの長さを6mに延長する改良を実施しました。

- ○新規養殖業への着業(アワビ養殖)
- 本年度は、25〜40mmサイズのアワビ稚貝を10,000個購入しました。今後、60〜70mmサイズにまで育てて出荷します。
- また、生産も安定してきたことから、販売促進グループと共同で販売に力をいれており、市内の料理店への出荷や加工品などの販売を開始しました。

- ○新規養殖業への着業(マハタ養殖)
- 単価が高く、暖水域で養殖が可能なマハタの試験養殖を始めました。その実施に伴い、先進地である長崎県へ視察を行い、関係者から情報を収集しました。

- ○低・未利用資源の活用(「あげみ」製造販売)
- 延岡の地域ブランド「延岡ずばなもん」として認知度も高まり、道の駅や直売所などでの取り扱いも始まり、多くの人々に食べてもらえるようになったため、これまで以上に厳しい衛生管理体制をとる必要がでてきました。そこで、揚げたてのあげみが冷えるまでに増える雑菌の繁殖を抑えるため、急速冷却器を導入しました。

- ○低・未利用資源の活用(節の加工)
- サバやイワシ、ソウダガツオ等の雑節をブランド化するため、削り節などの試作品の作成を行っていましたが、ようやく商品化され、市内料理店や消費者向けに販売を開始しました。
- また、市内のイベントで試食会を実施したところ、好評でした。

- ○販売促進
- 3年間の離島漁業再生支援事業における活動の中で生み出された商品や、地元で水揚げされる魚などの販売促進活動を行いました。中でも太宰府市の国立博物館前での催事や宮崎市で行われた大商談会への参加で、島をPRすることができました。

- ○都市・漁村との交流
- 島と陸地の間を遊泳し、島をマラソンするトライアスロン大会を対岸の北浦地区と合同で開催しました。イベントは好評で次年度以降も実施される予定です。

- このページの内容についてのお問い合わせは
- 農政水産部 水産政策課 水産企画担当
- 電話:0985-26-7685
- FAX:0985-26-7309
- E-mail:suisanseisaku@pref.miyazaki.lg.jp