2007年3月15日
入札・契約制度改革に関する実施方針
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県政への信頼を大きく失墜させた一連の入札談合事件により、県民からは本県の公共工事発注のあり方が厳しく問われており、今後は、談合を根絶するという強い決意で、より公正、透明で競争性の高い入札・契約制度を確立するため、抜本的な改革に取り組んでいかなければなりません。
このような基本認識に立ち、県民等の御意見も踏まえながら、鋭意検討を重ねた結果、このたび、本県の「入札・契約制度改革に関する実施方針」を策定いたしました。
一日も早い県民の県政に対する信頼を回復するため、今後、県はこの方針に基づき、職員倫理の確立や法令遵守(コンプライアンス)を一層徹底するとともに、一般競争入札の拡大等の改革を着実に実施してまいります。
入札・契約制度改革に関する実施方針
1 職員の意識改革と法令遵守(コンプライアンス)の徹底
- (1) 職員の意識改革
- 知事は、全国知事会の「官製談合等公共調達に係る不正の根絶宣言」に則り、率先して自らを厳しく律し、職務遂行に当たるものとする。職員については、服務規律及び綱紀の保持等について、一層の徹底を図るため、以下の取組みを行う。
○ 「職員倫理規程」を定め、遵守すべき倫理行動規準や、職務上利害関係者となる者との間の規律、倫理の保持のための職員の責務等を明確にする。
○ 職員の非違行為に対し、より一層厳正に対処するため、懲戒処分の基準(平成17年12月1日定め)の見直しを行い、官製談合に係る処分量定を明記する。
○ 職員の法令遵守(コンプライアンス)意識の向上を促すため、自治学院や各職場における研修を充実、強化する。
○ 公共工事を発注する公共事業部門においては、特に留意すべき事項について綱紀保持のためのマニュアルを作成する。
- (2) 公益通報制度の充実強化
- 法令違反行為などを通報した職員の保護及び職員の法令遵守の確保を目的とする「公益通報制度」(平成18年4月1日要綱定め)について、その機能充実を図るものとする。具体的には、従来の受付窓口(人事課)に加えて外部の独立した第三者(弁護士)が管理する通報窓口を新設するとともに、文書又は電子メールに加えて、電話又は面談による通報も新たに受け付けるものとする。 また、所属内研修、リーフレット等を活用し、職員に対する制度の周知について徹底を図る。
- (3) 働きかけ(口利き)への対応
- 入札・契約業務等の透明性の向上と不正な働きかけの抑止のため、公共工事の執行にあたり、職員に対し、公正な執行を損なうおそれのある働きかけ、いわゆる口利きがあった場合に、それを記録し、情報を共有化するとともに、内容を県民に公表する制度を創設する。
- (4) 退職職員の再就職のあり方
- 退職職員の営利企業への再就職に関しては、憲法で保障されている「職業選択の自由」も考慮する必要があることから、再就職後3年間は、県への営業活動等を行わないよう当該職員及び再就職先に対して強く自粛を要請する。併せて、営利企業への再就職のあり方について、国家公務員と同様の措置が講じられるよう、国に対し、地方公務員法の改正を求めていく。
また、再就職の状況については、透明性をより高めるために、現在の公表制度を見直し、公表対象者を拡大する。(営業活動等の自粛及び再就職状況の公表制度の見直しは、平成18年度末退職者から適用する。)
2 公正、透明で競争性の高い入札・契約制度への改革
- (1) 指名競争入札の廃止と一般競争入札の拡大
- 予定価格250万円以上の公共工事について、段階的に指名競争入札を廃止し、平成19年度内には原則として一般競争入札(条件付。以下同じ)に移行する。
具体的には、これまでの試行を踏まえ、4千万円以上の土木一式工事等については平成19年4月から実施し、平成20年1月までには予定価格250万円以上の公共工事について一般競争入札に移行する。
この場合、建設業者への周知等について十分に配慮を行う。
なお、一般競争入札の例外となる公共工事は、応急的な災害復旧工事などに限る。 -
○ 地域要件
県発注の公共工事については、特殊な工事など競争性が不足する場合を除き、県内建設業者に発注するものとする。
この場合、地域要件は、県内全域、県内を数ブロックに分割するなど、公正な競争の確保を前提に、工事の規模、種類などを勘案して設定する。○ 技術要件等
公共工事の適正な施工の確保の観点から工事成績を評価するとともに、同種工事の施工実績や配置技術者の資格要件等を設定する場合には、入札参加機会や競争性の確保にも十分に配慮を行う。○ 予定価格
事前漏洩の不正防止の観点や一般競争入札による公正な競争の確保を前提に、予定価格は事前公表とする。
なお、予定価格の事前公表については、入札・契約制度改革の検証を行い、その継続の適否について検討を行う。○ 最低制限価格
公共工事の品質確保や下請保護などを含めた適正な施工の確保の観点から原則として最低制限価格を設定する。
なお、算定方法については、入札・契約制度改革の検証を行い、今後も検討を行う。○ 入札参加者
段階的に廃止する指名競争入札を含め、入札参加者は事後公表とする。 - 公共工事に係る業務委託については、平成19年度から段階的に指名競争入札を廃止し、一般競争入札や技術提案を評価する「プロポーザル方式」など多様な入札・契約方式の導入を推進する。
業務委託の実施に当たっては、入札参加者は事後公表とし、予定価格は事前公表とする。
なお、最低制限価格については、委託業務の適正な履行の観点から、その設定の適否について検討を行う。
- (2) 総合評価方式等の拡充
- 価格と技術提案等を総合的に評価する「総合評価方式」については、簡易型の試行を拡大するとともに、標準型についても導入を図る。
また、民間の技術力を活用することによりコスト縮減等を図る「VE(バリューエンジニアリング)方式」、「設計・施工一括発注方式」等の多様な入札・契約方式の導入を図る。
- (3) 電子入札の拡大
- 談合等の不正行為の防止、入札参加者及び発注者の負担軽減の観点から、電子入札の全面導入については、平成19年10月からの計画を3か月前倒しし、平成19年7月から実施する。
なお、導入に当たっては、建設業者への周知等について十分配慮する。
- (4) 公共工事の適正な施工の確保(公共工事の品質確保等)
- 公共工事の適正な施工の確保を図るため、落札率が一定以下の工事等については、下請業者への発注状況等も含めた施工体制点検や監督業務の重点実施、中間検査の追加実施を行うなど工事監督検査体制を充実・強化する。
また、入札参加に際し、契約保証の予約的機能を有する証書の提出により外部機関が入札参加業者の実施能力を担保する「入札ボンド制度」について検討する。
- (5) ペナルティの強化
- 談合等の不正行為の排除、抑止のため、入札参加停止期間の最長期間を12月から24月に延長するとともに、違約金を10%から20%に増額するなど、ペナルティの強化を図る。
また、談合情報対応マニュアルを見直し、談合情報の警察への情報提供を行っていく。
3 入札・契約制度の適正な運用
- (1) 公共工事入札適正化委員会の機能強化
- 民間有識者で構成している「公共工事入札適正化委員会」(平成15年8月設置)について、入札・契約制度及びその適正な運用等に関して調査・審議する機能の付与を行うとともに、委員構成・開催回数等の見直しによる機能強化を図る。
また、平成20年度を目途に、公正性、透明性の観点から、委員会を発注部局(土木部)から発注部局以外に移管する。
- (2) 入札・契約事務等に係る組織体制の整備
- 入札・契約制度改革を着実に推進するため、職員の法令遵守の徹底や、一般競争入札、電子入札の拡大等を図るための必要な組織体制の整備を行う。
また、平成20年度を目途に、入札・契約事務については、公共工事発注の透明性をより高めるために発注部局から分離し、工事検査事務についても、公共工事の一層の品質確保を図るために組織の統合など体制の充実強化を図る。
- (3) 情報公開の推進
- 入札・契約情報を県議会に定期的に報告するとともに、電子入札の全面導入に併せ、発注見通し、入札情報、入札結果、契約結果等の全ての入札・契約情報を、県民にわかりやすいように工夫しながら、インターネット等で公開する。
4 建設業界への対応
- (1) 建設業界の企業倫理確立
- 建設業関係団体や建設業者に対し、自ら談合と決別し、法令遵守(コンプライアンス)の徹底と企業倫理の確立に向けて取り組むよう強く要請する。
- (2) 建設産業の活性化
- 地域における建設産業の役割を考慮し、県発注の公共工事については、特殊な工事など競争性が不足する場合を除き、県内建設業者に発注するとともに、工事の規模や種類などを勘案して地域要件を設定する。
さらに、下請工事発注に当たっての県内建設業者の活用や建設資材の県内調達の促進を図るなど建設産業の育成に配慮を行う。
また、「宮崎県建設産業活性化プラン」(平成16年12月策定)に基づき、技術と経営に優れた業者が伸びていける環境づくりの推進、技術力向上等による経営基盤の強化や新分野進出支援など経営革新の促進等を図る。
5 その他
- (1) 改革の進行管理と検証
- 入札・契約制度改革の着実な推進とさらなる改善を図るため、行財政改革推進本部や公共工事入札適正化委員会において、継続的に進行管理や検証に努めるとともに、その結果についても、県民にわかりやすい形で公表を行う。
- (2) 公共工事以外の入札・契約制度改革
- この実施方針は、公共工事の入札・契約制度改革に関するものであるが、庁舎の清掃や警備等の公共工事以外に係る業務委託や物品調達等についても、この方針に準じて、一般競争入札の拡大など公正、透明で競争性の高い制度への改革を進めるものとする。
なお、具体的な取組み内容については、平成19年6月を目途に行う「行政改革大綱2006」の見直しの中で検討する。
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