アストラゼネカ社ワクチン(バキスゼブリア)について
【注意】アストラゼネカ社ワクチン(バキスゼブリア)の接種受付は、令和4年7月6日接種分をもって終了しました(受付最終日は令和4年6月29日)。
初回接種を検討されている方は、ファイザー社ワクチン(コミナティ)、モデルナ社ワクチン(スパイクバックス)、武田社ワクチン(ノババックス)での接種を御検討ください。
アストラゼネカ社ワクチン(バキスゼブリア)とは
アストラゼネカ社ワクチン(バキスゼブリア)が令和3年5月21日に製造販売承認を受けました。
これにより、県内の医療機関においてもアストラゼネカ社ワクチン(バキスゼブリア)の接種を行います。
なお、アストラゼネカ社ワクチン(バキスゼブリア)は、初回接種(1回目・2回目接種)にのみ用いることができるワクチンです。追加接種(3回目・4回目接種)には用いることができません。
ウイルスベクターワクチン
アストラゼネカ社ワクチン(バキスゼブリア)は、ヒトに対して病原性のないウイルスに新型コロナウイルスの遺伝子の一部を組み込んだ、ウイルスベクターワクチンです。
接種することにより、遺伝子がヒトの細胞内に取り込まれることで、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質が産生されます。さらに、スパイクタンパク質に対する中和抗体産生などの免疫反応が起こり、新型コロナウイルスによる感染症の予防ができると考えられています。

(バキスゼブリア筋注適正使用ガイドより)
成分について(ワクチン接種を受ける人へのガイドより)
ワクチンに含まれている成分は以下のとおりです。
有効成分
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コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン(遺伝子組換えサルアデノウイルスベクター) |
添加剤 |
L-ヒスチジン、L-ヒスチジン塩酸塩水和物、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、エデト酸ナトリウム水和物、精製白糖、無水エタノール、ポリソルベート80 |
効能効果、有効性について
効能又は効果(バキスゼブリア添付文書より)
(注意)本剤の予防効果の持続期間は確立していません。
有効性
- デルタ株に対するワクチンの発症予防効果は、アストラゼネカ社ワクチンの2回接種後で67.0%との報告があります。
【初回接種後の発症予防効果】アルファ株:48.7%、デルタ株:30.0%
【2回接種後の発症予防効果】アルファ株:74.5%、デルタ株67.0%
(令和3年9月17日開催第24回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より)
- 2021年7月に英国公衆衛生庁(PHE)がアルファ株とデルタ株への有効性について、リアルワールドデータを用いた研究結果を公表。
【発症予防効果に係るワクチン有効率(2回接種後)】アルファ株:約75%、デルタ株:約67%
- 2021年6月14日に英国公衆衛生庁(PHE)がデルタ株による入院を予防する効果について、リアルワールドデータを用いた研究結果を公表。
【入院予防効果(2回接種後)】デルタ株:約92%
(令和3年7月30日開催第23回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より)
安全性、副反応について
安全性(令和3年7月30日開催第23回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より)
- 被験者の多くに接種部位及び全身性のAE(注意)が認められたものの、そのほとんどは軽度又は中程度であり、回復性が認められている。
【頻度の高いAE】
大部分は軽度又は、中等度であった。局所及び全身性のAEの発言割合は、初回接種後と比較すると2回目接種後のほうが低かった、なお、国内治験でも同様の傾向がみられた。
注射部位圧痛、疲労、頭痛、注射部位疼痛、筋肉痛、倦怠感、発熱感、悪寒、関節痛、悪心、注射部位熱感、そう痒感、挫傷
【SAEについて】
死亡例は、本剤群2例、対照群5例に認められ、いずれも治験薬との因果関係は否定された。なお、国内治験では本剤群において死亡及びSAEは認められなかった。
(注意)AEとは、AdverseEventの略で、医薬品の使用と時間的に関連のある、あらゆる好ましくない意図しない徴候、症状又は疾病のことです。当該医薬品との因果関係の有無は問わない。例えば、ワクチン接種後に地震が発生し、負傷した場合も、ワクチン接種との因果関係にかかわらず、時間的な関連があるためにAEとして扱われます。SAE(SeriousAdverseEvent)は重篤なAEをいいます。
アストラゼネカ社ワクチンの海外試験併合解析において、局所及び全身のAEの重症度・発現割合は18~64歳と比較して65歳以上で低かった。
また、いずれの年齢の部分集団でも初回接種後と比較して2回目接種後で低く、他の年齢層の被験者と比較してAEの重症度及び発現割合が低かった。

副反応について(ワクチン接種を受ける人へのガイドより)
「接種後に気を付けること」も御確認ください。
- 重大な副反応
いくつかの症状が同じような時期に現れることが一般的です。このような場合は直ちに医師に相談してください。
重大な副反応 |
主な自覚症状 |
ショック |
冷汗が出る、めまい、顔面蒼白、手足が冷たくなる、意識の消失 |
アナフィラキシー |
全身のかゆみ、蕁麻疹、のどのかゆみ、ふらつき、動悸、息苦しい |
血栓症・血栓塞栓症
(脳静脈血栓症・脳静脈洞血栓症、内臓静脈血栓症など) |
ふくらはぎの痛み・腫れ、手足のしびれ、鋭い胸の痛み、突然の息切れ、押しつぶされるような胸の痛み、激しい頭痛、脱力、まひ、めまい、失神、目のかすみ、舌のもつれ、しゃべりにくい、吐き気、嘔吐、胸の痛み、激しい腹痛、おなかが張る、重度で持続する腹痛、足の激しい痛み、突然の意識の低下、突然の意識の消失、突然片側の手足が動かしにくくなる、突然の頭痛、突然の嘔吐、突然のめまい、突然しゃべりにくくなる、突然言葉が出にくくなる
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- その他の副反応(バキスゼブリア添付文書より。5%以上の副反応を抜粋。)
頭痛、悪心、筋肉痛、関節痛、注射部位圧痛、注射部位疼痛、注射部位熱感、注射部位挫傷、注射部位そう痒感、疲労、倦怠感、発熱感、悪寒、発熱
接種後に気を付けること
- 接種当日は激しい運動を避け、接種部位を清潔に保ってください。
- 接種後は健康状態によく気を付けてください。接種部位の異様な反応や体調の変化、高熱、けいれんなどの異常を感じた場合は、すぐに医師の診察を受けてください。
- 接種後にショック、アナフィラキシーが起こることがあります。接種後一定時間は接種施設で待機するか、すぐに医師と連絡を取れるようにしておいてください。初回接種後にショック、アナフィラキシーが現れたら、このワクチンの2回目の接種は行わないでください。
- 接種直後又は接種後に血管迷走神経反射として失神することがあります。失神による転倒を避けるために、接種後は背もたれやひじ掛けのある椅子や体重を預けられるような場所で待機するようにしてください。
- このワクチンとの関連性は確立されていませんが、ワクチン接種後に、非常にまれに毛細血管漏出症候群(全身のむくみ、急激に体重が増える、息切れ、息苦しい、心拍数増加、ふらつき、めまい)が起こることが報告されています。毛細血管漏出症候群が疑われる症状が現れた場合には、直ちに医師に相談してください。
- このワクチンとの関連性は確立されていませんが、ワクチン接種後に、非常にまれにギランバレー症候群(両側の手や足に力が入らない、歩行時につまずく、階段を登れない、物がつかみにくい、手足の感覚が鈍くなる、顔の筋肉がまひする、食べ物が飲み込みにくい、呼吸が苦しい)が起こることが報告されています。ギランバレー症候群が疑われる症状が現れた場合は、直ちに医師に相談してください。
- このワクチンとの関連性は確立されていませんが、ワクチン接種後に、非常にまれに脱髄疾患(まひ、顔の異常な感覚、手足の異常な感覚、見えにくい、意識の低下)が起こることが報告されています。脱髄疾患が疑われる症状(運動障がい、感覚障がい、筋力低下、膀胱直腸障がい、視力障がいなど)が現れた場合は、直ちに医師に相談してください。
- このワクチンの接種後に、重篤な、血小板減少症(鼻血、歯茎の出血、青あざができる、出血が止まりにくい)を伴う血栓症(ふくらはぎの痛み・腫れ、手足のしびれ、鋭い胸の痛み、突然の息切れ、押しつぶされるような胸の痛み、激しい頭痛、脱力、まひ、めまい、失神、目のかすみ、舌のもつれ、しゃべりにくい)(一部には出血を伴う)が起こることがあります。この中には、脳静脈洞血栓症や内臓静脈血栓症などの、非常にまれな静脈血栓症や動脈血栓症も含まれます。多くはワクチンを接種してから4~28日後は重度若しくは持続的な頭痛、目がかすれる、錯乱、けいれん発作、息切れ、共通、下肢腫脹、下肢痛、持続的な腹痛あるいは接種部位以外の皮膚の内出血若しくは点状出血などの症状に注意し、これらの症状が現れた場合は、直ちに受診してください。
- 他の医師を受診したり、他のワクチンを接種したりする場合は、必ずこのワクチンを接種したことを医師又は薬剤師にお伝えください。
(注意)血管迷走神経反射:注射を打った時の痛み、恐怖、興奮などによる刺激が脳神経の一つである迷走神経を介して中枢に伝わり、心拍数が減ったり、血圧が下がったりすることがります。そのため、気分が悪くなったり、めまいやふらつき、失神などが起こったりします。

(令和3年7月30日開催第23回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より)
接種の対象者について
- 原則、40歳以上の方が対象です。
ただし、18歳以上40歳未満でも、次のような方は、このワクチンを接種できます。
- ポリエチレングリコール(PEG)に対するアレルギー等で、他の新型コロナワクチンを接種することができない方
- 海外でアストラゼネカ社ワクチンを1回接種済みの方
- 特にアストラゼネカ社ワクチンの接種を希望される方
接種を受けることができない方
- 明らかに発熱している方(注意1)
- 重い急性疾患にかかっている方
- アストラゼネカ社ワクチン(バキスゼブリア)の成分で重い過敏症にかかったことがある方(注意2)
- 新型コロナワクチン接種後に血小板減少症を伴う静脈若しくは動脈の血栓症を起こしたことがある方
- 毛細血管漏出症候群の既往歴のある方
- 上記以外で、予防接種を受けることが不適当な状態にある方
(注意1)「明らかに発熱」とは、通常37.5度以上をいいます。ただし、平時の体温と比較して37.5度を下回る場合であっても、発熱していると判断される場合もありますので、御了承ください。
(注意2)全身性の皮膚・粘液症状、喘鳴、呼吸困難、頻脈、血圧低下等、アナフィラキシーを疑う複数の症状
接種を受けるのに注意が必要な方
- 抗凝固療法を受けている方、血小板減少症又は凝固障がい(血友病等)のある方
- 過去に免疫不全の診断を受けた方、近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
- 心臓、腎臓、肝臓、血液疾患や発育障がいなどの基礎疾患のある方
- 他のワクチンの接種を受けた、2日以内に発熱があった人や全身性の発疹などアレルギーが疑われる症状が出たことがある人
- 過去にけいれんを起こしたことがある方
- アストラゼネカ社ワクチンの成分に対して、アレルギーを起こすおそれのある方
- 妊娠中又は妊娠している可能性がある方
- 授乳されている方
接種スケジュールについて
- 1回0.5mLを合計2回4~12週間の間隔で筋肉内に注射します。
- このワクチンは2回接種により効果が確認されていることから、2回接種してください。
- このワクチンについて最大の効果を得るためには8週間以上の間隔をおいて接種することが望ましいとされています。
- このワクチンの接種は18歳以上の方が対象です。
- 交互接種をした時の情報は得られていないため、原則として、2回目もこのワクチンの接種を受けてください。
