報道発表日:2025年4月17日更新日:2025年4月17日
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昨日公表しました本件につきまして、地図の凡例に一部誤記がありましたので修正いたします。
○地下水調査範囲の「第1回調査(3月5日採水)」と「第2回調査(3月19日採水)」の凡例を入れ替えました。
令和7年2月27日に国(九州防衛局及び航空自衛隊新田原基地)から県に対し、航空自衛隊新田原基地内に設置されている井戸において、PFAS(有機フッ素化合物)の一種であるPFOS及びPFOAが暫定目標値(注1)を超過して検出された旨の情報提供がありました。
これを受け、県では、基地周辺の水質検査を実施しており、今回、基地の南部や北西部においても敷地境界から概ね500mの範囲で地下水等の調査を行いました。
この結果、基地の南東及び北西の井戸、合計2箇所から暫定指針値超過が確認されました。
(注意1)暫定目標値…水道水の水質管理目標設定項目(水道水質管理上留意すべき項目として、将来にわたり水道水の安全性の確保等に万全を期する見地から、水道事業者等において水質基準に係る検査に準じた検査等の実施に努めるべきもの)としてPFOS及びPFOA合算で50ng/L(体重50kgの人が、水を一生涯にわたって毎日2L飲用したとしても、この濃度以下であれば人の健康に悪影響が生じないと考えられる値)以下
(注意2)暫定指針値…河川や地下水等の環境水の要監視項目(人の健康の保護に関連する物質ではあるが、直ちに環境基準とはせず引き続き知見の集積に努めるべきもの)としてPFOS及びPFOA合算で50ng/L(体重50kgの人が、水を一生涯にわたって毎日2L飲用したとしても、この濃度以下であれば人の健康に悪影響が生じないと考えられる値)以下
これまでに実施してきた水質検査は基地の北東部を中心としていたことから、基地周辺の状況を把握するために、敷地境界から概ね500mの範囲において、北西部で2箇所、南部で5箇所の井戸を選定し、4月7日に採水を行いました。
また、井戸が存在しなかった基地の東部及び西部では、河川(栗野田4号橋)や池(藤山溜池)で採水を行いました。
併せて、3月31日に新田原基地から報告があった雑用井戸の暫定指針値超過に対して、当該井戸から概ね半径500mの区域内で2箇所の井戸で採水を行いました。
地下水の調査地域及び河川・池の調査地点については、以下のファイルを御参照ください。
【修正】地下水の調査地域及び河川・池の調査地点(PDF:814KB)
基地の南東及び北西の井戸、合計2箇所から暫定指針値超過が確認されました。
検査結果は下表のとおりです。
地点 | PFOS及びPFOA(ng/L) | 用途 | 位置 | |
---|---|---|---|---|
地下水 (井戸) |
1 | 110 | 雑用 | 南東 |
2 | 7.5 | 飲用 | 南東 | |
3 | 0.3 | 雑用 | 南西 | |
4 | 0.8 | 雑用 | 南西 | |
5 | 0.3未満 | 飲用 | 南西 | |
6 | 5.8 | 飲用 | 北西 | |
7 | 69 | 飲用 | 北西 | |
8 | 2.6 | 飲用 | 北 | |
9 | 20 | 雑用 | 北 | |
河川 池 |
栗野田4号橋 | 11 | - | 東 |
藤山溜池 | 9.6 | - | 西 |
今回、暫定指針値を超過した井戸(1、7)から概ね500mの範囲において、飲用指導を実施するとともに、追加の水質検査を実施します。
水質検査の予定地域については、以下のファイルを御参照ください。
有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物を総称して「PFAS」と呼び、1万種類以上の物質があるとされています。
PFASの中には撥水・撥油性、熱・化学的安定性等の物性を示すものがあり、その中でも、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)は、半導体用反射防止剤・レジスト、金属メッキ処理剤、フッ素ポリマー加工助剤、界面活性剤、泡消火剤などの幅広い用途で使用されてきました。
PFOS及びPFOAは、発がん性など人への健康被害が懸念されています。
国では、最新の科学的知見に基づき、専門家による検討を進めています。
POPs条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)により、PFOSは2009年、PFOAは2019年に廃絶等の対象とすることが決められています。
これを受けて、国内では化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)に基づき、PFOSは2010年、PFOAは2021年に製造・輸入等が原則禁止となっています。