掲載開始日:2023年1月27日更新日:2023年1月27日

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結核集団感染事例の発生について(2023年1月)

概要

都城市の社会福祉施設にて、初発患者に加え、結核発病者3名(利用者3名)、感染者2名(利用者2名)が確認され、結核の集団感染が発生したことが判明しましたので、県民の皆様への注意喚起の観点からお知らせします。

なお、発病者及び感染者は既に治療を受けており、接触者については引き続き保健所にて調査および検査を行なっています。

初発患者について

  • 80代男性
  • 令和4年1月より咳症状、食欲低下、発熱、喀痰が出現。同年7月より同症状が増悪。
  • 同年9月26日に医療機関を受診し、喀痰検査の結果陽性と判明。
    同日、医療機関より保健所に発生届提出。
  • 感染経路は不明。

経過

  • 都城保健所が9月27日より患者の接触者33人(施設職員・利用者含む)に対して接触者健診を実施。
  • 令和5年1月20日までに、発病者3人、感染者2人を確認し、厚生労働省が定める集団発生(*)に該当すると認めた。
  • 令和5年1月23日、感染症対策課から厚生労働省に報告。
  • 令和5年1月23日現在の感染者数:
    発病者3名、感染者2名(初発患者は除く)
令和4年9月26日 医療機関から都城保健所に発生届(初発患者)提出。
令和4年9月27日 都城保健所が調査を開始。
令和4年10月

対象者33人(施設職員・利用者含む)に対して接触者健診を実施。
接触者健診の結果、利用者1名の発病を確認。

令和4年12月~
令和5年1月

利用者に対する、接触者健診を追加実施。
利用者2名の発病と、利用者2名の感染を確認。

発病者3名は入院治療、感染者2名(感染性なし)は通院での服薬治療を行なっている。

*結核の集団発生とは
同一の感染源が2家族以上にまたがり、20人以上に結核を感染させた場合を言い、発病者1人を6人の感染者に相当するとして感染者数を計算する。

保健所および県の対応

  • 管轄の保健所が、当該施設に対し、接触者調査を実施。接触者に該当する施設職員・利用者に対し、当該施設・医療機関と連携し、接触者健康診断を実施した。
  • 接触者について、引き続き健康診断等を実施するとともに、治療中の方に対し、適切な医療の提供と服薬指導を行う。
  • 県は状況把握、関係保健所の支援、また結核の早期発見・早期診断を促す注意喚起を実施する。

結核について

結核とは

結核とは、結核菌という細菌によって主に肺に炎症が起きる病気です。

現在、全国で年間約1万2千人、宮崎県では年間100人前後の感染が毎年新たに報告されています。
結核は誰もがかかる可能性があり、治療により治る病気です。

原因と感染経路

結核を発病して排菌している人の咳やくしゃみに含まれた結核菌を吸い込むことで感染します。

「感染」と「発病」

  • 「感染」:吸い込んだ結核菌が体の中に侵入しているが、無症状で、胸部エックス線検査でも結核と言える陰影がなく、排菌もしていない状態をいいます。
  • 「発病」:吸い込んだ結核菌が、体内で増えて、病気を引き起こした状態をいいます。発病してすぐは排菌していませんが、進行すると、咳や痰の中に結核菌が排菌され、ほかの人に感染させるようになります。
  • 感染してもすべての人が発病するわけではなく、健康であれば免疫の働きによって結核菌を抑え込みますが、病気や加齢などで免疫力が落ちると、抑え込まれていた結核菌が活動を始め、発病することがあります。一般に、感染した人の中で発病する人は1~2割ほどと言われています。
  • 感染者や、発病しても排菌していない方は、周囲の人に感染させることはありません。

症状

発病すると、痰のかからむ咳・微熱・身体のだるさなど、風邪に似た症状が2週間以上続きます。

ときに、血痰、食欲低下、体重減少などがみられるようになります。症状がはっきりと現れにくい高齢者では、食欲低下や体重減少がサインとなる場合もあります。

また、骨や腸管、腎臓など、肺以外の臓器にも病巣を作ることがあります(肺外結核)。

検査・治療

胸部エックス線検査、喀痰検査、血液検査などにより、結核の感染・発病の有無を検査します。

治療では、抗結核薬を6ヶ月以上使用します。感染性がある場合は入院が必要です。
発病している場合でも、早期に発見されれば感染性がないため、入院せずに治療が可能です。また、一般に、薬を飲み始めて約2週間で感染性はほぼなくなります。

県民・事業者の皆様へ

結核は過去の病気ではありません。
早期発見のためには、定期健診と、早めの医療機関受診がポイントとなります。

定期健診を受けましょう

  • 成人の方は、胸部エックス線検査を年に1回程度受けておくことが大切です。
    市町村・職場・学校などでの定期健診を積極的に活用しましょう。
  • 検査の機会がない場合は、お住まいの自治体にお問い合わせください。
  • 各種学校、医療機関、老人福祉施設、障がい者支援施設、生活保護施設等の各種施設では、学生・生徒、利用者、業務従事者等に対しての定期健康診断の実施義務、および保健所への報告義務があります。
    対象施設におかれては、対象者に対する定期健診の実施を徹底いただくようお願いいたします。
    詳細は管轄保健所にお問い合わせください。
  • 高齢者施設におかれては、高齢者施設のための結核早期発見チェックリスト(PDF:754KB)もご参照ください。

早めに医療機関を受診しましょう

結核は早期発見・早期治療により完治する病気です。

  • 咳や痰
  • 血の混じった痰や胸痛
  • 発熱、寝汗、身体のだるさ、体重減少

こういった症状が2週間以上続く場合は、早めにお近くの医療機関(胸部エックス線検査設備のある内科や呼吸器科)を受診しましょう。

全国および宮崎県の結核患者数

結核新登録患者数

  H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2 R3
全国 19,615 18,280 17,625 16,789 15,590 14,460 12,739 11,519
宮崎県 169 161 143 120 97 101 96 88

過去の集団発生事例数

  H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2 R3
全国 44 42 45 38 45 25 17 6
宮崎県 1 0 0 0 0 1 0 0

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お問い合わせ

福祉保健部感染症対策課感染症対策担当

〒880-8501 宮崎県宮崎市橘通東2丁目10番1号

ファクス:0985-26-7336

メールアドレス:kansensho-taisaku@pref.miyazaki.lg.jp