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掲載開始日:2021年12月10日更新日:2021年12月10日

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令和3年度知事とのふれあいフォーラム分野版(第1回)

内容

開催日時等

開催日時

令和3年11月17日(水曜日)午後1時30分から午後3時まで

場所

防災庁舎4階防41号室

テーマ

新型コロナ対策の最前線

参加者

医療従事者など7

(医師、看護師、保健師、救急救命士、PCR検査従事者)

ふれあいフォーラムの内容

 知事挨拶

  • 本日は、大変ご多用のところお越しいただき、また、それぞれの立場で新型コロナ対策の最前線でご尽力いただいていることに深く感謝を申し上げる。
  • 第5波が収束し、今日発表分で28日連続新規感染者ゼロということで、「今ならできる」「今すべき」テーマではないかという思いから実現したのが今回のフォーラムである。
  • 先日、県の対策本部会議で第5波の検証を行なった。デルタ株の感染力の強さはこれまでにないものであり、今後、新たな変異株が出てくる可能性もある。一方で、ワクチン接種の進行や抗体カクテル療法など一定の治療法も確立されており、「ワクチン・検査パッケージ」など、経済を回していこうという動きも進められているところ。
  • これまでの経験、教訓というものを生かしつつも、次なる新たな局面にどう備えていくかというのが、今、我々の直面している課題である。
  • 現場でそれぞれの皆さんが体験し、苦心されたことや思い、こうすべきではないか、こうして欲しいというようなご意見を賜り、連携を大切にしながら次なる対策に生かしていきたい。

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 フォーラムの様子

知事あいさつ

会場全体

集合写真

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主な意見など

1.コロナ禍における現場の実態について

  • 主に県の調整本部で活動していたが、第2波はすべてがほぼ手探りの状態であった。第3波では患者数が増え、また重症者も増えたため、その対応が新たに必要になった。第4波、第5波になると、爆発的な感染患者数の増大により、自宅療養患者が増えたため、その健康管理や状態急変時のバックアップ体制をどうするかが課題となった。とにかく目の前の患者を入院させなければならず、あの手この手を使って入院調整を行なったが、急激な感染患者数の増大に対し、受け入れ可能な病床が限られるのがきついところであった。感染患者用の病床を多く確保すると、通常の救急に支障をきたすため、その見極めに苦労した。また、重症患者の受け入れ病床も限られており、第3波では都城から延岡まで広域の搬送を余儀なくされたケースもあったため、重症受け入れ医療機関の確保も継続していく必要があると感じた。また、保健所の業務が膨大になり、圧倒的な人手不足であったので、そこの支援も課題であると感じる。
  • 病院での勤務にあたり、さまざまな情報が飛び交う中、感染患者の受け入れをしながら最善の方法を検討していくというところが、とても難しいところであった。また、自分たちが感染してはならないということがとても重要だったので、感染防護具の装着方法を学び、装着テストに受かったスタッフでないとコロナ対応ができない、というふうにした。防護具をフル装備で着用し、作業をして出てくると、酸素不足で注意不足になることがあったため、脱ぐスタッフを確認するスタッフを必ずつけて対応した。最初の頃は防護具が不足する可能性があり、緊張感もさらに増したので、備品の整備も大事。
  • 勤務する病院で感染患者の受け入れをすることになり、そのための準備を進めたが、未知の感染症ということで、情報が錯綜し非常に不安があった。また、厚労省への毎日の報告や調査項目の増加など、業務量が増加している。加えて、院内感染を起こしてはいけないという重圧があり、看護協会の会長から激励のメールをもらった時は、涙が出そうになった。それだけ責任を持って、各病院の感染管理認定看護師は対応している。
  • 高齢者施設でのクラスター対応も、最初は「ゾーニングとは?」というところからのスタートであった。ワクチン接種済みの現在は、ある程度安心した状態で対応できているが、最初の段階では、ウイルスを持ち帰っても持ち込んでもいけないということで、緊張状態であったと思う。病院の感染対策ではなく、生活場所の感染対策を行うということを念頭に置き、施設職員に寄り添い、精神的なフォローをしながら感染対策を指導した。第5波の時は、在宅医の協力が非常にあったことと、訪問看護の方のご尽力もあった。訪問看護の方の底力をすごく感じた。
  • 訪問看護事業所として在宅療養者への電話訪問を請け負うにあたり、まず日常業務の調整を行なった。電話訪問を行うスタッフが訪問する予定であった方を残りのスタッフで訪問するなど、負担は増大。保健所から届くメールには深夜のものもあり、情報収集に要する時間など、現場の苦労を感じた。第5波は真夏であったが、訪問時は病院と同じように防護具を着用し、その状態で入浴介助をするなどした。訪問後はシャワーに直行し、訪問に使用した車内も消毒をするなど、感染防止対策を徹底した。
  • 第5波では、幼児・児童の感染が増加し、母親への感染もあった。子育て世帯は宿泊療養所に行くこともできず、家庭内で感染拡大すると水や薬を買いに出ることもできないため、保健所と連携し、処方薬を病院まで取りに行き、患者宅へ届けるなどした。電話訪問において一番大変だったのは、コミュニケーションエラーの問題。外国人世帯で、唯一コミュニケーションが取れる方が入院し、言葉が通じない家族が残ってしまい、やり取りをするのがとても大変だったという話を、他の訪問看護ステーションから聞いている。これだけ外国人が増えている中では、電話だけでは対応困難な場面もあると感じた。
  • 宮崎市消防局では、すべての事案において、新型コロナに関わるような要件がないか、本人のみでなく家族や同僚の情報まで詳細に聞き取りを実施し、搬送先の医療機関にその情報を伝えているため、現場滞在時間が延伸している。広域搬送が増えたこと、それを感染防護の体制で行うことにより、現場の救急隊員は、肉体的、精神的に疲労、疲弊していると感じている。
  • 保健所は、これまでも感染症対策として備えを行なってきたが、新型コロナの発生は、その備えを大きく超える事態となった。県民の不安が憶測やデマを呼び、SNSなどを通じて瞬時に拡散するなど、振り回された時期もあった。また、保健所が迅速に対応をしないから感染が拡大してしまう、もっとスピード感を持つべきなど、さまざまなお叱りの電話をいただいた。日々、膨れ上がっていく感染者の数に圧倒されながらも、感染拡大を防ぎたい一心で、日夜、疫学調査を行なった。夜遅い時間でも調査に応じてくださった皆さまには、本当に感謝している。行政検査において、陽性者の周辺の者への検査で感染の広がりを抑えるという状況は、第5波においてもあったと思うので、積極的疫学調査は大事にしないといけないなと思った。また、業務が膨れていく中で、多くの組織的な支援や応援に大変助けられた。
  • PCR検査を担う衛生環境研究所では、検査方法や提出いただく検体の種類など、第2波までは手探りであった。県内で行政検査を行えるのは衛生環境研究所のみであるため、休みなしの状況で職員の負担は増大。感染拡大により、第2波では一日の検査数が200件を超えるなど、人手が足りなくなり、第3波までは家畜保健衛生所や県病院、過去の経験者などの支援を受けて乗り切った。第3波と第4波の間に、所内で人材育成を行なったり、検査機器を追加購入するなどして体制を強化し、第5波では一日400件近くの検査を所内の職員のみで乗り切ることができた。今後は、変異株のゲノム解析をできる職員を増やす必要があるため、現在はその体制整備に取り組んでいるところ。衛生環境研究所で一人でも陽性者が出れば、県内のPCR検査が止まってしまうため、職員には厳しい行動制限を課しており、神経を使う状況が続いた。

2.新型コロナ対策の課題と求められる取り組みについて、現場における第6波への備えについて

  • 患者数が増えると在宅療養者が増えると思われるので、その健康管理や、休日・夜間の容態急変時にすぐに対応できる体制をいかに強化していくかが重要。在宅医やかかりつけ医にも参入していただければ。また、いかに重症化を予防するかが重要であるので、抗体カクテル療法や内服薬といったものを速やかに受けられる体制づくりが課題ではないか。
  • 陽性患者を受け入れる医療機関の病床確保はもちろん、感染が疑われる傷病者の病床についても確保して欲しい。
  • 保健所では、地域でどのように体制を組み、具体的な医療体制を構築していくかという取り組みを始めているところ。まずは、在宅療養者の容態の変化に対し、電話診療などで確実に医療が受けられるような体制づくりに向け、要となる先生方のところへお願いに上がりたい。また、各保健所と訪問看護ステーションの連携により、安心して在宅療養できるような医療体制ができ上がってくるのではないかと思っている。
  • 大阪・京都では「KISA2隊(きさつたい)」という名前で、24時間体制で在宅療養者の健康管理を行う訪問診療チームがある。モデルケースであり、そこまで実際はできないのかもしれないが、これは良いと思う。また、クラスターになってしまうと収束するまで非常に時間がかかるため、1例でも陽性が出たら、その段階から行政と連携して行動すべき。
  • 訪問看護師の立場からぜひお願いしたいのは、認定看護師による在宅や施設でのゾーニングの教育。高齢者の施設だけでなく、障がい者の施設や放課後デイサービスなど、子どもの施設もたくさんあるので、そういうところを対象に、保健所管轄で指導していただけるとありがたい。
  • 学校などでも感染があったため、学校の先生向けの研修も必要ではないかと思った。第5波ではさまざまなところでクラスターが起き、ゾーニングがとても難しかった。一律に「この通りにしてください」はできない。ケースバイケースで工夫してゾーニングをするため、感染管理認定看護師に相談いただければと思う。
  • 重症患者が転院できる状態まで回復しても、後方支援病院が見つからず、次に来るかもしれない重症患者用の病床が確保できないことがあり、緊張感があった。県全体で患者を見ていくための連携強化と情報共有が重要。
  • PCR検査について、できるだけ早く正確な検査結果を出す努力をしているところ。また、PCR検査やゲノム解析の試薬はほとんどが外国製であり、海外での感染が増えてくると供給が遅れることもあるため、必要最低限ではなく十分量の確保に向けて準備を進めているところ。

3.県民の皆さんへのメッセージ

  • コロナとのつき合いが長くなり、精神的にも負担になっていると思うが、自分を守るということ、大切な人を守るということを考えて、基本的な感染予防の行動を継続していただきたい。
  • 日本がこの状況を続けるためには、基本的な感染対策を守っていただくことが大事であるため、それを続けていただきたい。また正しい情報を持って、コロナに対応していっていただきたい。
  • 「手洗い、うがい、消毒」の三原則を押さえていただきたい。また、現場で頑張っている医療などに従事する人々に、ぜひ応援やエールをお願いしたい。
  • 救急対応については、救急隊員や救急車がコロナ感染症の媒介にならないよう、これまでも感染防止対策や救急車の消毒などに万全を尽くしてきたところ。今後についても、気を緩めることなく、これまで以上に適切に対応していきたいと思うので、県民の皆さまのご理解とご協力をお願いしたい。
  • 統計によれば、新型コロナの療養を終えて1年が経っても、1割の方には疲れやすさや下痢といった何らかの症状があると言われている。そういった方への温かい配慮をお願いしたい。また、やはり日頃の体調管理が重要。ぜひ、健康診断の受診や生活習慣病の予防を。
  • 11月現在、感染状況は落ち着いているが、気を緩めることなく、「みやざきモデル」を徹底し、職場、家庭内問わず引き続き感染対策をお願いしたい。また、ワクチンはウイルス対策としては有効。風評や不適切な表現も出回っているが、正しい情報に基づき、接種可能な方については、第6波を防ぐ意味も含めてぜひ接種をお願いしたい。
  • 繰り返しになるが、新型コロナウイルス感染症については、特効薬ができているわけではないので、気を緩めることなく、「かからない、そしてうつさない」という感染対策を続けていただきたい。また、体調がおかしいなと思ったら、すぐに医療機関を受診していただきたい。最後に、新型コロナの感染拡大は経済にも大ダメージを与えるので、そういったところをもう一度再認識して、感染対策を試みていただければと思う。

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知事総括

  • 限られた時間であったが、これまでの体験を踏まえたさまざまな思いや課題をお示しいただき、今後についての提言もいただいた。
  • これまでも、関係者と連携しながら何とかそれぞれの波を乗り切ってきたところであるが、その連携をさらに深め、役割分担、機能分担することによって、宮崎ならではのコロナ対策を強化していきたい。
  • コロナ対策は、感染対策とは別に経済へのダメージの回復という問題があり、感染対策と社会経済活動とのバランスをどうしていくかの舵取りが重要である。また、国や市町村との連携の在り方についても念頭に置きながら意見交換を行なった。
  • 今後も、問題意識を持ちながら、現場での課題や皆さんの思いをこれからもフィードバックをしていただき、よりよい方向に結びつけていきたい。

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お問い合わせ

総合政策部秘書広報課広報戦略室 

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