報道発表日:2025年9月11日更新日:2025年9月11日
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県教育委員会では、宮崎県文化財保護審議会(石川千佳子会長)の答申(令和7年8月7日付け)を受けて、8月の定例教育委員会において、有形文化財の新規指定1件を決定しました。
本日の公報告示により指定となり、指定後の県指定文化財の合計は227件(うち県指定有形文化財63件)となります。
新たに指定した有形文化財の詳細は、以下のとおりです。
鹿児島藩の御用船・稲福丸の船印旗
瀬戸内や大坂への往来のために鹿児島藩が発行した手形
櫓木の生産や取引の記録を記した帳簿類
「後藤家伝来史料」
所有者:個人
所在地:都城市(都城島津邸及び高城郷土資料館)
本史料は、都城市高城町の商家で「ごつどん」の愛称で知られた後藤家に伝来したもので、7代・後藤伊右衛門から11代・後藤康太郎までの5人の当主に関連する、江戸時代中期から昭和期に作成された7,675件の文書群である。
この文書群は、近代(明治期~昭和戦前期)の史料が7割以上を占め、金銭の借用証文、水運事業や山林経営に関する帳簿類など、同家の生業に深く関わる金融・流通に関するもののほか、同家当主の政治との関わりや社会貢献のあり方を示す史料も含まれている。
このように、当史料は幅広い観点から、近世から近代の本県における有力商家の活動を捉えることのできる文書群であり、本県の産業、経済、政治の変遷を研究・解明する上で欠かすことのできない貴重な文化財である。
都城市教育委員会文化財課一般文化財担当(電話0986-23-9547)