国土利用計画法に基づく土地取引規制

国土利用計画法のねらい

 みんなが自分勝手に土地を利用したらどうなるでしょうか?また、自分の利益だけを考えて投機的な土地取引を行ったらどうなるでしょうか?

 土地問題の解決のためには国民のみなさん一人一人に土地は公共性・社会性を持った限りある資源であるという認識を持っていただき、有効に利用していく必要があります。

 平成元年にできた土地基本法は、次の4つを考え方を「土地についての基本理念」として定めています。

  • 土地についてが公共の福祉が優先します。
  • 土地は適正に計画に従って利用されなければなりません。
  • 土地は投機的な取引の対象にしてはなりません。
  • 土地の価格が、道路、鉄道の整備や人工、産業の動向などによって増加する場合には、それによって得られた利益に応じ適切な負担(税の増額等)が求められるべきです。

 国土利用計画法は、こうした考え方に基づき、土地の投機的取引や地価の高騰を抑制するとともに、適正かつ合理的な土地利用の確保を図るため、土地取引について届出制や許可制を設けています。一定面積以上の土地の取引をしたときは、この法律により知事に届出又は許可を得なければなりません。
 届出又は許可制度には、以下の4種類の制度があります。
 規制の強さとしては、事後届出制→事前届出制(注視区域)→事前届出制(監視区域)→許可制と順を追うに従って強くなります。

  1. 一定面積以上の土地取引についての事後届出制(法第23条第1項)
    契約後2週間以内に届け出る義務があります。
  2. 注視区域内の一定面積以上の土地取引についての事後届出制(法第27条の4)
    契約前に届け出る義務があります。
  3. 監視区域内の一定面積以上の土地取引についての事後届出制(法第27条の7)
    契約前に届け出る義務があります。
  4. 規制区域内の一定面積以上の土地取引についての許可制(法第14条)
    契約前に許可申請を行う義務があります。

 平成16年3月現在、本県の土地については、注視区域、監視区域又は規制区域のいずれも指定されておりませんので、規制としては最も緩やかな法第23条第1項の規定に基づく事後届出制がのみが適用されています。
 なお、いずれの場合にも届出期限を厳守しない届出、事前の届出をしないで行った土地取引又は許可を受けないで行った土地取引は違法となりますので十分注意してください。


一定面積以上の土地取引についての事後届出制

 一定面積以上の土地取引をしたとき、土地売買の契約を締結した者のうち、土地の取得者(売買契約の場合は買主)は、利用の目的や価格等の取引の内容を、契約締結日(契約書の日付)から2週間以内に市町村役場の担当窓口を通じて、知事に届け出ることが義務づけられております。
 知事は、土地の利用目的が不適当と認めるときは、利用目的の変更を勧告することができ、土地の取得者がその勧告に従わないときには、その旨を公表できることとされています。

事後届出制についての詳しいことはこちら


注視区域内の一定面積以上の土地取引についての事前届出制

 法第27条の3の規定に基づき注視区域として知事が指定した区域内における土地取引について適用される届出制度です。
 地価が一定の期間に社会経済情勢の変動に照らして相当な程度を超えて上昇し、又は上昇するおそれがあり、これによって適正かつ合理的な土地の利用の確保に支障を生ずるおそれがあると認められる区域について、知事は当該区域を注視区域として指定することができます。
 注視区域が指定されますと、指定された区域内で一定面積以上の土地取引をしようとするときは、取引の当事者双方(売買契約の場合は買主と売主の両方)が、利用目的や予定価格等の取引の内容を市町村役場の担当窓口を通じて、知事に届け出て審査を受けなければなりません。
 知事は、利用目的や予定価格等の取引の内容が地の利用目的が不適当と認めるときは、契約の中止や予定価格の引き下げ等の変更を勧告することができ、土地の取得者がその勧告に従わないときには、その旨を公表できることとされています。

監視域内の一定面積以上の土地取引についての事前届出制

 法第27条の6の規定に基づき監視区域として知事が指定した区域内における土地取引について適用される届出制度です。
 地価の急激な上昇又はそのおそれがあり、これによって適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められる区域について、知事は当該区域を監視区域として指定することができます。
 監視域区内における届出や勧告の仕組みは注視区域と同じですが。届け出を要する一定面積の規模が注視区域の事前届出制や事後届出制の場合と比べて狭くなり結果的には、小規模の土地取引であっても届出義務が発生することとなります。

売りの一団と事前確認制度

 注視区域や監視区域における事前届出制では、個々の面積は小さくても、権利譲渡者(売買の場合であれば売主)が権利を譲渡する土地の合計が一定面積以上となる場合(売りの一団)にも届出が必要となります。

 住宅団地やマンション等の分譲などの場合、この「売りの一団」に相当し、取引を行う当事者ごとに個別に届出が必要ということになります。
 事前確認制度とは、このような一見煩雑とも思われがちな「売りの一団」に相当する土地の取引について、当事者の利便を図るための特例措置として設けられているものです。
 販売形態が定型化・類型化している住宅団地・マンションの分譲などの場合、その分譲を行おうとする者(譲渡人)が、分譲予定額が著しく適正を欠かないことについて、事前に知事の確認を受けることで、確認された価格あるいはそれ以下で契約を締結する場合、改めて届出を行う必要はないとする制度です。
 この制度による宅地分譲等の広告には「国土利用計画法に基づく事前確認済」などと記されていることが多いようです。

規制区域における許可制

 法第12条の規定に基づき規制区域として知事が指定した区域内における土地取引について適用される許可制度です。
 土地の投機的取引が相当範囲にわたり集中して行われ又はそのおそれがあり、地価が急激に上昇し、またはそのおそれがあると認められる区域等について、知事は当該区域を規制区域として指定することができます。
 規制区域内では、原則として規制区域内全ての土地取引に許可が必要となり、自己利用等の一定の場合を除き、土地利用について規制することとなります。全国でこの許可制が適用された区域はありません。