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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2025年第25号

第27巻第25号 [宮崎県第25週(6/16〜6/22) 全国第24週(6/9〜6/15)]


宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所

令和7年第25週(ARIのみ第24週)の発生動向

トピックス
  • 伝染性紅斑(定点把握対象疾患)
    第25週(6/16〜6/22)の県内定点当たりの報告数が2.4となり、流行警報レベル開始基準値(2)を超えた。定点当たりの報告数が流行警報レベル開始基準値(2)を超えるのは2011年以来である。詳細後述。
全数報告の感染症(25週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核2例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:日本紅斑熱1例。
  • 5類感染症:劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、梅毒1例、百日咳53例。

全数把握対象疾患累積報告数(2025年 第1週〜第25週 保健所受理分)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・第25週の定点医療機関からの報告総数(急性呼吸器感染症除く)は301人(定点当たり18.7)で、前週比115%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、感染性胃腸炎、伝染性紅斑及びヘルパンギーナで、減少した主な疾患はインフルエンザ、水痘であった。また、第24週の急性呼吸器感染症の報告総数は1,283人(定点当たり45.8)で、前週比95%とほぼ横ばいであった。

【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】

報告数は45人(3.0)で、前週比110%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(2.9)の約1.0倍であった。年齢群別は5歳から8歳が全体の約半数を占めた。

【感染性胃腸炎】

報告数は119人(7.9)で、前週比112%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(8.0)の約1.0倍であった。年齢群別は1歳から4歳が全体の約4割を占めた。

【伝染性紅斑】

報告数は36人(2.4)で、前週比129%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.4)の約5.6倍であった。年齢群別は3歳から7歳が全体の約8割を占めた。

*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

○マイコプラズマ肺炎:報告数は1例(定点当たり0.1)で、高鍋保健所から報告があった。年齢は10〜14歳であった。

○感染性胃腸炎(ロタウイルス):報告数は1例(定点当たり0.1)で、宮崎市保健所から報告があった。年齢は15〜19歳であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部)

急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI) 
(2025年第24週:6月9日〜6月15日搬入分)

○急性呼吸器感染症(ARI)※1サーベイランス検体について、急性呼吸器感染症サーベイランス遺伝子検査マニュアルに従い、検査を実施した。

※1 急性呼吸器感染症(ARI):咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のいずれか 1 つ以上の症状を呈し、発症から 10 日以内の急性的な症状であり、かつ医師が感染症を疑う外来症例
※2 左記のいずれのウイルスも検出されなかった検体数を計上

(細菌・ウイルスについては2025年6月23日までに検出分)

細菌

○1歳女児、50代女性及び60代女性から腸管出血性大腸菌(EHEC O103:HUT,VT1及びEHEC OgGp3:HUT,VT1)が検出された。腸管出血性大腸菌における感染症は、一般に初夏から晩秋にかけて多発することから、今後の発生動向に注意する必要がある。なお、宮崎県では毎年、保育園等で腸管出血性大腸菌の集団感染が発生しており、食べ物を介した感染だけでなく、簡易用ミニプール水等を介した感染等にも注意する必要がある。

ウイルス

※ ARI病原体定点から検出されたウイルスのうち、分離されたウイルスも再掲

全国2025年第24週の発生動向

全数報告の感染症

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数(急性呼吸器感染症除く)は前週比96%とほぼ横ばいであった。なお、前週と比較して増加した主な疾患は水痘で、減少した主な疾患はインフルエンザ、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、伝染性紅斑であった。また、急性呼吸器感染症の報告数は前週比93%と減少した。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は7,158人(3.0)であった。例年同時期の定点当たり平均値*(3.1)の約1.0倍であった。埼玉県(5.6)、茨城県(5.6)、愛媛県(5.5)からの報告が多く、年齢群別では4歳から7歳が全体の約半数を占めた。

伝染性紅斑の報告数は4,780人(2.0)であった。例年同時期の定点当たり平均値*(0.5)の約4.2倍であった。山形県(5.7)、北海道(5.0)、栃木県(4.4)からの報告が多く、年齢群別では3歳から7歳が全体の約7割を占めた。

* 新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

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