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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2025年第19号

第27巻第19号 [宮崎県第19週(5/5〜5/11) 全国第18週(4/28〜5/4)]


宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所

令和7年第19週(ARIのみ第18週)の発生動向

全数報告の感染症(19週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核2例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:報告なし。
  • 5類感染症:劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、侵襲性肺炎球菌感染症1例、梅毒4例、百日咳58例。

全数把握対象疾患累積報告数(2025年 第1週〜第19週 保健所受理分)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・第19週の定点医療機関からの報告総数(急性呼吸器感染症除く)は257人(定点当たり17.3)で、前週比88%と減少した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は特になく、減少した主な疾患はインフルエンザ、感染性胃腸炎であった。また、第18週の急性呼吸器感染症の報告総数は1,459人(定点あたり52.1)で、前週比99%とほぼ横ばいであった。

【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】

報告数は34人(2.3)で、前週比103%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値*(2.5)の約0.9倍であった。年齢群別は2歳から8歳が全体の約8割を占めた。

【感染性胃腸炎】

報告数は135人(9.0)で、前週比81%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(8.9)の約1.0倍であった。年齢群別は1歳から8歳が全体の約7割を占めた。

*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

○マイコプラズマ肺炎:報告数は4例(定点当たり0.6)で、宮崎市(2例)、高鍋(2例)保健所から報告があった。年齢は0〜4歳が2例、5〜9歳が2例であった。

○感染性胃腸炎(ロタウイルス):報告数は3例(定点当たり0.4)で、日南(2例)、延岡(1例)保健所から報告があった。年齢は5〜9歳が2例、10〜14歳が1例で、病原体の群別はいずれも不明であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部)

急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI) 
(2025年第17週:4月21日〜27日搬入分)

(2025年第18週:4月28日〜5月4日搬入分)

○急性呼吸器感染症(ARI)※1サーベイランス検体について、急性呼吸器感染症サーベイランス遺伝子検査マニュアルに従い、検査を実施した。
パラインフルエンザウイルス3型とライノウイルスがそれぞれ第17週搬入分と第18週搬入分で約30%ずつを占めた。
パラインフルエンザウイルス(HPIV)は、乳幼児を中心とした呼吸器感染症の原因ウイルスの1つである。検出報告数が最も多いのはHPIV3型で、毎年初夏〜秋にかけて検出報告が増加する傾向にある。ライノウイルス(HRV)は, 小児から高齢者まで幅広い年齢層に上気道炎のみならず下気道炎(気管支炎や肺炎など)を起こすことが広く認識されている。

※1 急性呼吸器感染症(ARI):咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のいずれか 1 つ以上の症状を呈し、発症から 10 日以内の急性的な症状であり、かつ医師が感染症を疑う外来症例
※2 上記のいずれのウイルスも検出されなかった検体数を計上

(細菌・ウイルスについては2025年5月12日までに検出分)

細菌

報告なし

ウイルス

※ ARI病原体定点から検出されたウイルスのうち、分離されたウイルスも再掲

全国2025年第18週の発生動向

全数報告の感染症

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数(急性呼吸器感染症除く)は前週比82%と減少した。なお、前週と比較して増加した主な疾患は特になく、減少した主な疾患はインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎であった。また、急性呼吸器感染症の報告数は前週比91%と減少した。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は5,350人(2.3)であった。例年同時期の定点当たり平均値*(2.3)の約1.0倍であった。茨城県(5.5)、宮城県(4.2)、鳥取県(4.2)からの報告が多く、年齢群別では4歳から7歳が全体の約半数を占めた。

感染性胃腸炎の報告数は15,672人(6.7)であった。例年同時期の定点当たり平均値*(5.7)の約1.2倍であった。大分県(13.4)、山口県(12.6)、愛媛県(12.2)からの報告が多く、年齢群別では1歳から2歳が全体の約2割を占めた。

* 新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

月報告対象疾患の発生動向 <2025年4月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は34人(2.6)で、前月比103%とほぼ横ばいであった。また、昨年4月(2.9)の約0.9倍であった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症:報告数22人(1.7)で、前月及び昨年4月の約1.0倍であった。20歳代が全体の約半数を占めた。(男性9人・女性13人)
  • 性器ヘルペスウイルス感染症:報告数5人(0.38)で、前月の約0.6倍、昨年4月の約0.8倍であった。(女性5人)
  • 尖圭コンジローマ:報告数2人(0.15)で、前月の2.0倍、昨年4月の約0.7倍であった。(女性2人)
  • 淋菌感染症:報告数5人(0.38)で、前月の約1.7倍、昨年4月の1.0倍であった。(男性3人・女性2人)

【全国】
定点医療機関からの報告総数は4,316人(4.5)で、前月比105%と増加した。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,307人(2.4)で前月比106%、性器ヘルペスウイルス感染症873人(0.90)で前月比100%、尖圭コンジローマ524人(0.54)で前月比104%、淋菌感染症612人(0.63)で前月比107%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は20人(2.9)で、前月比167%と増加した。また、昨年4月(2.7)の約1.1倍であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数20人(2.9)で、前月の約1.7倍、昨年4月の約1.1倍であった。70歳以上が全体の7割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。

【全国】
定点医療機関からの報告総数は1,364人(2.9)で、前月比97%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,313人(2.8)で前月比98%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症41人(0.09)で前月比60%、薬剤耐性緑膿菌感染症10人(0.02)で前月比200%であった。

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