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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2025年第33号

第27巻第33号 [宮崎県第33週(8/11〜8/17) 全国第32週(8/4〜8/10)]


宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所

令和7年第33週(ARIのみ第32週)の発生動向

全数報告の感染症(33週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核1例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:日本紅斑熱2例。
  • 5類感染症:侵襲性インフルエンザ菌感染症1例、水痘(入院例)1例、梅毒3例、百日咳21例。

全数把握対象疾患累積報告数(2025年 第1週〜第33週 保健所受理分)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・第33週の定点医療機関からの報告総数(急性呼吸器感染症除く)は552人(定点当たり27.0)で、前週比77%と減少した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は特になく、減少した主な疾患はRSウイルス感染症、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎及びヘルパンギーナであった。
また、第32週の急性呼吸器感染症の報告総数は1,521人(定点当たり54.3)で、前週比93%と減少した。

【新型コロナウイルス感染症】

報告数は398人(14.7)で、前週比100%と横ばいであった。年齢群別は60歳以上が全体の約3割、20歳未満が全体の約2割を占めた。

【伝染性紅斑】

報告数は27人(1.9)で、前週比100%と横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値*(0.4)の約4.8倍であった。年齢群別は4歳から7歳が全体の約6割を占めた。

【ヘルパンギーナ】

報告数は18人(1.3)で、前週比40%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(2.6)の約0.5倍であった。年齢群別は6ヵ月から2歳が全体の半数を占めた。

*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

○マイコプラズマ肺炎:報告数は4例(定点当たり0.6)で、宮崎市(2例)、高鍋(2例)保健所から報告があった。年齢は5〜9歳が3例、0〜4歳が1例であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部)

急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI) 
(2025年第32週:8月4日〜8月10日搬入分)

○急性呼吸器感染症(ARI)※1サーベイランス検体について、急性呼吸器感染症サーベイランス遺伝子検査マニュアルに従い、検査を実施した。

※1 急性呼吸器感染症(ARI):咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のいずれか 1 つ以上の症状を呈し、発症から 10 日以内の急性的な症状であり、かつ医師が感染症を疑う外来症例
※2 左記のいずれのウイルスも検出されなかった検体数を計上

(細菌・ウイルスについては2025年8月18日までに検出分)

細菌

報告なし

ウイルス

※ ARI病原体定点から検出されたウイルスのうち、分離されたウイルスも再掲

○県内で初めてヒトパレコウイルスA5型が検出、分離された。ヒトパレコウイルスA5型は報告数が少なく病原性については不明である。分離されたウイルスは国内で初めて分離された札幌市の株と相同性が高かった。この株はヒトパレコウイルスA3型との組み換えウイルスで、2018年から2019年にかけてヨーロッパ、日本、オーストラリアで流行していた可能性も示唆されており、今後も感染の流行に注視が必要である。

全国2025年第32週の発生動向

全数報告の感染症

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数(急性呼吸器感染症除く)は前週比102%とほぼ横ばいであった。なお、前週と比較して増加した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、RSウイルス感染症、伝染性紅斑及びマイコプラズマ肺炎で、減少した主な疾患はヘルパンギーナであった。また、急性呼吸器感染症の報告数は前週比99%とほぼ横ばいであった。

新型コロナウイルス感染症の報告数は23,126人(6.1)であった。宮崎県(14.7)、鹿児島県(13.5)、佐賀県(11.8)からの報告が多く、年齢群別では60歳以上が全体の約3割を占めた。

伝染性紅斑の報告数は4,756人(2.1)であった。例年同時期の定点当たり平均値*(0.3)の約6.5倍であった。山形県(5.8)、大分県(4.6)、秋田県(4.1)からの報告が多く、年齢群別では3歳から6歳が全体の約6割を占めた。

* 新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

月報告対象疾患の発生動向 <2025年7月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は34人(2.6)で、前月比117%と増加した。また、昨年7月(3.2)の約0.8倍であった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症:報告数22人(1.7)で、前月の約1.6倍、昨年7月と同率であった。20歳代が全体の半数を占めた。(男性7人・女性15人)
  • 性器ヘルペスウイルス感染症:報告数9人(0.69)で、前月及び昨年7月の0.9倍であった。(女性9人)
  • 尖圭コンジローマ:報告なし。
  • 淋菌感染症:報告数3人(0.23)で、前月と同率、昨年7月の0.5倍であった。(男性3人)

【全国】
定点医療機関からの報告総数は4,926人(5.0)で、前月比103%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,588人(2.6)で前月比101%、性器ヘルペスウイルス感染症946人(0.96)で前月比101%、尖圭コンジローマ610人(0.62)で前月比103%、淋菌感染症782人(0.80)で前月比110%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は14人(2.0)で、前月比127%と増加した。また、昨年7月(3.7)の約0.5倍であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数14人(2.0)で、前月の約1.3倍、昨年7月の約0.6倍であった。70歳以上が全体の約7割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。

【全国】
定点医療機関からの報告総数は1,380人(2.9)で、前月比111%と増加した。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,337人(2.8)で前月比112%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症30人(0.06)で前月比75%、薬剤耐性緑膿菌感染症13人(0.03)で前月比150%であった。

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