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特集
【特集】災害への備え、あなたは大丈夫ですか?
県が昨年導入した防災緊急ヘリコプター「あおぞら」が、2月から本格稼動。
災害発生時の情報収集や被災地への救援物資の輸送、急患の搬送など、
さまざまな場面で活躍することになります

未曾有(みぞう)の被害をもたらしたあの阪神・淡路大震災から10年。
昨年10月には、新潟県中越地震が発生し、
多くの方が仮設住宅などでの不自由な生活を送っておられます。
また、12月末には、インドネシア・スマトラ島沖の地震と津波により、
大変な被害が発生しました。
宮崎県でも過去に大きな地震や災害が起こっています。
災害への備えは大丈夫ですか?

宮崎県は大丈夫?

 1662年、日向灘地震(外所地震)が発生し、外所村(現在の宮崎市大字熊野)が一瞬にして海中に沈みました。
 さらに、1854年には東海、東南海、南海(静岡県から高知県)を震源とした地震が相次いで発生、北浦町には高さ10mの津波が押し寄せました。
 東南海・南海地震は約100〜150年の周期で発生しており、日向灘地震などを含めて、近い将来これらの大規模地震が起こる可能性があります。

外所地震の犠牲者の供養費 1968年に発生したえびの地震
外所地震の犠牲者の供養費。災害を忘れないように、地元では50年ごとに建て替えるそうです1968年に発生したえびの地震。多くの家屋が倒壊しました

「東南海・南海地震」「日向灘地震」により推定される被害
 東南海・南海地震日向灘地震
規  模(最 大 値)M8.6 震度6弱M7.5 震度6強
津波の高さ(最大値)約6m約5m
死 者 数(最 大 値)約6m約5m
建  物  被  害全壊約3,000棟全壊・大破約22,700棟
津波の威力/台風の時の「うねり」よりも低いから大丈夫と思われるかも知れませんが、高さ2mを超す津波は、木造の家をつぶすほどの力があると言われています。また、水深が深い所で地震が起こった場合は、時速800km(飛行機並みの速さ)で押し寄せて来ます。津波は、通常の「うねり」とは違うことに気をつけましょう。

 航空消防隊 日高勝義 隊長
冷静沈着、迅速な行動で皆さんの命を守ります
航空消防隊 日 高  勝 義 隊長

 隊長以下8人の隊員のうち、医療行為を行うことができる救急救命士が4人配属されていることが、本隊の特徴です。
 緊迫した現場で、冷静沈着に迅速な行動ができるよう、昨年10月から厳しい訓練を重ねてきました。
 県民の皆さんの生命を守るため、隊員一丸となって頑張りますので、応援よろしくお願いします。


防災緊急ヘリコプター「あおぞら」性能データ
機  体ベル412EP 防災緊急ヘリコプター「あおぞら」
定  員15人
エンジン1,800馬力
航続距離629km
速  度226km/h
(巡航時)
積 載 量2,241kg

災害に備えて

 県では、過去や他県の災害を教訓に、さまざまな防災対策を行っています。
 例えば、年1回、大規模な災害の発生を想定した総合防災訓練を実施。1,000人以上の防災関係者や住民の方が参加して、本番さながらの訓練を行っています。
 また、災害時に物資を優先的に提供してもらったり、輸送を確保してもらうため、1月にはトラック協会と協定を締結し、今後コンビニエンスストアなどとも協定を結ぶ予定です。
 さらに、行政や住民、企業などからなる災害ボランティア連絡協議会を立ち上げ、災害時には各機関が連携して対策にあたる体制づくりも行っていきます。

総合防災訓練を行う子どもたち
子どもたちも総合防災訓練に参加しました

小さなことから 防災対策を始めよう

 「30年以内に東南海地震が発生する確率は50〜60%で、交通事故で負傷する確率よりも3倍高いんです。小さなことからでも各家庭で地震対策に取り組んでもらいたいですね」
 こう語るのは宮崎市消防局の松山警防課長。自分でできる防災対策を教えていただきました。
 「まずは、各市町村で防災マップが作成されていれば、これを各自常備して、自分の行動範囲にある危険個所や避難場所の位置を家族で確認してください」
 「阪神・淡路大震災では6割の方が家族や近所の人に救助されています。地域のコミュニケーションを大切にするため、自主防災組織を結成し、しっかり機能させてもらいたいですね」

宮崎市消防局の松山警防課長
「家具の前下に新聞紙を差し込むだけでも倒れにくくなります」と語る松山課長

* * * * *

 地震の発生を防ぐことはできませんが、行政や企業、県民の皆さんがそれぞれの備えをしておくことで、被害を最小限に食い止めることはできます。
 避難場所を確認するなど、自分でできることから災害への準備をしておきましょう。

防災マップについては、各市町村の防災担当課にお問い合わせください。

Interview ●インタビュー
救助も復興も地域のつながりがキーポイント
NPOみやざき災害時救援ボランティアコーディネーター
長 谷 川 恵 子 さん

NPOみやざき災害時救援ボランティアコーディネーター 長谷川恵子さん 新潟県の被災地で「足湯隊」に参加しました。
 足湯につかるとリラックスでき、一対一で話せるせいか、震災直後の状況やボランティアへの要望、不便なことなどをたくさんお聞きすることができました。
 今回痛感したのは、地域の人と人とのつながりの大切さです。地震直後に救出活動ができるのは近所の方たちです。あの家には寝たきりの方がいる、昼間は子どもだけだ、など、プライバシーの問題はありますが、日ごろからコミュニケーションをとっておきたいですね。
 もちろん災害は起こってほしくありませんが、この経験を生かして、いざというときには的確に動けるよう、災害時のボランティアによる救援体制も見直していきたいと思います。


グラッ!ときたら まず自分の身を守ってから→火の始末・脱出口の確保
家の中の安全対策
非常時出品の準備(家族1人1個)
リュックの中身は各個人専用で、必要不可欠なものを最小限に
※このほかに、食料、飲料水(大人1人1日3リットルを目安)を最低3日分は用意しておきましょう。

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