最初は、「どんぐりの実から芽吹く小さな命に対して畏敬の念を持つ」というような教育活動がきっかけでした。 そして、そのどんぐりの苗を山に植樹し、私たちの生活に密接に関わる大淀川をきれいにしようという活動を平成九年から始めました。 山之口町の第一号地を初めとして、毎年約1万本を植えつづけ、平成20年の高崎町第12号地まで、総面積37・5ヘクタール、9万2百本が植樹されました。 また、自分たちが育てるという意味でも、一株5百円の株券を発行し、今までに7万9222株を発行いたしました。 |
どんぐり植樹開会式 |
宮崎の森は、元々カシ類、シイ類など通常どんぐりの木と言われる常緑広葉樹林が生い茂っていました。単純にその土地の植物の生態系を変えないように昔ながらの地元に根付いた木を植えようと思ったからです。 また、一言でどんぐりの森といっても、アラカシ、シラカシ、クヌギ、イチイガシなどたくさんの種類の木が、競争しながら育ちます。競争に勝った木々はとてもたくましいのですよ。 |
株券を発行した一つの理由は、森を育てるには、やはりお金がかかるからです。 自然な森をつくろうとしても、どんぐりの実を土に植えて、その後はほったらかし、などということでは森になりません。 どんぐりから芽が出て、2〜3年たった苗木でないと、山に植樹できません。また、植樹した後も、5年までは、草刈りなどをしてあげないと元気な森にはなりません。そういった資金にあてています。 2つ目に、皆さん一人ひとりが株主になることで、自分の山という意識が高まり関心を持ってくれると感じたからです。 毎年、植樹まつりには、子どもから大人まで、地元をはじめ外国や県外の方までたくさんの方が参加してくれますよ。 親と子の環境学習の場にもなっているんじゃないでしょうか。 |
内閣総理大臣表彰受賞を 東国原知事に報告する樋口会長 |
平成9年に植樹した場所は、すでに森になりつつあり、なんと森の中に沢ができたんです。これは、森が水を蓄えているということを表しています。山がなければ、降った雨は表面を流れて直接川に流れ出ていってしまいますよね。また、おいしい水もつくってくれていると思います。 |
私たちがつくる森は、10年で実がなり、50年で5千個の実がなり、100年で何万といった実がなります。そして古い木は枯れ、その子どもたちが自然増殖する。わたしたちが植えた種類だけでなく、他の種類の木々も共生する。また、沢ができて、カニが上ってきて、トンボが増え、さまざまな動物が住む。子どもたちが夏になるとカブトムシを取りに来る。 そんな森にしたいですね。 |