県広報みやざき
【特集】
身近な問題に気づくことからはじめましょう

身近な人権

こんな言葉を聞いたり、場面を見かけたことはありませんか?

家庭で
「育児は母親の仕事」・「おじいちゃん、年齢を考えて」

職場で
「お茶を入れる女性がいないものですから」・「上司からカラオケでデュエットを毎回強要される」

地域社会で
「点字ブロックの上に、自転車がたくさん止めてあった」

 私たちは、日常生活の中で気づかないうちに、人を傷つけていることがあります。
県民の意識調査(平成15年)では、約3割の人が、傷つけられた(人権侵害を受けたことがある)と感じたことがあり、その多くは、悪口や陰口、嫌がらせなど日常生活で起きています。
また、最近では、特にインターネット上でも、個人の名誉を傷つけたり、差別を助長する表現が掲載されるなどの問題が発生しています。
自分や家族のことで悩んだり不満に感じていることを思い浮かべてみてください。その背景には「女性」「高齢者」「子ども」などさまざまな人権問題が見えてきます。
私たちが人権について考えるときには、まず身近な人権問題に気づくことから始める必要があります。

正しい理解へ向けて

 人権教育や人権啓発を進めるため、県では「宮崎県人権教育・啓発推進方針」を定め、
「一人ひとりが大切にされ、一人ひとりの良いところが生かされるような社会をつくること」を目指し、県の各部局が連携をしながら、推進方針に基づく、様々な取り組みを行っています。
  この方針では、県だけではなく、市町村や企業、市民団体、県民が自ら進んで取り組むことも期待されています。
  このため、私たち一人ひとりが人権問題を正しく理解するとともに、家庭や職場、地域社会で、人権尊重の意識を高めることが大切です。

人権週間に関連した事業について

 人権週間に関連して、県では、次のような啓発事業を行います。

1.街頭啓発(12月3日)
2.人権に関する作品授賞式
3.人権に関する作品展
12/6〜10
県庁本館1階展示コーナー
12/11〜24
県立図書館1階ギャラリー
4.人権啓発映画のテレビ放映「同級生」
「プレゼント」

この他にも、人権ラジオ番組「人権!TO YOUR HEART」を、毎週土曜日12時55分からMRTラジオで放送しています。

家庭では

すべての教育の出発点であり、家族とのふれあいを通じ、幼児期から豊かな情操や思いやり、生命を大切にする心、善悪の判断、生活習慣やマナーを身につけるなど、人間形成の基礎を育む上で重要な役割を担っています。
  日常生活において、親や周りの大人の誤った言動が、子どもたちに無意識のうちに偏見を植え付けることもあります。
  家族では、さまざまな問題について、話し合ってみませんか。

職場では

多くの人と顔を合わせ、一日の中でも長い時間を過ごす職場では、職場そのものが重要な生活の場となっており、誰もが働きやすい明るい職場をつくっていくことが大切です。
  企業は、本来、営利を目的とする組織ですが、企業も社会を構成する一員であるとする「企業市民」という考えが定着し、その社会的責任や社会貢献が重要視されていることから、人権問題についても従業員研修、啓発活動などへの取り組みが期待されています。

地域社会では

地域社会には、家庭とともに、お互いの人権を尊重する意識や他者に対する思いやりの心を育む役割があります。
  私たちの周りには、子ども、高齢者、障がいのある人などさまざまな人が暮らしています。これらの人々が地域社会の中で幸せに生きるためには、地域社会の中で、お互いの立場を思いやり、一人ひとりが個人として大切にされるという、人権尊重の精神を培うことが必要です。
  しかし、地域社会には性別による固定的役割分担意識や不合理な風習が残っていることもあり、知らず知らずのうちに人権が侵されることがあります。
  偏見や差別のない地域社会にするためには、一人ひとりが人権侵害につながるものの見方や考えを改める機会をもつことも重要です。
  今日では、社会教育施設や公民館などを拠点として、人権啓発に関する各種講演会や講座等が開催されていますので、それらに住民の皆さんも積極的に参加してみませんか。

困ったときには

 県では、人権問題に関する学習や相談ができる「宮崎県人権啓発センター」を開設しています。
 人権に関する図書・ビデオを揃え、閲覧・視聴できるスペースがあり、貸し出しもできます。
 企業や団体、県民が行う人権啓発や研修への支援も行っています。
 また、専門の相談員が、人権に関する相談に応じています。

インタビュー INTERVIEW
「子供の権利条約」宮崎の会 喜多祐二さん(延岡市)
 国連で制定された「子どもの権利条約」の普及・啓発活動や子どもに関する電話相談などの子ども支援活動を行 っています。 相談窓口には、多くの子ども達から悲痛な叫びが届きます。 「言葉が痛いと・・」大人の言った言葉に傷ついた子どもからの相談でした。 子どもは、さまざまな表現をしますが、それを真摯に受け止めてくれる大人が少なくなっている、大人も余裕が無くなっていると感じます。 子どもと向き合って、話を聞く時間をもってください。 子どもとの会話では、「焦らず」「あわてず」「余計なこと言わず」です。 子どもは家族の一員ですが、社会を担う同じ人間なのです。

県人権啓発センター

宮崎市宮田町1番6号 県庁8号館6階 (みやざき物産館の建物)
電話 0985(32)4469
FAX 0985(32)4454
■開館時間/9:00〜17:00
■休館日/土・日・祝日・年末年始

※人権に関するさまざまな情報は、ホームページでお知らせしています。

http://www.m-jinken.jp

主な相談電話

法務局 人権擁護課(人権全般その他悩み事の相談)

TEL 0985(22)5124

子ども・ほほえみダイヤル(子どもの相談)

TEL 0985(28)4152

高齢者総合相談センター(高齢者の相談)

TEL 0985(25)1100

女性相談所(女性に関わる相談)

TEL 0985(22)3858

身体障害者相談センター(身体障がいにかかわる相談)

TEL 0985(85)3388

(社)宮崎犯罪被害者支援センター(犯罪被害者などの相談)

TEL 0985(38)7830