県広報みやざき
【特集】
かけがえのない命〜この世に生をうけて〜
本県の自殺死亡率

 平成十九年一月から十月までの自殺者数は三百三十二人で、自殺死亡率(人口十万人あたりの自殺者数)が全国ワースト二位となってしまった宮崎県。
  平成十九年の交通事故による死亡者数が約八十人であったことを考えるといかに多いかが分かります。
  最近十年間の統計でも本県の自殺死亡率は、全国でも常に高位にあります。
  年代別では、男性が五十歳代、女性は六十歳代の比率が高く、男女別では、男性が約7割、女性が約3割となっています。
  また、自殺増加の背景には、病気や介護などの健康問題、借金や失業などの経済・職業問題、離婚や家庭内暴力などの家庭問題、その他さまざまな問題があると考えられています。

こころを健康にするためにゆっくり自分のペースで歩きましょう。

ひとりで悩まないで誰かに話してみませんか?
 自殺は追い込まれた末の死であり、制度・慣行の見直しや周囲への相談・支援、病気の適切な治療などにより多くの自殺は防ぐことができます。
 また、自殺を考えている人は悩みを抱えており、不眠や体調不良、うつ状態などのサインを発しています。
家族や周囲の方がこのサインに気づき、相談機関や医療機関での相談・受診、集いの場に参加することで多くの自殺を防ぐことができます。そして、だれもが生き心地のよい社会を作ることが自殺予防につながります。
 県では、「ひとりで悩まないで、誰かに話してみませんか?」をキャッチフレーズに相談機関や医療機関をインターネットで検索できる情報サイト「こころ安心・相談ネット」を開設しました。気軽にアクセスしてください。
愛称「みやざきこころ青Tネット」 http://www.m-aot.net
 また、心の悩みや自殺に関する相談窓口もご利用ください。

○心の悩みの相談
「こころの電話」TEL:0985-32-5566
月〜金(祝日、年末年始を除く)
9時〜19時



○精神科医による相談
(宮崎県精神保健福祉センター内)
「ストレス専門診療相談」
(予約制・無料)TEL:0985-27-5663

相談日 第1〜第4木曜日
14時〜16時
家族からの相談にも対応します。
○自殺に関する相談
「NPO法人宮崎自殺防止センター」
TEL:0985-77-9090

水・日 20時〜23時




子どもへの虐待、配偶者への暴力は犯罪です。
全国的に増え続ける家庭内での暴力
 児童虐待や配偶者などからの暴力(DV)に関する相談件数が全国的に増え続けています。
 児童虐待やDVは、子どもや被害者の心や体に深刻な影響を与えるだけでなく、時として尊い命を奪う重大な犯罪であり、決して許されるものではありません。
 児童虐待は大きく4つに分けることができます。
(1)殴るなどの「身体的虐待」
(2)食事や入浴の世話をしないなどの「養育放棄」
(3)言葉によるおどし、兄弟との差別的取扱いなどの「心理的虐待」
(4)子どもへの性的行為などの「性的虐待」
 同じくDVにも殴る、蹴るといった「身体的暴力」だけでなく、人格を否定するような暴言を言う、大声で怒鳴るといった「精神的暴力」、性行為や中絶の強要といった「性的暴力」などいろいろな形態があります。

虐待やDVのサイン
 児童虐待やDVは、家庭内で行われることが多いため、表面化しにくいのが特徴です。
 しかし、子どもや保護者などは「虐待のサイン」を出していることも多いので、身近な地域の方々が、サインに気づいてあげることで助けることもできるのです。
 虐待のサインの例として、「家の中からひどい泣き声が聞こえる」とか「いつも子どもの服が汚れている」などがあります。
 児童虐待に気づいたら、市町村の担当窓口や県内3箇所の児童相談所にご連絡ください。

悩んだら、まずは相談をしてください
 子育てやDVなどさまざまな問題で悩んだら、まずは相談してください。
私たちは一緒に問題の解決に努めます。

○子育てなど子どもに関する相談
「子ども・ほほえみダイヤル」 TEL:0985-28-4152

○DVなどに関する相談
「宮崎県女性相談所」 TEL:0985-22-3858

雨の日曜日。せっかく早起きしたのに(Y.YUASA)
※写真はイメージです。

ペットは大切な家族です。最後の日まで愛情を注いでください。
動物も命ある存在です
 少子化や核家族化により家族間のつながりが希薄になる中、ペットに癒しを求める方が増えています。また、ペットは従来の愛玩動物としてだけでなく、人生の伴侶動物「コンパニオンアニマル」として人間の生きる支えにもなっています。
  しかしながら、年々減少はしているものの、依然として一部の無責任な飼い主による飼育放棄、虐待などが行われています。
動物も「命ある存在」として飼い主一人ひとりが、最後の日まで愛情を注ぐことが大切です。

飼うための心構えが大切です
 ペットを家族の一員として迎え入れるために次のことを守ってください。
(1)犬には登録と狂犬病の予防接種を受けさせる。
(2)散歩などの時はマナーを守る。ふんの後始末は飼い主の責任です。
(3)「しつけ」をする。もともと野生で生きていた犬は群れで生活をしていました。犬への愛情を注ぎつつあなたがリーダーになってください。
(4)放し飼いはやめる。首輪やクサリを定期的に点検する。ねこにも首輪・迷子札をつけてください。
(5)犬やねこを飼うにはそれなりにお金がかかり、場所や時間も必要です。近所などにも配慮する必要があります。

犬やねこの譲渡をサポートします
 犬やねこの譲渡をサポートするため、「みやざきドッグ愛ランド」という情報サイトを運営しています。
http://www.miyazaki-dog-network.com/
 また、今年度は「命の架け橋」犬ねこ譲渡推進サポート事業を実施します。
 これは、保健所などで引取り、捕獲した犬・ねこのうち、譲渡可能なものを一定期間飼育し、定期的に開催する譲渡会やみやざきドッグ愛ランドなどを通じて新しい飼い主を捜すとともに、正しい飼い方などの啓発を行うための事業です。
 また、子犬の譲渡会、しつけ教室などを行う「みやざき愛犬まつり」も十一月に開催予定です。
 県内各保健所では、犬のしつけ方教室なども開催していますので、詳しくは各保健所にお問い合わせください。

昨年のみやざき愛犬まつり、子犬の譲渡会の様子

犬の十戒(抜粋)〜飼い主の方へ私からのお願い〜

(1) 私の命は十〜十五年ぐらいでしょう。どんなにわずかな時間でも、あなたと離れることはとてもつらいのです。私を飼う前にそのことを考えてください。
(2) あなたが私に望んでいることを、ちゃんと分かるようになるまで少し時間をください。
(3) 私のことをずっと叱り続けたり、罰として閉じこめたりしないでください。あなたには仕事や楽しみがあり、友達もいますが、私には・・・あなたしかいないのです
(4) 時には私に話しかけてください。たとえあなたの話す言葉は分からなくても、あなたの声を聞けば、何を言っているのかが分かるのです。
(5) 言うことをきかないとか、手におえないとか、怠け者だとか叱る前にそうさせてしまった原因が何なのか考えてみてください。ちゃんとした食事をさせてもらっていたでしょうか。太陽が照りつける中に長い間放っておかれたことはなかったでしょうか。老いた私の心臓が弱っているせいで動けないのかもしれません。
(6) 最後のお別れの時には、どうか私のそばにいてください。「つらくて見ていられない」とか、「私のいないところで逝かせてあげて」とかそんなことを言わないでほしいのです。あなたが側にいてくれるのならば、私はどんなことも受け入れます。そしてどうか忘れないでください。私がいつまでもあなたを愛していることを。
犬の十戒…作者不詳