県広報みやざき
【特集】
中山間地域の集落を〜住民主体の元気な地域づくりを目指して〜少子・高齢化が進む県内の中山間地域
地域を活性化するために取り組む方々、集落を応援します

元気な集落づくりに取り組む集落を「いきいき集落」と命名しました。

全国から1890件のご応募をいただきました
今年の6月から8月まで、県内の「元気な集落づくりに取り組む集落」の呼称を募集したところ、全国より1890件の応募がありました。
厳正なる審査の結果、「いきいき集落」という名前を最優秀賞に決定しました。
  この呼称を応募された方は、岩手県藤沢町の熊谷幸平さんほか4人。「集落が元気で、はつらつで、いきいきとして、活動的な暮らしの「集落」になることをイメージした。」ということです。
  県内はもとより、全国各地から応募をいただいた皆さん、ありがとうございました。

「いきいき集落」を募集しています

元気な集落づくりに取り組む県内の「いきいき集落」を12月末まで募集しています。
例えば、集落住民で沿道に花の植栽を行っている集落、他の地域にはない付加価値のあるもの(特産品、農産物、伝承の踊り、文化財、自然など)を軸に村おこしを行っている集落など。
単独集落、複数の集落いずれでもかまいません。

応募用紙は、県中山間・地域対策室、お住まいの市町村に置いてあるほか、県ホームページからも入手できます。


宮崎県の重点施策のひとつです

県では平成20年度の重点施策の一つとして中山間地域対策を掲げています。
ここでは、中山間地域の活力を再生するための取組の一例をご紹介します。

中山間地域の魅力をPR
中山間地域の地域資源の再発見と交流人口の拡大を目的として、「宮崎魅力再発見 出会い・ふれあい交流事業」が開催されました。
公募により選ばれた福岡県在住の「PR女神」20人が、今年9月にそれぞれ西米良村と諸塚村を訪れ、地域の人たちとの交流、農業体験、名所巡りなどを通じて、村の魅力満載の宝地図を作製。
11月に再度、両村を訪れ、村の青年たちと宝地図などを活用したPR戦略を練った後、福岡市で両村の魅力を広めるPRイベントを行いました。

中山間地域を活性化するために

中山間地域で新たに事業を興したり新分野に進出する企業・団体などの初期投資を軽減する支援を行っています。
今年度は、福祉バス運行のための調査事業や農産物直売所開設事業など7団体の7事業が採択されました。(中山間地域コミュニティビジネス応援事業)

また、地域の個性の発揮や創意工夫により、市町村と住民が一体となった魅力ある地域づくりの取組に対して支援を行っています。
今年度は、地域ブランド産品開発などに取り組む10事業が採択されました。(個性と工夫で頑張る地域づくり応援事業)


中山間地域で頑張る人を応援します 

10月に行われた地域活性化フォーラムでは、パネリストの方から次のような意見が出されました。

一、街から来た人、定年退職した人たちの力を巻き込む。
二、無関心では活性化しない。住んでいる人自らが村おこし のための関心を持つ。
三、お客さまとしてリピーターになってもらうためには、第1にその地域に関心をもってもらい、第2に感動してもらう、第3に好きになってもらう
このような意見も踏まえながら、地域住民、関係団体、市町村、県などが協力して中山間地域活性化のための取組みを行っていきます。


中山間地域対策に関するお問い合わせ
中山間・地域対策室 0985(26)7036



60歳からはじめた地域おこし〜村おこしにかけた高千穂町五ヶ村村おこしグループ

現在の平均年齢は70歳。時給200円からはじめた温泉茶屋

14年前に9人で結成された高千穂町五ヶ村の五ヶ村村おこしグループ。
町営の温泉「天の岩戸温泉」ができたことが結成のきっかけでした。
そう話すのは、同グループ代表の工藤正任さんと工藤光平さん。
温泉の横で、なにか食事を提供できるところをつくりたいと温泉茶屋を建設。
建設費は、約1200万円、そのうち約400万円は自己資金。運営スタッフみんな、ボランティアみたいなものでした。

もったいないと思ってみんなで考え出した「いもあん」が年間7万個を売り上げるヒット商品に
 茶屋の横に無人販売所を設けたのですが、からいもが売れ残っていたんです。
  もったいないから、なんとか活用できないかと思って考え出した「いもあん」を温泉饅頭として売り出したところ、年間7万個を売り上げる名物となりました。
おかげさまで、ほとんどボランティアで手伝ってくださっていた奥さんたちに、なんとかまともな時給を出せるようになりました。

神楽ツーリズムの拠点「神楽の館」も大好評

日之影町にあった築130年の民家を移築して建設した神楽の館。
なぜ、そんな大事業を行ったのかというと・・・
若者が少なくなった影響からか、この地域で伝統的に行ってきた夜神楽を舞わずに、神事だけで済まそうという話がでたんです。
そこで、なんとか夜神楽を後世に伝えたいと考え、神楽の舞を見ながら、囲炉裏を囲んで、お酒を飲んだり、宿泊できる神楽ツーリズムをはじめました。
今では、私たちはもちろん、地域の若い人たちも観光客の方々とふれあうことを楽しみにしています。

地域の高齢者と若者が集う「石蔵カフェ」

若者と高齢者が気軽にお茶を楽しめる場所にしたいと建設中の石蔵カフェ。
日之影町の築100年以上の穀物倉庫だった石蔵を譲り受けて移築しています。
メニューも地域の若い人たちと協働で開発中で、高千穂町でおやつという意味の「こびる」研究会で試作品をつくっているところです。
石蔵カフェが若い人たちの働く場になることも期待しています。

村おこしグループに大切なこととは

村おこしのため、お客さまに、おもてなしをするには対価も必要です。ボランティアでは、長続きしないでしょう。
私たち高齢者でもがんばれば、それなりの報酬がもらえるんだという結果が出せたから今に至っていると思います。
そのためには、リピーターのお客さまを取り込む工夫と、この地域ならではの付加価値が必要です。それが都会では真似のできない、地元農産品、神楽と神楽の館、石蔵カフェだと思います。