武田社ワクチンについて
接種を受けることができる医療機関
- 令和5年春開始接種においては、基本的にはファイザー社又はモデルナ社のオミクロン株対応ワクチンをおすすめしています。
- 接種可能な医療機関について、医療圏ごとに一覧表にまとめています。以下の「接種医療機関一覧表」をクリックし御確認いただき、接種に関してのお問い合わせはリストに記載の連絡先にお願いいたします。
- リストに掲載の医療機関でも、武田社ワクチンの在庫を有していないため接種を行なっていない医療機関もありますので、御注意ください。
武田社ワクチンとは
組換えたんぱくワクチン
ウイルス抗原(新型コロナウイルスのスパイクタンパク)の遺伝子をもとに、昆虫細胞を用いて発現させた遺伝子組み換えタンパク質をナノ粒子化して製造されたワクチンです。
免疫の活性化を促進する(ワクチンの効果を高める)ために、キラヤ植物の樹皮から抽出した成分をもとに作られたケージ様の粒子で構成されるアジュバンドという物質が添加されています。
- 組換えタンパクワクチンは、不活化ワクチンの一種です。
- 不活化ワクチンは、B型肝炎ウイルスワクチン、ポリオ、インフルエンザ等のワクチンで使用されており、長期の使用実績があります。

(令和4年3月24日開催第31回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より)
作用機序
武田社ワクチンを接種することにより、免疫の一種である抗原提示イルス感染症に対する抗体が産生されます。
アジュバンドは接種部位、リンパ組織での免疫細胞の働きを促進します。

(ヌバキソビッド筋注:適正使用ガイドより)
成分について(ワクチン接種を受ける人へのガイドより)
ワクチンに含まれている成分は以下のとおりです。
有効成分
|
SARS-CoV-2rS
|
添加剤
|
Matrix-A、Matrix-C、コレステロール、ホスファチジルコリン、リン酸水素二ナトリウム二水和物、リン酸に水素カリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム七水和物、リン酸二水素ナトリウム一水和物、ポリソルベート80、pH調節剤
|
注意:Matrix-A、Matrix-Cは、キラヤ植物の樹皮から得られた抽出物、コレステロール及びホスファチジルコリン(界面活性作用等)からなる添加剤。ポリソルベート80は、水に溶けにくい薬剤の可溶化やタンパク製剤の安定化に用いられます。
接種の対象者について
接種の種類 |
接種対象年齢 |
接種量・接種方法 |
接種間隔 |
初回接種
(1・2回目接種) |
12歳以上(注意) |
1回0.5mL
筋肉注射 |
通常、3週間の間隔をおいて接種します。1回目の接種から3週間を超えた場合には、できる限り速やかに2回目の接種を受けてください。 |
追加接種
(3回目以降の接種) |
前回の接種から少なくとも6か月経過した後に接種を受けることができます。
|
(注意)令和5年3月8日以降、武田社ワクチンを追加接種する場合の年齢が、「18歳以上」から「12歳以上」に引き下げられました。
- 「接種を受けることができない方」、「接種を受けるのに注意が必要な方」を以下にお示しします。
御自身が当てはまるかどうか、ワクチンを受けてもよいか御不明な方は、現在受診されている医療機関の医師、かかりつけの医師に御相談ください。
- また、接種当日は、御自身の症状、飲んでいる薬等について、接種前の診察(問診)時に必ず申し出てください。
接種を受けることができない方
- あきらかに発熱している方(注意1)
- 重い急性疾患にかかっている方
- ノババックスの成分で重い過敏症にかかったことがある方(注意2)
- 上記以外に、医師に接種を行うことが不適当な状態にあると判断された方
(注意1)「あきらかな発熱」とは、通常37.5度以上を指します。ただし、平時の体温と比較して37.5度を下回る場合であっても、発熱していると判断される場合もありますので、御了承ください。
(注意2)全身性の皮膚・粘膜症状、喘鳴、呼吸困難、頻脈、血圧低下等アナフィラキシーを疑う複数の症状
接種を受けるのに注意が必要な方
- 血小板減少症又は凝固障がいのある方、抗凝固療法を受けている方
- 過去に免疫に異常があると判断されたことがある方や両親や兄弟に先天性免疫不全症の方がいる方
- 心臓や血管、腎臓、肝臓、血液の障がいや発育の障がいなどの基礎疾患がある方
- 他のワクチンを受けて、2日以内に発熱があった方や全身性の発疹などアレルギーが疑われる症状が出たことがある方
- 過去にけいれんを起こしたことがある方
- ノババックスの成分に対してアレルギーを起こすおそれのある方
- 妊婦又は妊娠している可能性のある方
- 授乳中の方
効能効果、有効性について
効能又は効果
- 新型コロナウイルスによる感染症の予防(添付文書より)
有効性(令和4年4月27日開催第32回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より)
- 武田社ワクチン初回接種(1,2回目接種)後約3か月間における野生株・アルファ株・ベータ株・ガンマ株に対する感染症予防効果は90.4%であったとの報告がなされています。
- 従来株に対する中和抗体価は、2回目接種後14日時点と比較して、3回目接種後28日時点では約4倍に上昇するとの報告がなされています。
- オミクロン株に対する効果についての知見は限定的ですが、武田社ワクチンの投与により初回接種(1,2回目接種)後、3回目の接種後ともに中和抗体価が上昇するとの報告があります。
安全性、副反応について
安全性について(令和4年4月27日開催第32回、令和4年7月22日開催第33回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より)
- 18歳以上の者について、初回接種後7日までの局所・全身反応は軽度~中等度で一過性であり、追跡期間中に安全性の懸念は認められなかったとの報告がなされています。
- 3回目接種後の有害事象の多くは軽度から中等度であり、速やかに回復したとの報告があります。
- 12-17歳を対象とした海外国際共同第3相試験の結果、接種対象が12歳以上に改訂されました。
交互接種を行なったときの有効性、安全性について(令和4年4月27日開催第32回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より)
- 初回接種において他のワクチン接種と武田社ワクチン接種の交互接種を行なった場合や、3回目接種における交互接種を行なった場合は、有意に抗体価(抗体の量)が上昇すると報告されています。
- 初回接種や3回目接種で他のワクチン接種と武田社ワクチンを用いて交互接種を行なった場合の安全性は許容されるとの報告がなされています。
副反応について
|
10%以上 |
1~10%未満 |
1%未満・頻度不明 |
局所反応
(注射部位)
|
圧痛(75.1%)、疼痛(62.6%) |
発赤・紅斑、腫脹・硬結 |
そう痒感 |
血液 |
|
|
リンパ節症 |
精神神経系 |
頭痛(51.0%) |
|
感覚鈍麻、錯感覚 |
消化器 |
悪心・嘔吐(15.2%) |
|
|
皮膚 |
|
|
発疹、紅斑、そう痒症、蕁麻疹 |
筋・骨格系 |
筋肉痛(51.5%)、関節痛(23.6%) |
|
|
その他 |
疲労(53.1%)、倦怠感(41.2%) |
発熱、四肢痛 |
悪寒 |
4回目以降の接種について
武田薬品工業株式会社が国(医薬品医療機器総合機構)に提出した資料では、
<有効性について>
- オミクロン株(BA.1)、デルタ株、ベータ株のスパイクタンパク質に対する抗体価は、ワクチン4回目接種により4回目接種前と比較して増加し、接種後14日後時点で従来株の抗体価を上回った。
- オミクロン株に対する中和抗体価の減弱は、ファイザー社ワクチン、モデルナ社ワクチンの報告と一貫していた。
- 中和抗体価の成績から、従来株、デルタ株、ベータ株に対しては4回目接種により、高い有効性が得られることが期待される。
<安全性について>
- 4回目接種後の局所性の副反応の発言割合は、3回目接種後と概ね同程度であった。紅斑のみで3回目接種後から発現割合が上昇(10.3%→19.5%)。
- 4回目接種後の全身性の副反応も3回目接種時と同様に、疲労(56.1%)、頭痛(43.9%)、倦怠感(43.9%)、筋肉痛(36.6%)であり、発熱(9.8%)、関節痛(19.5%)、悪心/嘔吐(14.6%)は相対的に少なかった。
と報告されています。
接種後に気を付けること
- 接種後にショック(冷汗が出る、めまい、顔面蒼白、手足の冷感、意識の消失など)、アナフィラキシー(全身の痒み、蕁麻疹、のどの痒み、ふらつき、動機、息苦しい)が起こることがあります。接種後一定時間(少なくとも15分)は接種施設で待機し、このような症状が見られたらすぐに医師、看護師に申し出てください。
- 接種後にショック、アナフィラキシーの症状が現れた方は、次回以降の接種において、武田社ワクチンの接種は受けないでください。
- 接種当日は、激しい運動は避け、接種部位を清潔に保つようにしてください。
- 接種後の健康状態には十分に注意してください。接種部位の異常な反応や体調の変化、高熱、けいれんなどの異常を感じた場合は、すぐに医師の診察を受けてください。
- 接種直後又は接種後に、血管迷走神経反射により失神することがあります。失神による転倒を避けるために、接種後は背もたれやひじ掛けのある椅子や体重を預けられるような場所で待機するようにしてください。
- 他の医療機関を受診したり、他のワクチンを接種したりする場合は、必ず武田社ワクチンを接種したことを受診先の医師等にお伝えください。
(注意)血管迷走神経反射:注射を打った時の痛み、恐怖、(神経的な)興奮などによる刺激が脳神経の一つである迷走神経を介して中枢に伝わり、心拍数が減少したり血圧が低下したりすることがあります。そのため、気分が悪くなったり、めまいやふらつき、失神などが起こったりします。
予防接種後健康被害救済制度について
- 予防接種は、感染症を予防するために重要なものですが、接種により健康被害(病気にり患したり、障がいが残ったりすること。)が起こることがあります。
- 極めてまれではありますが、副反応による健康被害をなくすことはできないことから救済制度が設けられています。
参照:厚生労働省のページ「予防接種健康被害救済制度について」(外部サイトへリンク)
参照:宮崎県ホームページ「新型コロナワクチン接種に係る健康被害救済制度について」